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以前、落合先生の本を読んだことがあり、とてもわかりやすい内容であったので、落合先生の別の本をと思い、この本を読みました。
SDGsという言葉は聞いたことがあったが、内容までは知らなかったため、この本で理解することができました。
人口問題、貧困問題、温暖化問題など、中学校で習った内容と大きく変わっていることがわかり、自分が如何に現状を把握していないか気づかされました。
この本は、図表だけを追っていくだけでも、十分読みごたえがあります。
以下、印象に残った事項です。
・限界費用のゼロ化
・イノベーションで環境問題を解決する。
・所有から共有へ
・破壊的テクノロジー
・4つのイデオロギー
・4つの産業構造
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【成し遂げるもの】
社会問題を無視した状態で企業として長きにわたり存続することはできない時代です。
短期的な存続は可能ですが、持続は不可能です。
民間企業でも利潤を求めているだけでは生きていけないのです。
食べるに困らない世界になると消費者側もレベルが上がり、安いものが正義ではなくなってきます。余裕が生まれ考え方もレベルの高い方へシフトします。たとえ供給される製品が安価でも、社会的に崇高なビジョンを持ち合わせていない企業は排除されます。消費者も崇高なビジョン、ストーリーに共感するようなレベルになっていきます。
日本人はまだまだ自分の時間を切り売りして対価を得ています。1日は24時間しかないため、収入を上げるには時給単価を上げるしかありません。ただ、時給を10倍にすることはほぼ不可能です。つまり、時間売りで働いている間は「余裕」というものが存在しない状態です。まだ、そういうレベルです。新興国はさらに1日で生きるために費やす時間の割合が多く「余裕」はありません。
新興国が一気にレベルアップすることはできるのか?
人は一気に成長することはありませんが、加速度的にテクノロジーが進歩する時代です。テクノロジーにより本当に国境がなくなり、距離の差がなく、人種間の差がなくなれば、一足飛びにヨーロッパの考え方あるいはヨーロッパを飛び越えた考え方が生まれる可能性はあります。(国家が故意に情報統制を行わなければ)
今現在、ヨーロッパは余裕のある領域にあり、良い世界のように見えます。しかし、1980年代は圧倒的に日本の方が勢いがあり、良い世界に見えていたはずです。(欧米は日本の急成長を研究した)
将来的にどのやり方がいいのかは予測不能です。1980年代に現在のヨーロッパや日本を誰も予想できていません。世の中の流れは常に変化しているため、たまたま時代にマッチした世界が一番よく見える状況です。瞬間値に過ぎないとも言えます。数十年というスパンを瞬間値と呼ぶのは無理があるように感じますが、これは人間の寿命が100年未満のためです。人類の歴史から見れば数十年は瞬間値に過ぎません。
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人類の今の生活を維持するには地球が1.7個必要...
日本だけでも7.1倍の面積が必要...
このエコロジカルフットプリントという概念は初めて勉強した。
もう専門性だとか得意分野とかそういうものにこだわるすぎる時代じゃ無くなってきたのかもしれない。
良い意味で中途半端な人間を目指そう。
要は「考え方」と「組み合わせ」である。
なんかまとまってないけど落合さんの本は面白い。
私も「発酵」の考え方、ベースを大事にいろんなものを組み合わせて歩んでいこうと思います。
二項対立ではなく二項並立
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《安田「バーチャルな世界では、プレイヤーである参加者に与えられた選択肢や、プレイすることによって得られる得点を自由にデザインすることができます。……」》
《落合「ゲームの中では参加条件を揃えられるような社会ができているのに、じゃあゲームの外でどうかといったら、前提条件はほぼ揃えられない社会になっている。そんな中である一定以上の前提条件による能力値を持っていると、多分、社会がよりゲームっぽくなるのではないかと思っているんです。その参加者同士の不和が格差社会の問題のひとつですよね。つまり、人脈やお金や、引きつけるゲームの前提条件が大きすぎるというわけです。》
↑本筋のSDGsの議論から逸れるけど、「人生は神ゲーよ!」というキャッチコピーが引っかかってたのでメモ。
《19世紀の革命思想家たちが夢想した「所有」の超克。それはマルクスが言うような資本家と労働者の階級闘争ではなく、限界費用をゼロにするテクノロジーによって実現されるとリフキンは言います。》
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これまでSDGsについて、確かにあまり意識して考えたことはありませんでした。
そこを様々な視点から解きほぐしてくれているような印象でしたが、哲学・学術的な内容がなかなか難しく、また様々な視点であるが故に理解も追いつかず、理解を深めるには複数回読まないといけないかもしれません。
アメリカン、チャイニーズ、ヨーロピアン、サードパーティーデジタルの話はよく分かりました。
また環境、エネルギーの現状についても理解できました。
今後、自分の行動できる範囲の中でどの行動がSDGsに関連していそうか意識してみようと思いました。
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「将来に希望が持てないことが貧困」
「高学歴の子供の子が高学歴になることは金の問題か。高学歴こそ高学歴の価値を知る」
勉強することの価値は、勉強した人ほど分かるという似たようなフレーズが思い出された。
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SDGsがいかに深くかつ建設的に考えられているかに触れられる一冊。CSRの今風な言い回しや口実材料と軽んじるなかれ。こういう指標設計もあるのかと言う視点でも勉強になりました、SDGs。
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SDGsには元々関心があったが、その成立過程や各国の思惑については理解していなかったので、とても参考になった。
日本の立ち位置や、これからどう進むべきかも提案されており、今後の指針としたい。
何かに依りすぎると全体が見えなくなる一方、広く見過ぎると取りこぼしが増える。バランス感覚を養える本。
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SDGs(持続可能な開発目標)
持続可能な世界の実現のために定められた世界共通の目標。
貧困をなくそう、すべての人に健康と教育を、質の高い教育をみんなに、働きがいも経済成長も、気候変動に具体手的な対策を、等々17のゴールをかかげ、達成目標2030年を目指して世界規模で動き出している。
★テクノロジーで画期的なイノベーション
※食料
・ブロックチェーン(分散型台帳技術)やAIによるフードロスの削減
・農業ロボットの実用化により農業現場の無人化
・培養肉の商品化
・食品の流通段階における微生物の監視
・携帯電話などで簡単に汚染物質を検出
・プラスチックの新しいリサイクルプロセス
※健康
・ロボット手術の実現
・iPS細胞による再生医療
・ゲノム編集技術(遺伝子を改変して性質を変化させる)の研究
・平均寿命100歳に伴い、老化のメカニズムの解明と抑止
※資源
・太陽光発電、風力発電、マイクロ水力発電、水素発電
※都市
・日本全体では2033年に空き家率が30%を超え、2035年には地価の大暴落が予想される。
・大都市は密度の度合いを増し、AIによって管理され、自動運転や飛ぶクルマが実現化する。
※労働
・資格専門職(弁護士、税理士等)や知的生産層(研究者、クリエーター等)へのAIの導入。特に翻訳AI
・自動運転の普及による運輸業界の変革…ドライバーの衰退
★世界の人口動態とGDPの変化から推測すると
・中国は2030年以降少子高齢化が進み、代わって若者が多いインドが生産と消費で経済大国になると予測。今日でもアメリカシリコンバレーの企業が次々とインドに拠点を設置している。地球の反対側に位置していて24時間フル稼働で開発を続けられるから。
・2030年、GDPは1位中国、2位アメリカ、3位インド、4位日本と予測されている。それ以降中国は少子高齢化が進むとされているので、デジタル技術やテクノ地政学(一帯一路構想)を駆使してイニシアチブを取り続ける戦略を練る。
・リバース・イノベーション(途上国で創出、採用された技術や手法を、逆に発展国へ展開させる。)で貧困国の市場へ参入する。
★資本主義経済のこれから(対談:安田洋祐)
・AIとRI(リモート・インテリジェンス…遠隔で仕事をする)で先進国の中間層は仕事がなくなる。人件費が格安の新興国の人材がライバル。格差が広がり、富裕層は金を消費しないで、資産運用にまわす。
・環境問題も食糧問題も人口が減れば自然に解決する。
★貧困
(アフリカの場合)
・西洋諸国に搾取された時代が長かった。
・天然資源(油田)が豊かで、二次産業、三次産業を制する必要がない。
・民主化の過程を経験しておらず、また国と民族が一致していないので「国家」への帰属意識が低く、近代的な制度が定着しにくい。
↓
電子マネーなどのテクノロジーによってアフリカを発展させていく。
(先進国の場合)…格差の問題
・フリーラン���(単発職)型の貧困
・シングルマザー、老人、子供の貧困
↓
格差問題解決のカギは「教育」
スタディサプリやネット高校のようなeラーニングが貧困家庭を救う。
★池上彰対談
冷戦時代、アメリカとソ連はアフリカ各国内で(例えばアンゴラ)軍と人民解放戦線をそれぞれ支援し、戦わせてきた。冷戦が終わり米ソが撤退しても内戦だけが残ってしまった。それがアフリカの停滞の始まり。
しかし、人口がアフリカは巨大マーケットとして消費大国なる可能性がある。少し前から「ベース・オブ・ピラミッド」という考え方がいわれるようになった。つまり、貧しい庶民でも買えるような、安価で価値あるものを売る。(1回分のシャンプーや石鹸など。1回分だから売り上げは少ないけれど、買う人数が多いと結構な額になる。)価値があるものだと、リピーターも増える。
援助は、お金をばらまくだけではダメ。戦後日本は世界から多額の借金をして「返さなければならない」というプレッシャーのもとで復興をとげた。援助ではなく投資。それも100年単位の長いスパンで考える必要がある。
★環境
食物、衣料などの必需品生活必需品の大半を輸入に頼っている日本は、実際に使っている水の約8倍の量を使用していることになる。(バーチャルウォーター)
今の生活を維持するには、日本の場合7.1倍の土地が必要となり、世界全体の人々の生活を支えるには地球が1.7個分必要といわれている。
温室効果ガス(二酸化炭素など)の排出により、2030年には1.5度、2100年には4度くらいまで温度が上昇するといわれている。国際協調が必要だが、アメリカは乗り気でないし、各国の状況もまちまちなので足踏み状態。(アメリカはシェールガスの採取技術独占に成功したので強気。)
★ヨーロピアン・デジタルの資本主義
スイスは物価も高く、年収も日本より200万円以上高い。労働時間は短く、ほぼ残業なしの8時間労働。税率が高くて福祉が手厚い、いわゆる高福祉国家で、日本が目標とするところである。化学技術や工業を強みとする点では日本と似ているが、なにが日本と違うかと言うと、量産できない製品(主に時計)に文化的価値や機能的付加価値を付与することで単価をあげ、高い利益率を実現するその産業構造にある。またスイスの時計産業は16世紀以来の長い伝統があり、その価値は時を経るにつれてあがる、つまり世界に通用する「資産」としてあつかわれている。一方日本は長い文化を持っているにもかかわらず、その製品の性質上(車や電化製品)、安いコスト戦争に巻き込まれてしまっている。
作者曰く、米中の開発戦争には参加せず、欧州的な理念的制度との中間地点に立ち、ローカリティを活かして思いもよらない方向への進化に勝ち筋を見出す、それが今後の日本が目指す戦い方のひとつである。
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GAFAMを代表とするITプラットフォーム、AIや自動運転等の技術革新など、時代が目まぐるしく変化していく中で、未来を見通していくことは難しい。その中で、SDGsという具体的目標を定めた基準を行動指針に定め、2030年ごろへの道筋を多くの統計データとともに記しています。貧困、環境については特に多くの内容が含まれています。個人的には前者の中では先進国内の貧困、後者ではアメリカが牽引する限界費用ゼロ化が読んでいて興味深かったです。
各章に多くの統計データを設けているので、文章の理解促進にも役立ち、全体として非常に読みやすい本だと思います。
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データをもとにSDGsに関わるテーマを掘り下げていて勉強になった。
それでいて、SDGsの設定自体にも「国連で全会一致できるような最大公約数的な目標だけを選定しているのでは」というハッとするような指摘もあった。
最も心に残ったメッセージはこれ。
「実際にはかかわりのない立場にいながら、SDGsに理解を示したことで貢献したつもりになっていると、問題の本質を見失い、解決から遠ざかります。我々には手が届かない課題が存在すること、それについて考え続けること、自分の代わりに行動する誰かを応援すること、その中で何を行動するか常に考えることを忘れないでいてほしい」(p.350)
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読了。
御父上とは違った意味での落合本(笑)。
網羅性は高いものの、内容的には薄っぺらいというか、単純化しすぎ感が否めないが、この人は複雑なことをわかりやすく整理してVisualizeするのが得意なようで、予備知識ない人にも理解できるよう絶妙に工夫されている。
タイトルと異なり、未来への示唆には乏しいが、現状整理、現状把握という意味では手っ取り早い良書だと思う。
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日本ではなく世界の今の現状そしてこれからの予測をデータを紹介しながら解説している。普段我々がテレビやネットから得ているだけの情報には限界があるが、こう言った人の本を読むことで違った観点や論点に触れることができとても新鮮に感じる。普段会社や身の回りのことで頭がいっぱいである人は、私も含め、多いと思うが、この本を読んだことで改めて一歩下がって客観的に今生きている社会、そして世界について考える時間ができた。
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世界の現在の潮流と未来を、今流行りのSDGs足掛かりにして日本の在り方を説いた一冊
一日本人として、一会社として、一人としてデジタルイノベーションが起こる未来をどのように生きていくべきなのか考えさせてもらいました。
知らなかった事実や物事を知れる本で勉強になった。
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ざっとしか読めませんでした。
でも、関心をもっておかないといけない本です。
また、いつか戻ってこようと思います。