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noteに掲載されたエッセイを書籍化。
ライターで編集者の著者はおなじくライターで編集者の夫とふたり暮らしの40代半ばの女性。子供はいない。
ある日、滅多に交流のない、遠方に暮らす義母から電話が掛かってきたが、様子が変。
家に知らない女性が居着き、自分の大事なものを盗っていくという。
さらにその女性は窓から入ってきて、天袋を通り抜けて2階に上がっていったと話す義母―――。
もちろん、ホラーではない。
認知症の代表的な症状『もの盗られ妄想』と『幻視』である。
このエッセイは育児未経験の著者が、義母の認知症(その後義父も認知症だと発覚)に向き合う中で起こったすったもんだを分かりやすく、親しみやすい文章で綴ったもの。
でも、身近な人が、ある日突然つじつまの合わないことをしゃべり出すって十分ホラーですよね。
慣れて来るとコントですけど。
と、言うか、コントみたいと思わなければしゃーないというか。
著者の島影さんと夫さんは、頭を使い、工夫を凝らし、事態に立ち向かっていると思う。
家の祖母も認知症だけれども、こう対応すればよかったのか!の発見の嵐。
何事も臨機応変に対峙するって大事ですね。
様々な介護サービスを使い倒し、自らの負担を減らしてもらいつつの遠隔介護。
大変さは伝わって来るけれど、重くは全然ない。
介護に疲れた方におすすめです。
親の老いを感じはじめるお年頃の方にも。
気負いが減り、楽になるかもしれない。
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私は親とは離れた遠方に住んでいて、ちょうど今、親の介護認定申請をしている所で、著者の置かれた状況に共感するところが多くて勉強にもなりました。
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『#子育てとばして介護かよ』
ほぼ日書評 Day623
Day620で紹介した「昼スナ(昼だけ営業しているスナック)」で知り合った方の著書。
旦那さんのご両親が、同時に要介護(認知症)状態となった。その発覚(双方が"おかしなこと"を言うために、状況を把握するだけでも相当の困難・混乱があった)というところから始まり、お役所仕事の超"塩対応"や、義父母が認知症の診察でも医師を煙に巻いて「異常無し」の診断結果を貰ってくる等、"冗談"とも思えるエピソードがこれでもか、と語られる。
結論からすると、各困難は都度周囲の助けを得て解決される(そうでなければ、今がないとも言うが)てプチ・ハッピーが訪れるのだが、その行間に隠れた苦労は、未経験者の想像の全く及ばないものなのだろう。
介護など、まだまだこれから…の層にも、こんな兆候がでたら黄色信号、そんな時にはこんな対応方法もあるのか、といったレベルで読んでおいて損はない1冊。
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