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私は、いつも「知ることで、優しさが生まれる」と感じます。本人の事情を知った住民ボランティアは、ゴミ屋敷で言えば、「出ていってほしい!」といった、地域から排除しようとする人々の側には、まず立たなくなります。ひきこもりについても、簡単に「甘えている」とは思えなくなります。
豊中市社会福祉協議会福祉推進室長 勝部 麗子
(引用)孤立する都市、つながる街、保井美樹編著、全労済協会「つながり暮らし研究会」編、日本経済新聞社、2019、91
近年、都市は、多様な課題を抱えている。
例えば、ひきこもり、支援なき子育て、そして、孤独な高齢者、空き家の増加など。
現代社会における都市の課題とは、社会構造の変化や人間関係の希薄化によってもたらされていることが多い。今こそ、一人ひとりが地域に出て、暮らしを良くするための課題を見つけ、実践しなければならないと感じた。そうすることで、「つながり」が生まれ、街となる。
そのためには、自治体も変わらなければならない。
神戸市では、2019年に「つなぐ課」ができた。
前述の様々な社会的課題から、最新のテクノロージに至るまで、「つなぐ課」は、市役所の組織をオープンでフラットなものとし、そこに住む人たちを「つなぐ」ことで街づくりを行うということであろう。
また、一方では、塩尻市において、MICHIKARA地方創生協働プログラムが進んでいる。市役所の縦割りの組織を打破すると同時に、官民連携ということもキーワードになってきている。
豊中市では、福祉を中心とした豊中型地域共生社会への挑戦が始まっている。
冒頭の言葉は、豊中市の福祉協議会室長の言葉だ。
中高年のひきこもりなど、支援制度のはざまに埋もれ、救いの手を待ち続けているかたたちがいる。
現代は、Society5.0の時代と言われているが、人間とのふれあいによる「優しさ」は、これからも必要になってくると感じ、街づくりの根幹であると感じた。
大規模災害のときには、「自助」、「共助」、そして「公助」の順で人は助かるという。
インフラや交通が麻痺し、助けを求める人達で溢れかえったとき、公助はどこまで期待できるのだろうか。事実、阪神淡路大震災のとき、神戸市の調査によれば、公助で助けられたかたは2%に満たず、近所の人達に助けられたという「共助」は、3割近かったという。
「孤立する都市、つながる街」を読んで、普段の生活、そして、いざというときのため、再び、そこに住む人たちが「つながった」街づくりが求められていることを痛感した。
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2020.01.31 前半、面白かったが、後半少し息切れした。
地域活性化、郊外の再生は待ったなしだなぁ。とつくづく思う。
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江口氏と小黒氏の章が興味深かった。
コミュニティキャピタル、公設寄付金市場、さるぼぼコイン、ゲゼル貨幣などのキーワードを基にいろいろと読み進めていきたい。
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都市の課題に対しつながることが解決策になる。
知ること、当事者意識、寛容さ、愛着を育むために、対話のプロセスや実践の蓄積、セクターを越えた連携が大切。
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ハイスピード斜め読み。
勝部さんの章は豊中市に視察に行かせていただいた時の経験を思い出した。あと、柴田さんの実践に基づく記載と、小黒さんのアカデミア的文章が面白かった。
(余談だが、最後の後書きに前職の上司と現職の社長がどちらも登場してビビった。)