投稿元:
レビューを見る
良書。
失われた30年は政治の失敗。政府の言うことを鵜呑みにしてはいけない。確かに、客観的にみて、アベノミクスは失敗している。自民党は企業寄り。
自民党批判、民主党養護の印象。民主党も惜しいことをやったと思える。
自分の身は自分で守るしかない。
投稿元:
レビューを見る
長引く経済の低迷の原因を1990年代末の構造改革に求めている。景気が良くなっても賃金が上がらない構造になったという。
著者の主張にはうなずけるし、納得した。一方で、検証しようがないが、構造改革が行われなかった場合に日本経済はどうなっていたのかが気になった(構造改革をしなかったらもっとひどいことになったという主張の検証)。
最後に、財政再建のために国民負担を高める余力がまだあることに言及している点は良かった。でも、問題の実現可能性の高い方策について述べられていなかったのが残念。著者の言う通り政治の問題だと思うが、実現可能性の点ではそこが最大の難問かもしれない。
投稿元:
レビューを見る
アベノミクスが賃金を抑制し続けて結果景気の低迷を招いていることは納得する。その上で賃金を上げられないとしている中小企業を統廃合していかなければならないという観点も必要であると思った。特にコロナ後の厳しさが増す状況の中ではますます賃金だけ上げるというわけにはいかないと思える。
投稿元:
レビューを見る
バブルからアベノミクスまでの日本の経済動向を詳細に論じた著書。日本の現代経済史について学ぶ上で助けになる著書ではあるが、民主党寄りの筆者の立場が色濃く出ており、やや露骨な橋本政権や小泉政権の構造改革批判・民主党政権下の政策擁護の論調である点に注意する必要がある。
投稿元:
レビューを見る
体系的にバブル後の経済対策がまとまっていて参考になる。
アベノミクスや構造改革に反対する立場の方が書いているので、批判的な目線で書いてある。著者の考えに必ずしも同意するわけではないが、橋本行革からの消費税増税が、景気回復に冷や水を浴びせたというのは納得。平成年間で賃金が上がらなかったということ、法人目線の施策のみ実行されてきたことは、立ち止まって考えるいいきっかけになると感じた。
投稿元:
レビューを見る
バブル崩壊以降の日本経済の停滞についての状況・原因・対応策等についての本を何冊か集中的に読んでおり、本書もその一環。
これまで数冊読んだが、筆者によって、主張している内容がかなり異なる。
本書の筆者は、明らかに旧民主党シンパである。鳩山さんから始まる民主党政権に同情的である。ということは、自民党政権に対しての評価が厳しいという立場である。
日本経済の長期停滞については、「バブル崩壊以降」というのが一般的理解であるが、しかし、より細かく見ると、91-93年のバブル崩壊後の景気後退の後、93年11月から景気は回復している。長期停滞の本当の開始は、97年6月から。橋本内閣の、「構造改革」に端を発する、賃金の落ち込みによる民間消費支出の落ち込みが原因、というのが筆者の基本的な説明である。
その後の自民党内閣は失政を引き継いだ。一時、民主党が政権をとり希望が持てたが、不運にも民主党は自民党に政権を明け渡した。以降の自民党内閣は、アベノミクスに至るまで失政を繰り返している。
以上が、筆者の主張だ。
私が読んだ他の本でも、政府の政策が日本経済の長期低迷の原因であると主張するものはいくつかあったが、本書においては、長期低迷の要因として「政府の政策」が占める役割が大きいというところが特徴の一つだ。
もう一つの特徴は反自民党政権、反アベノミクスであるにも関わらず、リフレ派に近い主張をしていることである。日本は巨額の財政赤字を抱えているが、それは、すぐにどうこうなる、という話ではなく、財政引き締め等の策はとるべきではないという主張である。
何冊か本を読んでみて、学者の間でも(私が読んだ本は、多くが経済学者の書いたものだ)、日本経済の長期低迷の原因は統一見解がないのだということを知った。経済学って何なのだろうか?とも思ってしまうが、逆に統一見解があるのであれば、このような長期低迷状態にはなっていなかったということだろう。
投稿元:
レビューを見る
バブルから現在に至るまでの景気変動について、概説的な事柄を知ることができました。
非常に有益な読書体験になりました。
結論の部分で、社会保障制度の拡充について著者の考えが述べられていましたが、ここだけに関しては素人考えでも「学者らしい理想主義的な提言だな」と思ってしまいました。
投稿元:
レビューを見る
筆者は1990と1997年を日本経済の分水嶺と捉え、議論を進めていく。90年、公定歩合の引き上げと不動産融資規制によるバブル崩壊により、株価と地価が大幅に下落。需要の減退で景気は大きく落ち込んだ。景気が回復に向かい始めるのは93年からだった。97年から再び景気は後退するが、これは橋本内閣の構造改革によるものだとする。所得税や地方住民税の減税を廃止したことで、民間需要が伸び悩んだ。だが、続く森内閣や小泉内閣は金融機関の不良債権が景気後退の原因だとした。それらの処理、続いて規制改革を行うことで競争的な社会を実現し、日本経済を回復させるという筋道を立てた。ただ、筆者は橋本内閣に始まる一連の構造改革はアメリカの要請・財界の要請に応えるものであって、日本経済を回復させるためのプランというのは表面的でしかないと批判する。
実際、構造改革が日本社会にもたらしたのは経済の長期停滞、上がらない賃金だった。2013年からの第二次安倍政権は大規模な金融緩和、積極的な財政出動を行ってこれに対処しようとした。だが、経済が長期にわたって停滞しているのは消費需要が少ないからであって、賃金を上げない限り上手くいくはずがないと筆者は批判する。
総じて、筆者は自民党政権に批判的である。だが、日本経済の将来を悲観しているわけでもない。家計には多くお金が余っている。したがって、国民負担を引き上げれば財政健全化も社会保障の拡充も十分可能なのである。ただし、消費税とは違う形で。
投稿元:
レビューを見る
ズバリ、言ってくれてます。
“「構造改革」とは、①何よりも財界(経済界)の要望に応える政策であった”
“「構造改革」の影響を受けて…「景気は良くなっても(企業が儲かるようになっても)、賃金が上がらない構造へと、日本経済が変わった」