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中学校の校則をなくしたという話ではありません。
2020/01/26 13:26
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マナブ - この投稿者のレビュー一覧を見る
憲法は国民が公権力を制限するためにできたんでしたよね。この中学校では例えば定期テストを廃止するために生徒総会で議決しました。つまり「学校は定期テストを実施してはならない」という校則を生徒総会で制定したわけです。それによって学校は単元テストと実力テストを実施することになりました。他にも「クラス全員に同じ宿題を課してはならない」「制服を強制してはならない」というような校則が制定されました。校則は学校が生徒を管理するためのものではなく、生徒が楽しく有意義な学校生活を送れるように生徒が学校に対して制定するものだということではないでしょうか。だから西郷校長がいなくなっても、この校則を変えるためには生徒総会の議決が必要なのでしょう。
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びっくり
2021/10/28 03:01
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいて「窓ぎわのトットちゃん」を思い出しました。あの学校は戦前の学校ですが、こちらは、現代の学校です。日本のすべての学校は見習うべき。特に、制服無し、は、明日からでもできる改革。制服なんて、業者を喜ばせてうるおいを与えるだけ
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校長の英断でできた「校則をなくす」。
しかし、本来、信頼関係ができているなら、校則は不要なのだと気づかせてくれる。また、居心地の良い学校には校則はなくても良いのだとわかる。
ただし、信頼関係を築くのには時間がかかること、根気がいることもきちんとかかれており、教師の力量と度量が問われるということも描かれている。
この校長だからできたことなのかもしれないが、本来はどの学校もこうあるべきなのだと強く思う。
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「校則をなくした中学校」という、表面的なことばかりが取り上げられますが、この本を読むと、西郷校長の一貫とした教育観というか、生徒観が見えてきます。そういう、背景にあるものも一緒に考える必要があります。
p.39 誤解してほしくないのは、いま桜丘中学校で実践しているさまざまなことは、〝最初に結論ありきではない〟ということです。
たとえば校則の廃止。
「校則なんてきゅうくつだ。だから全廃しよう」という教育論を金科玉条のように掲げて校則を廃止したのではなく、「子どもたちにとって、幸せな3年間を送るためにはどうしたらいいか」ということを考え、議論に議論を重ねていったその結果、そうなったということです。
しかし、この本を読むと、この実践は、学校の力だけではできないと思いました。例えば、
p.15 1年生のクラスを目にした人の中には、あまりの騒がしさに、「学級崩壊じゃないか」と思う人もいるかもしれません。
こういう状態をも見守る教員はもちろん、保護者や地域も同じ価値観でいないと難しいものがあります。
西郷校長は、この学校で10年間校長を務め、この3月にご退職を迎えるそうです。校長先生が退職された後、この学校はどうなっていくのでしょうか。
p.220 もし私が退任したあと、生徒が望む学校じゃない方向に動き出したら、誰かに頼るのではなく、自分たちで変えればいいのです。「ぼくたちはこういう学校にしたい」、「私たちはこういう学校の生徒でありたい」とがんばればいいのです。
どうなっていくか、楽しみです。
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思ってたよりも、好きな方向性ではなかった。ところどころ。個人的にはたった1つのルールに共感できなかったことが問題かなあ。少なくともぼくにとっては、生徒たちが学校にいるあいだ幸せに過ごせることがいちばんではない。中高のちがいもあるか。
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2020/1/13
麹町中学校の工藤勇一さんと相通ずるものを感じた一冊。子どもの可能性を広げることが学校に必要なことであるはずなのに、現在の学校の多くは子どもの可能性や、思考する、実践する機会を奪う、個性を潰してしまっている場になっていないかという思いを前面に感じました。
また、桜丘中学校の西郷孝彦校長もまた、とても柔軟な考え方の人なんだなあというのが文章を読んでいてすごく伝わってきます。
トップダウンでただ命令や規則を守らせるために生活することに何の意味があるのか、社会に出た時に子どもたちが直面する現実と現在の学校は大きく乖離している現状は否めないと思います。
いきなり全部を実施するのは厳しいとは思いますが、この本を読んで自分が共感したことやなるほどと思ったことはうまく取り入れて実践へと繋げていきたいなと思いました。
西郷校長は教員も広い世界を見ていつでも転職できるようにしなさいと言っているみたいです。そんな色々なことに対して前年度を踏襲して…とか、今までこうだったからそれで…という考えに縛られないで、時代に合わせて思考を変化させていける人でありたいなと思いました。
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読んでいて、すごく優しい気持ちになれた。
自分が子どもの頃も、今も、あるべき姿に縛られすぎるが故に、人間関係がうまくいかないというのはすごく感じる。
でも特に教育の世界って、それが当たり前でやってきてるから、おかしいなぁと思っても、従わざるを得ないようなとこあって。
そんなことときちんと向き合って、なぜ、なんのためにやるのか?ということを教員や生徒と対話しながら見出していく姿に、感動。
こんな校長先生が、全国の学校にいてくれたらきっと日本の教育はすごーく変わるだろうなぁと思った。
でも人任せでなく、自分ができることから始めていきたいと思える、前向きになれる一冊だった!
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生徒が安心して中学校3年間をどうしたら過ごせるかということに重点を置くと学校経営がこうなる。
一度勤めてみたい。
校長視点で書かれており勤めている教員視点からの意見も欲しいところ。
定期テストがないことでの弊害(テスト休みがなく教員の平日の休みがとれない。部活顧問は定期テストの期間が唯一体が休まるのに)とか、付随する成績処理をどうしているかなど。。
管理職視点ではなく現状での教員視点のメリットデメリットなどが欲しい。廊下のフリースペースの対応で教員の空き時間はあるのかなど。
このレベルでの実践だと総合の時間は必要ない気がしてくる。
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改めてぶっ飛んでいる校長先生でした。うちの生徒が修学旅行で桜丘中を訪問し、教育理念から美味しいラーメン屋まで教わって帰ってきた。建前じゃなくて本質的なことが述べられている。自分たち教員が必死に守ろうとしているのは、秩序であって子どもじゃないのではないか。真剣に考えさせられた。
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人間がもともと持っている「よく生きよう」という意思を尊重し、その環境を整える。
世界は変えられるという成功体験を持たせる。
なんとなく読んだけれども感動しまくり。学校教育という観点ではなく、子育てにも通じる!
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『校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール』
定期テストも制服も、いじめも不登校もない!
笑顔あふれる学び舎はこうしてつくられた
2020年現在、日本で最も有名な校長先生-世田谷区立桜丘中学校 西郷孝彦先生-の著書。
第1章 あれもこれも「ない」中学校
第2章 「ない」中学校にこうしてなった
第3章 子育ては15歳まで-親と子の関係
第4章 学校レポート-これからの子どもたちの育て方
「どんな子でも3年間楽しく過ごせる学校」を実現するために、西郷先生はこれまで学校で「当たり前」と思われていたことを悉くなくしていった。
制服、定期テスト、登校時間、チャイム、宿題など。
他にも、教室の机が整然と並んでいなくても問題なし、校長室を常時開放(スマホの充電もできる)、茶髪可・靴下の色も自由にするなど校則を撤廃、授業中に寝ていても起こさない、子どもが喧嘩しても叱らない、などもある。
西郷先生のこのような方針は、「インクルーシブ教育」と呼ばれ、すべての子どもが共に学べる学校をつくっていくことをさす。「学びのユニバーサルデザイン」とも言われる。
中でも一番響いたのは、生徒がうるさくしているときに教員が怒鳴るのをやめさせたこと。
「子どもは管理するものであり、教員が指示を出すもの」という固定観念(p.44)、確かに自分の中にもあるかも。
でも、怒鳴りつけない代わりに、「生徒が思わず聞き入るようなとっておきの面白い話を準備」するのって、怒鳴って静かにさせるよりもずっと難しいと思う。
自分が中学生だったときと比べて、時代の様相は明らかに変わった。
先生の指示を守る「典型的な中学生」がいわゆる“良い子”と言われていた時代はとうの昔に終わって、これからの社会では「自分でものを考える力」をつけなければならない。
この本に西郷先生が書いていることは決して絵空事や夢物語ではなくて、日本一成功したと言われている中学校の実際なのだから、自分も学校のあり方や教師としてのあるべき姿を今一度見つめ直さなければならないのだろうなと思った。
桜丘中学校の3つの心得(p.59)
1.礼儀を大切にする 2.出会いを大切にする 3.自分を大切にする
他にも、教員にとって励みになる金言多数。
「教員は、素で勝負すればいい」(p.45)
「教員にも、自分の生活や趣味を第一にしてほしい」(p.64)
「どんな子にも、毎日いろいろなことが起きています。授業どころではない日もあるでしょう。それなのに教員が判で押したように「授業に出ろ」「集中しろ」でいいのか」(p.104)
「すべての子どもたちが持っている、よく生きようというプログラムが発動しやすい環境をつくってあげる」(p.137)
「失敗するのが嫌だからと何も事を起こさなかった場合、何ひとつ得るものがありません」(p.159)
「自分のとんがったところを探して、それをとことん磨く」(p.161)
「皆さんも小さい頃、明日は「もっとがんばれる人にな���たい」とか「もっといい人になろう」とか「もっと勉強ができる人になろう」と思っていたに違いありません」(p.213)
「自分がいちばん心配だと思う子の面倒を見ます。そして、とことんその子に尽くすのです。その子のために全精力を費やします(中略)すると「愛情ってこういうことなのかな」とわかってきます」(p.216)」
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システムとしての学校を変えるのは、かなり困難だと思う。でも、心配な子どもひとりに焦点を当てる、それならできる。
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子どもたちが、幸せな3年間を送ることだけに徹っした校長先生。こうでなければいけないという固定観念や子どもたちに説明出来ない校則に1番縛られていたのは、他でもない大人たち。こんな学校が少しでも増えて、生き辛さを感じている子どもたちが1人でも救われてほしい。非認知的能力を高める方法は、家庭でも是非実践していきたい。
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印象に残った文章
朝礼できちんとさせることが、学校生活で1番大切なことではありません。学校生活で1番大事なことはただひとつ。子供たちが幸せな3年間を送ること。それだけです。
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過干渉をやめる。子どもの主体性に任せる。表面的に真似してもうまくはいかないだろう。子どもの失敗を許せる覚悟や辛抱強さが必要だと感じた。心に怒りをもって働く。