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普段は考えることがなかったというかタブー視していたようなことを、改めてというか初めて思い知らされた感じ。
罪を犯す人間のことなんて理解することはないとずっと思っていたけど、群衆心理などにより自分が犯罪に加担する可能性は大いにあり、そんなにも危うい状況にあるということには考えさせられる。身内が言っていることは正しくてそれに反した考えの奴は悪、なんて考え方は普通にある。悪について、っていうか何が悪なのかもわからなくなってくる。自分についても相手についても、考えなきゃいけないこと多すぎないか。
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悪と呼ばれる概念は、善と表裏一体。常識を逸脱するという思考は、文明の発展にも繋がるし、大量殺人という結果をもたらす。ということを知っておけば、物事の見方が多面的になり、まともな判断ができる人間が育つんだろうな。これを教えるのは学校教育じゃむりだな、と思った。
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ニーチェ「善悪の彼岸」のアフォリズムが各章に掲げられているように、世間的に悪といわれているものが本当に悪なのか? ということに心理学の面から豊富なエビデンスをもとに分析。悪といわれるものが人には一般的に備わっているものであったり、アブノーマルとされていることがヒトとして普通であったり、「悪人」と非悪人の境界線は実は無いということだったり……。
これらの話、文学とか哲学とか文系の話としては実は珍しくはない。この本の価値あるところはそれを科学の側面から根拠と具体例を示して一般読者に分かりやすく詳解しているところ。今はひと昔前のただ自説を開陳するだけでは説得力を感じない(日本の著名な某脳科学者はまさにこれ)。
この本のようなエビデンスをもとに精彩な読み物にしてる本は圧倒的に翻訳物が多いように思う。
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悪に対する綿密な考察が素晴らしい.知らない述語が頻出だ.キュート・アグレッション、ダーク・テトラッド、ホミサイダル・ファンタジー、クリーピー、ミルグラム実験、ランダム・ダークネット・ショッパーなどなど.第4章 テクノロジーの光と影 が面白かった.ロボットのテイ、イライザ、パリーが出てくるが、イライザとパリーが会話する話が凄い.結論のp287の10個のリスト.本書のまとめだ.1.人間を悪とみなすのは怠慢である.2.あらゆる脳はすこしサディスティックである.3.人殺しは誰にでもできる.4.人の不気味さレーダーは質が悪い.5.テクノロジーは危険を増大させる.6.性的逸脱はごく普通のものである.7.モンスターとは人間のことである.8.金は悪事から目を逸らさせる.9.文化を残虐行為の言い訳にすることはできない.10.話しにくいことも話さなければならない.
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悪事につながるものを理解するために。1.人間を悪と見なすのは怠慢。2.脳は少しサディスティック。3.人殺しは誰にでもできる。4.人の不気味さレーダーは質が悪い。5.テクノロジーは危険を増大させる。6.性的逸脱はごく普通。7.モンスターとは人間のこと。8.金は悪事から目を逸らさせる。9.文化を残虐行為の言い訳にするな。10.話しにくいことも話すべし。
近代以前、部族の争いが普通だった時代には、殺人は必ずしも悪ではなかったということ。テクノロジーが人間性に潜む悪を引き出していること。
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タイトルが何か安物の映画みたいで、損をしている。内容は人間の本質について、多岐に考察したもので、非常に興味深いテーマが並ぶ。一つの見方ではなく、バランスよく原因を探らねばならない。そして、統計的見地から人間をある程度定義する。獣姦を冷静に分析したり、キュートアグレッションという可愛い赤ちゃんの頬をつねりたくなる心理を引用したり。誰しも、悪と定義する状況の主体になり得るリスクがある。
ポルノやレイプの分析や引用が目立つ。小児性愛や獣姦、虫殺し実験などをバランスよく冷静な視点で叙述する。ああ、こうした手馴れは、著者は男性だろうなと著者近影を見ると綺麗な女性であった。私も知らず知らず女性蔑視の社会文化にいるのかも知れない。
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ミルグラムの有名な実験もそうだけど、環境で人は簡単に悪になる
ペド的なおぞましいものも性的思考と小児性犯罪を切り離して考えないとダメ。
悪の話をすると、だいたいヒトラーとアイヒマンの話がとりあげられるけど、彼らも脳が違うとか、人間としてなにかが大きく違うなんてことはない。
でも前頭葉が動いてないと、人は悪に傾きやすい、キレやすいらしい