紙の本
裏表紙とはちょっと違う感想を持った
2022/02/06 22:57
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投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
色々考えて行動しているつもりでも、タイミングが合わないことはあるなぁと思う。でも、他人の考えていることなんてわからない。結局は、自分で考えて行動するしかなく、その結果をうけとめるしかない。なんかやるせないなぁ…。
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小野寺史宜といえば物静かな男性主人公の日常がちょっとだけ揺らぐ話です。当然今回もそうです。
主人公の豊永守彦が妻の連れ子との関係悪化をきっかけに離婚、それでも周囲の人々と表面的に関係を持ち続けた結果、「すべては愛の程度だ」と解脱したような内容。
著者の作品にしては登場人物に特殊な人物が多く登場する。
効率厨で人生をRTA実施中の元妻の成恵、主人公にコナをかけつつ大事なところは浮気で別れた元夫を頼ってしまう結衣、どう考えてもビッチ認定の品田くるみなど、全体的に恋愛観・結婚観・家庭観がまともではないキャラクターがもりだくさんだ。登場人物で唯一まともなのは小池君くらだよぉ…
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7歳の娘を持つ7歳年上の女性と結婚した35歳の男性
一人称で語られるが故に
その本音と建前がはっきりわかる
バカなやつだと思っても
無難な言葉で返したり
こんなやつだと思われたくないので
言葉にしなかったり
でも、多かれ少なかれ
人間みんなこうなんだと思う
面倒なことになりたくないので
本心は隠しておく
愛っていうのも
曖昧なものだね
自分では愛していると思っても
愛そうとしていただけかもとか
顔は好きだけど愛しているのだろうかとか
自分でもよくわからなかったりする
作者はひとの心をよく見ていると思った
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35歳の守彦の結婚、離婚、仕事、恋愛。
溺れた義娘を助けたつもりが別の子で、それまでうまく行ってたような家族が微妙にうまくいかなくなり、、
そう落ち込まずに新たな別の人間関係も生まれ、
淡々としてるんだけど、いろいろ考えてる守彦。
特に結末とかないんだけど、こういう考える系の男性が主人公の本は好きだけど、現実の男性は小池くんみたいに少し単細胞がいいなぁ。
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男性作家さんであまり読んだことのない、登場人物の心情が繊細に描かれている文章。
守彦と妻の成恵、後輩、シングルマザーの女性その子供とのやりとり。後輩の小池くんがなんとも憎めない。結婚した後も小池くんは守彦に相談してきそうだ。
他の著書も読んでみたい
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6月-31。2.5点。
年上女房の主人公、キャンプで連れ子と友達が溺れ、子供を助けたつもりが友達だった。
主人公の生活を淡々と追う。こういうの、上手いな。
ただ、思った感じでは無かったので、2.5点に。
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妻の職場の仲間と出掛けたバーベキューで、川遊びしていた娘が溺れるのを見てとっさに川に飛び込んだ守彦だったが、その腕の中にいたのは娘ではなく一緒に溺れた別の女の子だった。
娘も助かったが、その日から口をきいてくれなくなり、妻との関係もぎくしゃくし始めて、困り果てた守彦はとりあえずの間と家を出る、といった発端。
だけど、なんか、彼の行動には違和感があるなぁ。
家を出るのはまだあるかなと思うが、助けた娘の母親・結衣から連絡が来たからといって、彼女が働く喫茶店に通ったり、家に行ったりするかなぁ…。
下心があるのかないのか、中途半端に生真面目っていう感じで、小池くんでなくこっちこそ度を越えているような気がするぞ。
どういうつもりか守彦の気を惹きながら最後に梯子を外す結衣のほうもどうだかなぁ。
この二人だけでなく出来てくる人物が皆、私にとってはどこか変。
大人の振りして自分が一番大事の妻やバイト先の女性たちに次々と声を掛けていく塚越くんには付き合いきれない感じだし、どうしようもなく性悪女の品田くるみと彼女に首ったけで全く学ばない小池くんのカップルもなんだかな…。
守彦が人事課長に登用されたり、最後の深井さんの登場まで、真面目に悩む話な割には軽い話に微妙な陳腐さや違和感を覚えたのでした。
★は2と3の間くらい。
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子供が溺れて父親が別の子を助ける所から展開して行くが、そもそも母親は何してるの!ってかんじ。
離婚を自分勝手に切り出してきてかなりムカつく。
主人公の期待どおりに行かないことが現実っぽいが、物語に(私が)求めているものはそういうリアルじゃないので、読み終わってモヤモヤ。
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まさに小野寺小説的主人公である豊永守彦、周りに流され抗うことをしない姿はちょっと歯痒い。
楽しく読めるが読了感はモヤモヤかな。
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波が立つのも、日常のひとこま。いなしながら、たんたんと、多少食欲は落ちてもって考えると、マナブンは、もはやいやし(なんとっ!)
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当たり前だけど行動力ある奴の方がモテるよね
35歳既婚男性主人公が血の繋がっていない娘とのギクシャクをきっかけにちょっとだけ交流関係が広がって、結局行動しないために収束していくお話。いやもっと行動しろよ、陰キャかよ。陰キャにしてももうちょっと行動するぞ?と思わされるが、割と私自身も似た行動になっちゃっていそうで自戒させられる…。
主人公の自己評価とは裏腹に主人公は顔が整っているのだと思う。それゆえに、モテるがゆえに、行動しなくても好都合になった経験があったゆえに、行動力が減少していったんじゃないだろうか、という主人公像の解釈ができる。モテて羨ましいぜ。
もっと後輩の小池くんから人生のイロハを教えてもらおうぜ、主人公よ。
結婚・離婚に興味ある人におすすめ
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綺麗な終わり方。
『その愛の程度』って、素敵。 わたしも恋したくなる程、優しく素敵な物語でした。 ままならない、でも、明日への希望が・・・。 最後、"ふふふ"と、笑みが浮かんでいた。
淡々と綴る優しい文章が素敵。
ドラマティックな酔いよりも、普通の男性の喜怒哀楽の素直な呟きが、なんだか魅力的。
小野寺史宜さん、いいなぁー。
主人公・豊永守彦は、結婚、離婚、新しい恋、後輩くんの結婚を通して、変わって行く。 恋して敗れての葛藤は、流されやすかった彼には、大きな成長。 応援したくなる。
それに比べて、年上の妻の逞しさ、したたかさは圧巻。 会社の後輩くんの盲目の恋の勝利には、驚く。
○ちょっと余談だけど○
主人公の会社の"蚊とり器が必ず蚊をしとめる"描写が面白くて読み入った。
『本当に感心したからこそ、おれは蚊とり器を礼賛したのだ。』
『礼賛』って・・・。 蚊とり器だよ。 うふふ。
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「愛の程度」という作品でしたが、今一つピンとこなかった。どれも軽く感じてしまった。愛の形にも色々あるということなのかな?
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この話の主人公は人に対して誠実でありながらも起用に立ち回れずというキャラクター。作者の小野寺史宜の作品である「ひと」や「まち」の主人公と共通している。しかし、本書の主人公は誠実なあまり行動に移せないもどかしさがあり、結果的に上手く立ち回れない。考えすぎて動けない主人公に対し、大丈夫かよと思いながらも行動を起こす後輩の対比が面白い。
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主人公の男性は悪い人ではないんだけど女性からするともう少し決断力と言葉で伝える表現力がほしいところ。
スカしてないのにスカして見られるタイプなんだろうけど、だからこそ密に自分の気持ちを伝えたり相手の気持ちを聞いたりしてほしい。と自分も同じタイプだから自戒を込めて思ってしまう。
みっともなくても理解が及ばなくてもいいから、とにかく言葉で伝え合ってさえいれば、彼は自然と違う道を歩んでいたのではと。
対極にいるかのような後輩くんの思考・選択は全くもって理解できなかったがどこか憎めない。彼を好きになった主人公やくるみの気持ちがよく分かる。
この作品は他の小野寺作品とは少し毛色が違って、動くより考えて考えて動けない、ひとりの中年男性にフューチャーした物語。個人的な好みとは違った。