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紙の本

令和の遊翁の力作

2023/07/30 20:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る

万葉集の和歌をベースにした小説は数あるが、本作は万葉集の成立過程の謎に踏み込んだという点で今までにない着眼点が新鮮だ。
あとがきを読むと、作者は元銀行マンで25年以上前に定年退職し、以後『遊翁』として趣味の短歌や古代史に親しむなかで、万葉集の成立過程に大きな謎があることに疑問を抱いた。中でもこれだけの大歌集に序文がないというのはかなり不思議なことで、作者に指摘されるまで自分も気づかなかったのは迂闊としかいいようがない。
これについて、今まで誰も何も言っていないのか? 自の分が知る限りにおいてはこの謎に踏み込んだ著作はないと思う。
それに、奈良朝の政界を浮きつ沈みつしながら生き延びていた大伴家持が、藤原種継暗殺の陰謀に関与したとして、遺体を掘り起こされ流罪とされ、家財没収となった際に、この万葉集の歌稿はどこに保管されており、誰が守っていたのかなど数々の謎が秘められているのは、確かにそうだと言わざるを得ない。

この壮大な謎に挑んだのが、国文学や古代史の専門家ではないひとりの『遊翁』だというのがまた驚きである。しかもあとがきによれば、中大兄皇子の暗躍から始まり、桓武朝下での政変まで150年以上にわたる血みどろの権力闘争が背景にあり、その大本から説き起こすため全5部構成、6巻の大作となったとのこと。
80歳を過ぎての刊行は体力的にも大変だったと思われるが、その姿勢には敬意を表したいし、大きな勇気を与えられた。 昨今、80歳まで働けと暗黙の強制が唱えられている気配だが、生きるというのは生活費を稼ぐ以外にも意味のあることが存在することを改めて示してくれた意義は大きいのではないだろうか。

本作はもともと全体のなかではちょうど真ん中あたりのストーリーらしいが、令和改元に伴い、その『令和』の出典となった筑紫での『梅花の宴』が本作の重要な部分であることから急遽この巻より刊行の運びとなったようだ。本当に運というのはいつどこで巡り合うかわからない。現在このシリーズは無事すべての巻が刊行されたようで作者もほっとされると同時に大きな達成感に包まれていることだろう。
これから順次読み進めてゆきたいが、まずは令和の『遊翁』の努力と勇気に限りない感謝を捧げたい。

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