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吾峠呼世晴さんの短編集。世界観やキャラクターなど、『鬼滅の刃』のベースを感じさせる作品も収録されています。ダークで特徴的なキャラクターや物語づくりには既に『鬼滅の刃』の芽が。まだ粗さが目立つ画面や絵と表紙絵とのギャップに、すごい「伸び」を感じます。『鬼滅』完結後のこれからに注目ですね!
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『鬼滅の刃』の吾峠呼世晴の短編集。
「過狩り狩り」はデビュー作で『鬼滅の刃』のもととなった作品だが、少年マンガの王道を行くキメツとはまるで違う。怪奇趣味はキメツにもあるにせよ、この作品の基調はそれしかない。鬼ではなく吸血鬼が登場。舞台は大正時代の日本の様子。珠世と愈史郎は最古のキャラだとわかる。ここには鬼殺隊の訓練の様子などが断片的に描かれていて、キメツではそれをふくらませたのだ。それだけに詰め込みすぎではある。
「文殊史郎兄弟」は虫使いというか虫に取り憑かれた殺し屋兄弟が女の子とために敵討ちをしてくれるお話。まあ、そもそも人間の腹の中にいる虫なのかもしれないが。これは不気味な内容を扱いながらユーモアがある。「文殊史郎」が名字。この人の登場人物の命名は独特で、それがキメツで炸裂しているけれど。
「肋骨さん」は邪氣を祓う浄化師の話。少年マンガらしく、命を大事にする、自分を大事にする道徳的なところが出てきて、まあ、これがキメツで展開されるんだな。
「蠅庭のジグザグ」、呪殺師と解術屋の戦い。だんだんカルク明るいタッチになっていくのだが、その背後にはとても暗い怪奇趣味があって、それがキメツの世界の奥行きを作り上げているのだろうなという短編集。
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台詞や人名、そして空気感にセンスがありすぎる。
ただこの頃から戦闘シーンは苦手みたいで、何が起こったか絵で説明するのではなく台詞で説明させている。
鬼滅の基となった作品以外は舞台が現代で、雰囲気は青年誌の読み切りみたいな感じなので(性的暴力的という意味ではなくて世の中のブラックなところを描くところが)小さい子にはあんまりお勧めしない。
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「過狩り狩り」が一番好きかな。 たまよとゆしろうに、また会えた^^ 作者は、ダークファンタジーとか好きそう。
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『鬼滅の刃』の前身となる作品や、どことなくあの世界観に通じるお話たち。
鬼滅ロスだったので、珠世さんと愈史郎くんにまた会えたのが嬉しい〜。
見た目は怖いけど、なんだか愛らしい部分もあって、憎めない主人公たち。鬼滅の世界観が好きな人にオススメしたい。
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「鬼滅の刃」作者の初期の短編集。
過狩り狩り・・・「鬼滅の刃」のベースとなった作品で、初投稿作。
西洋人の鬼と対峙する日本の鬼たちと、鬼狩りの一夜。
文殊史郎兄弟・・・デビュー作。人の体の中には虫がいる。
殺しを請け負った、虫を纏う化け物兄弟の活躍。
肋骨さん・・・邪氣に憑かれた者とそれを浄化する者との攻防。
“自分の事を大事に”という言葉が心に響く。
蠅庭のジグザグ・・・多発する首吊り自殺の原因は?
呪いを解くジグザグの能力と活躍を描く。
「鬼滅の刃」以前の短編作品4編です。
粗削りな作画とストーリーながら、個性が際立っています。
特異な存在の主人公たちと、はっとさせられる言葉が良い。
珠世と愈史郎の登場とか、布遣いとか、木を生やすとか、
和柄のテイストが好きなのかな?とか、
ほのかに鬼滅に繋がる香りも漂っています。
文殊史郎兄弟が面白かったけど、さすがに連載は難しいかも。
でもちょっと続きが読みたかったなぁ。
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お話とか人物設定が良いね。鬼以外の生き物面白い
人間、簡単に悔い改めないって〜たしかにと思ってしもた
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これを、西暦二千年頃の自分の所へ持っていくとする。
そこそこのリテラシーのある私は、なにか「ガロ」が「同調圧力に屈した/せざるを得なかった」とか何とか力説する筈である。哀切の表情を浮かべてあの雑誌はさぞかしサーヴァイブのためにジャンプ系のマンガを断腸のおもひでやらねばならないといふ私へタイムトラベラーの方は、いやこれは週刊少年ジャンプで掲載の、後の超絶大繁盛マンガの作者の、と説明するが、おそらく過去の私は、ガロもこんな作品を前からやってをれば、二千年代に入ってからか、と聞く耳を持たない筈である。さらに、然るべき年代で私は、マニアックなマンガコーナーでゴトウゲなんちゃらの作品を探し、あのタイムトラベラーは何か別の世界線から来たものであらうと確信するのである。
それくらゐガロっぽい。
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鬼滅ベースの作品がのった短編集。全体的にみてファンタジーの中に和の雰囲気を落とし込むのがお得意な先生でいらっしゃると感じた。
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鬼滅の刃がヒットしたからだろう、こういう短編集も出た。しかしながら、短編のほうが著者の良さが出ているように思う。
絵柄はぜんぜん違うが、諸星大二郎のような匂いがする。
日常の裏に潜む狂気、非日常みたいなものを書き続けてほしいなあ、友情努力勝利よりも!
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後にあれほどのヒットになるとは思わなかった頃の吾峠呼世晴さんの新人漫画賞佳作にして「鬼滅の刃」の前駆系「過狩り狩り」を筆頭に、舞台を現代に移してその後の「鬼滅」世界観を彷彿させながら漫画誌連載とはどういうものなのかを学んでいた頃(2014-5年)の、短編4編。「鬼滅の刃」連載は2016年からである。
他の漫画家にはない特徴が、受賞作には幾つか出ていた。
それは彼女の個性でもあり、強みでもあり、弱みである気がした。簡単に書く。
(1)最初の場面は、神社の軒下に住んでいる汚らしい孤児に、おにぎりを差し出す老人の姿。次のページには、吸血鬼の残酷場面が現れる。作者の関心が明治大正期に限っていないのは、その次の短編3遍が全て現代劇であることからも明らか。しかし、格差社会とホラー興味は、他の短編にも現れていて、これが彼女の「色」になっているし、言い換えれば「現代若者の関心ごと」ともリンクされている。
(2)彼女の強みは、根っからの長編作家というところだろう。短編集の後書き(鬼滅の連載がヒットし始めた頃)において「まだ担当さんについていただく前で、第三者からのアドバイス等なく描いているので、何度か読み返さなければ意味がわからなかったりするのが大変申し訳ないです」と書いている。よって編集者のアドバイスとは、「いかにわかりやすくするか」に力点が置かれたのは明らか。それがのちに「親切すぎる心情説明のセリフ」になるのだろう。反対に言えば、藤本タツキのように、アドバイスを無視してまで物語を作ろうという意思を彼女は持たなかったという事にもなるのかもしれない。(←いかん、弱みの記述に走ってしまった)それは兎も角、彼女は短編の時点で、4編とも全部長編シリーズにしてもいいぐらいの構成とキャラ設定をちゃんと作っている。この投稿作にしても、既に「鬼滅」の世界観のほぼ半分ぐらいは予想できるし、他の短編の幾つかの後書きにおいても長編を予定していたと書いている。反対に言えば、彼女はあらかじめ世界観をある程度確立させないと、物語を始められないという根っからの長編作家なのである。
(3)冒頭の孤児は、物語の中盤においてやっと登場して「過狩り狩り」(吸血鬼として狩り過ぎれば狩られる)の剣士として登場する。その登場の仕方は正に歌舞伎のような様式美になっていて、反対に言えば、アクション部分がほとんど描かれていない。最後のセリフ含めて、「カッコよさ」が強調される。それは、彼女の性格含めて、強みでもあり、弱みでもあるだろう。
やっと実質デビュー作の「過狩り狩り」を読めた。この作品と、柳田国男「山の人生」との比較については、これから「山のー」を読んでから考察してみたい。
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「鬼滅の刃」はとても大好きで、吾峠呼世晴先生は天才!と思っていたけれど、そんな先生にも新人の頃はあったのねと神様に親近感を覚えるような気持になり、嬉しかった。(失礼)
「文殊史郎兄弟」の虫のキャラクターはなかなか斬新だったと思うが、顔はいまいちだったと思う。
「過狩り狩り」で初期の珠世さんや癒史郎が見られたのは嬉しかった。
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吾峠先生(ワニ先生)って女性漫画家として異色なんだよね。
この短編集には昆虫とかちょっとグロ的な描写があって、女性漫画家にしては珍しいと思う。
鬼滅もそうだけど、意外な視点から始まるから度肝を抜かれる。
JMUPトレジャー新人賞の佳作を受賞した「過狩り狩り」が編集部に届いた時、「只者ではないのが来た」と編集者に言わせただけの人です。