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米国のトランプ政権が誕生して以来、福音派という言葉が度々マスコミをにぎわせるようになった。著者は米国だけでなく、世界の大きなキリスト教会の潮流の説明を詳しい数字と共にしてくれている。それは世界における伝統的なプロテスタントの衰退とペンテコステなどのカリスマ派を福音派と同義語としての爆発的な伸張である。今やキリスト教の中心地はアフリカ、ラテンアメリカに移ったかのようである。アジアでも韓国、中国のキリスト教の伸びは素晴らしい。このような動きを知らなかった自分がうかつだったと思う。そのような中で、日本のみ蚊帳の外というのは寂しい限りである。非常に簡明な説明で、世界の国別のキリスト教の状況を分かり易く、詳しく知ることができる。しかし、著者の異端への寛容な態度は受け入れ難いところがあり、この本はそういう意味では危険である。
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福音派について調べて、
キリスト教の系譜を図にしてみました。
福音派とは、つまり、理性や学問よりも、実際の神の霊の働きを重んじる動きであり、
異言や癒しなどが実際にあることが特徴です。
異言というのは、習ったことのない外国語や、この世のものでない言葉が出てくることで、
原始教会においてはよく見られた現象でしたが、時代を経てそれは失われました。
伝統派が、科学的客観的学問的に聖書を切り刻んできたことに対する反発もあったのでしょう。
伝統派の人口が萎んでいく中、福音派は燎原の火の如く、全世界に五億人になろうとしているということです。
アメリカでは四分の一が福音派でトランプ支持。
この起源は、誰かがはじめたというより、もともとの原始教会自体が「福音主義」だったということです。
過去に私は、福音派のことを「原理主義」と同一視して、「ちょっとついていけない、この過激な人たちとだけは関わらないようにしよう」と思っていましたが、
必ずしも、排他的で過激なものばかりではない。
キリスト教の中心は、人口爆発と同時に、
北半球から南半球へ、伝統派から福音派に移行しているとのことです。
一方、伝統派からエキュメニズム、教会一致運動ができたのも、ペンテコステ教会ができた頃と重なる。
エキュメニカル運動に福音派は参加せず、独自の道を歩み始めます。
伝統派と福音派のどちらも経験している私にとっては、
新しい可能性を生み出す点で興味深くもあり、
かつ深い相互理解が生じるに至っていないことは心苦しい問題でもあります。
私の出身校の名前でもある
「上智」は聖霊の賜物の一つです。
知的な発展と霊的な発展の双方を願いたいと思います。
伝統派は、聖霊を蒸発させないように、
福音派は、原理主義的、排他的にならないように、
双方が互いに刺激しあって、健全なキリストの肢体を作り上げていくことを祈ります。
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福音派というものを、他のプロテスタント諸派やカトリック、正教などと比べながら簡単に説明した本。なぜこの派がトランプ支持になったかは、さらっとしか触れていない。個人的には、日常的に「異言」(だと思っている)を話す人たちって「おかしい」と思います。