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[本の簡単なまとめ]
キーワード:潜在的収益価値
技術発展とそれのビジネスの応用には常にギャップがある
つまり生み出せるはずの収益と実際生み出している収益の差がどんどん開いていってしまうことになる。
これが潜在的収益価値と呼ばれる。
意識して新たな収益価値を掘り起こす努力をしなければ先行者に全て持っていかれる危険性がある。
そのため企業は事業をピボットするための戦略を考え、それを実行する必要があるのだ。
本書はそのティップスを具体例を多めにして示してある。
[学んだこと]
勝利戦略7つが非常に響いた。
ITに全幅の信頼を思考停止で置くのは危険だが、実行すべき戦略のほぼ全てに対してITの導入は非常に重要であると学んだ。
事業のライフサイクルを見つめ直し、過去・現在・未来の時間軸を意識してそれぞれに有効な戦略を立てて行くことが必要である。
[こういう人におすすめ]
会社を経営、運営する立場に近い人ほど読む価値があるものと感じる。
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「潜在的収益価値」および「潜在的収益価値の解放」は、あたかも潜在的収益価値があるかのように錯覚させる誤魔化しだと思う。
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「リーダーには、古くなってきた事業は打ちきってしまえという、近視眼的な決断を下す衝動にあらがう意思が必要だ。」選択と集中はもう古いよ。
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本書は、アクセンチュアの上層部が「賢明なピボット(Wise Pivot)」について解説したものである。現在の目まぐるしく変わる環境と新しく出てくる破壊的なテクノロジーによって、過去にどんなに上手くいった企業であっても戦略変換=ピボットが必要となるのはもはや明らかである。そのピボットを「賢く」行うための考え方をアクセンチュア自身のピボットプロジェクトであるAmbition 2020の事例を交えて整理している。出てくる事例もアクセンチュアが絡んでいるものも多く、アクセンチュアの自慢話の色が濃い。もちろん、それが役に立つものであれば問題はない。実際にアクセンチュアは成功した。
今の会社で『両利きの経営』が目指すべき姿として示されているのだが、この本で言われている「賢明なピボット」も自社のリソースを活用しながらバランスを取ってピボットを進めるというもので、『両利きの経営』に非常に近いコンセプトであり、その内容は日々意識をしておいてもよいものである。
賢明なピボットの核となる考え方のひとつは、潜在的収益価値(Trapped Value)が生まれているところを見つけて、その価値を積極的に開放していくというものである。潜在的価値というものは、自社内でも、業界内でも、消費者側にも、社会全体にも存在しうる。特に革新的なテクノロジーによって解放可能な価値はますます広く大きくなりうる。そのような場合、他社は競争相手ではなくパートナーとして考えるべきで、協調的なエコシステムの構築を目指すべきだという。
また、大規模なピボットはキャリアの中の一回きりの出来事ではなく、常にその機会が存在するため、それは対応していかないといけないサイクルとなってきている。そのため、企業はつねに過去の事業、現在の事業、未来の事業というライフサイクルの3つのステージを意識しておかなければならない。
特にテクノロジー業界においては(そしてより多くの企業がテクノロジー企業にならざるを得なくなっている)、どんな企業であっても生き残るために自社のメイン事業のポートフォリオを組み替える必要があるのは歴史を振り返ると容赦ない真実のように思える。生き残ることができた成功事例として、Microsoft、Amazon、Google、Apple、Netflix、IBM、Walmart、Haier、Comcast、アンハイザー・ブッシュ、ペプシコ、New York Times、任天堂、Tencent、Nvidia、ユニクロ、Reliance Jio、AT&T、T-Mobile、P&G、LEGO、エストニアなどが挙げられる。これだけの大企業がピボットを経験しているとなると、ピボットすることが当たり前で、この本がいうようにピボットするための仕組みとケーパビリティを会社の基本機能として持つことが必要になるとなるだろう。
印象に残る事例はAT&T。AT&Tの平均在職期間は22年。既存技術に特化して開発や運用をしてきたものも多い。その状況においてAT&Tは、ワークフォース2020を掲げ、社員を再教育(リスキル)し、実際に技術の外部委託を減らして、内製化を増やしているらしい。業界も環境もおそらくは参考になる事例なのだろ思う。
本書では、具体的な分析ツールとして、アクセンチュアは、7つの勝利戦略 - ①テクノロジー主導、②絶え間ない関係構築、③データ主導型の事業展開、④��ンテリジェントな資産管理、⑤包摂的なアプローチ、⑥新たな人材管理の導入、⑦エコシステムの活用 - を提案する。
これと連関する形で、3つの領域でのピボットがあり、それぞれ3つのレバーをバランスをとって調整することが必要と説明する。
■イノベーションのピボット
・集中・制御・志向
■財務のピボット
・固定資産・運転資本・人的資本
■人材のピボット
・リーダーシップ・労働・文化
この辺りの整理論にはいくつもバリエーションがあり、それぞれの会社に当てはめる場合にはそれこそ個別調整が必要になると思われるため、詳しくは本の中身を読んで、自身で考えるよりほか理解を進める方法はないだろう。著者は「あらゆるピボットが成功するわけではない」という。当然だ。それを系統だった知見を参考にすることで、バランスを取ったり保険をかけたりすることで、賭けの内容を改善することはできるという。
一方、潜在的な収益価値をフルに獲得するために必要なことは何か?という問いに対して、経営者の「勇気」だと指摘する。多くのテクノロジーが社会を変える可能性を持っているが、何はともあれ全ての側面で「デジタルファースト」にシフトする必要がある。そのためには、自社売り上げの共食いも辞すことなく、リソースの大胆なシフトも敢行する必要があり、だからこそリーダーシップが重要だという結論になるのだ。
日本語へのまえがきで、次のように語っている。
「数多くの日本企業の経営者の皆様と共に歩んだ企業変革における私たちの経験に照らし合わせれば、自社の社是に対する前向きなチャレンジこそが勇気の源泉ではないかと考えています。社是は「社是」だから重要なのではなく、創業の志、すなわち、どのような価値を世の中に提供し、お客様からの圧倒的な支持を獲得するかの道標であるからこそ重要と考えます」
なるほど。
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メモ
・dxの戦略目的関数は潜在的収益価値の獲得。
企業、業界、消費者、社会に分類される。
・テクノロジー進化による価値創造とビジネス進化による価値のギャップが潜在的収益価値のギャップになる。
・アクセンチュアが密接に取り組む10の新技術
拡大現実、エッジコンピューティング、クラウドコンピューティング、人工知能、3dプリンティング、物のインターネット、ヒューマンコンピュータインタラクション、ブロックチェーン、量子コンピューティング、スマートロボティクス
・イノベーションによって潜在的収益価値が解放される。消費者側、、ユーザー側にそれは大きい。ebay.airbnb。。
・7つの勝利戦略
テクノロジー主導
絶え間ない関係構築
データ主導型の事業展開
インテリジェントな資産管理
包摂的なアプローチ
新たな人材管理の導入
エコシステムの活用
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https://kinoden.kinokuniya.co.jp/shizuoka_university/bookdetail/p/KP00025956/
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構成のせいか流れが悪く読み難いので、本著を具に理解しようという読書ではなく、スキャンして考えるような読書にした。ピボットとは、方針転換。つまり、事業転換や路線変更。
例えば、創業100年近い玩具メーカーのレゴグループは倒産寸前の状況にあり、コスト管理は消費者が求める新製品の開発に苦戦。未来にピボット。レゴデジタルデザイナーは、レゴで遊ぶ人が実際のブロックを使う前に自分の作品を設計することを可能にした無料のコンピュータープログラム。レゴブーストは、コンピュータープログラムと物理的なブロックを組み合わせたロボット製作キット。レゴライフは、子供たちが安全で魅力的な環境において、仲間とモデルのデザインを共有できるオンラインネットワーク。これらの革新的な製品やサービスにより、転換を図った。
法人を抽象化すれば社員になるか、社員を抽象化すれば法人になるか、企業理念を浸透した暁には、一定程度の一体化が起こる。その時、ピボットとは、転職と同義なのか、配置換えなのか、と考える。いずれも、自身のリソースは保有したまま、しかし、それが活かされるか否かは、職務による。外国語に堪能な社員がそれを活用できないような、企業の潜在価値が活かしきれていないケースに対し、ピボットストラテジーが有効だ。潜在価値を自己認識し、それを活かすフィールドを決める事。
潜在的な収益価値を獲得するために必要な事は何か。経営者の勇気であると喝破している。前向きなチャレンジこそが勇気の源泉。勇気の発露は、行動にある。行動しない事の言い訳ばかりしていれば、変化など起こりようがない。同じ部署、同じ仕事では拡大性も学びも少ないのだから。