投稿元:
レビューを見る
2006が設定落ちで残念だったから期待していなかったのに、本当にこっち良かった!本質を突いてくる感じ。
2006の方にも書いたけれど、ク・リトル・リトルや夢幻廻廊の伊藤ヒロ先生のファンなのでちょっと贔屓目入ってるかもしれない。この人の感性合うから他作品もまた読んでみたい……!!
作品紹介にもある「あなたの胸の中にあるものでも、晒すと人の心を打てますか?」とか、一連の流れ見ると本当にグサッとくる。
チカがヨシヒロに「私のこと好き?」って聞いて「いつでも味方だよ」って返事されて、優等生の回答で距離を感じるとか本質的すぎる。
「ロリコンでもハルナが喜んでて、手が掛からず楽になるから別に良い」とかも妙にリアルだけど考えたこともない?考えたくもないから?かなあ、ありえない価値観、本当に驚いたけど自分の知らない感情に触れるのは感動する。最後の「病気移って一緒に死んで」が良かった。シャルナの名前のシーンも好き。
最後までチカが良い子になりきらないのも現実的で本当に感情移入できる。
リクがタカシに告白された設定はあんまりいらない……。けれど何か作者にモデルみたいなのあるのかなあって想像しちゃうから楽しい。
あとチカが急に「サナトリウム文学のような」とか言い出すのほんとビビる。「魔の山」やらを人間なら全員読んでると思うな、とは思ったけれど、最近なら風立ちぬで皆知ってるのか。でも急に物凄い違和感。
()の中の「ちなみに2007年当時は……」みたいな注釈が好き。この時代の記憶がまだあんまりない頃だからへえってなりながら読んでた。