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奈良大学文学部史学科教授として毎年学生の卒業論文指導に従事している著者が、歴史学での卒業論文執筆について、大学4年生の4月から提出後まで順を追ってするべき作業をわかりやすく解説。
歴史学での卒業論文執筆に向けて、研究テーマの決定から論文や史料の集め方、研究史の整理や史料の分析の仕方、注の付け方など、一つ一つの作業について、読みやすい文体で丁寧に指南されており、歴史学で卒業論文を書く必要がある学生なら、この本が手元にあれば重宝すること請け合いである。アマチュアで歴史学の論文を書こうと思っているような人にも有益だと思われる。
自分は隣接分野の考古学で卒業論文を書いた経験があるが、その時のたいへんさと面白さが蘇ってきた。歴史学でも論文を書いてみたいと思わされた。
ただ、歴史学と言っても、著者の専門でもある日本史が想定されているのは歴然で、外国における史料や論文の入手法などに困難が予想される東洋史や西洋史の卒業論文をどうやって書くのかは、本書だけではなかなか覚束ないのではないかとは思った。
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歴史学系の卒業論文の書き方について、テーマ設定から提出後の口頭試問まで、手取り足取り説明している(ファイリングする際の穴をあける位置に気を付けましょう、といったことまで書いてある)。
書いてあることはいずれも「当たり前」のことなのだろうが、「当たり前」のことを綿密に文字化して伝えるのは、とっても難しい。著者の労力に心から敬意を表したい。
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卒論の書き方を教えてくれるノウハウ本はいくつか本屋に売っているのを見かけるが、「歴史学」に特化したものは今までなかったのでありがたかった。先行研究の大切さを身に染みて感じると共に、周到な準備をして作業をすれば、大変だが意外と混乱せずスムーズに書き進めることができると知り、いくらか気持ちが和らいだ。大学生活の集大成として、この本と共に卒論を書き上げたいと思う。
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https://kinoden.kinokuniya.co.jp/shizuoka_university/bookdetail/p/KP00025943/