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【ジャック・マーの腹心、前最高戦略顧問が明かす】巨大市場を創りアリペイで現金を消滅させ、国民を信用スコアで繋ぐ。アリババ帝国の「陰陽ビジネスモデル」「機械学習型組織」とは。
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1999年に18人の社員がジャック・マーのアパートからアリババをスタートさせ、2016年の独身の日一日だけで150憶ドルの売り上げをたたき出す。アリババを中国版Amazonと思っている人はこの本を読んだ方が良い。そもそもコンセプトが異なる。アリババは中国というインフラ(消費・物流・金融・IT…)が先進諸国より遅れている環境を、ITの力で一気に先進諸国を上回る状態にすることを目的としている。驚くのは先進諸国が長年莫大な手間と資金をつぎ込んで作り上げたレガシーであるインフラを保有していることがマイナスとなり、それらが無かった中国に大きなアドバンテージをもたらせた皮肉的な状況だ。金融一つ例にとっても、既に手形・現金・金融機関のネットワークシステム等完璧に作り上げられている日本。対して、現金が信用されず、銀行は個人が使うものではない中国には、アントフィナンシャルがあっという間に全国民に広がった。すべての金融取引を一つに纏められたのも効果的。日本は貯金貸付・運用・為替・信託・クレジット・小口ローン…金融取引のほぼ全てが異なる会社がメインでやっている。これでは生産性が上がる訳が無い。
またその数字感が凄まじい。タオパオにある商品は数百万の売り手が、15億点(Amazonでも3億5千万点)の品を売っている。アントフィナンシャルの貸倒率はたったの1%、タオパオでは独身の日に24時間で1千億回のカスタマイズされた商品ディスプレイを表示させ、マッチングを数兆回成立させた。
巻末には日本語版エディションとして著者のインタビューが載っている。彼は最後にこう述べた。「2017年にこれを書いた時点で、どこが最初に時価総額一兆ドルの壁を突き抜けるのか楽しみと書いた。2019年現在アップル・アマゾン・マイクロソフトがそれを突破し、グーグル・フェイスブック・アリババもそれに続くだろう。そして次の壁が10兆ドルとすれば、それを突破するのはまだ誰も知らない企業だろう。」未来の10兆ドル企業が今、どこかのガレージで活動を始めているのかもしれない。
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GAFAだけじゃなくて、中国も知っとかないとと思ったけど。
うーん、ちょっと学者チックで難しいのと。使ってないからか、あまり興味がわかないな。
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アリババのスマートビジネスを支える2つの要素の解説
ネットワーク・コーディネーション
データインテリジェンス
また、エコシステムにおける面、線、点の戦略分類も興味深く感じました。
本書にあるようなデータを武器に学習し、成長し続けられる仕組みを持つことが次世代に生き残る組織の要件になるのかもしれません。
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▼アリババについて
■2014/9のIPO後、GAFAに匹敵する時価総額へ
■成長を支えたのはスマートビジネス
■スマートビジネとは
①ネットワークコーディネーション
②データインテリジェンス
■ビジネスモデルはB2CからC2Bへ
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アリババのビジネスモデルは、陰陽の組み合わせ。
【陽】ネットワーク・コーディネーション
・線から網
・インフラ投資
【陰】データー・インテリジェンス
・ユーザーとの対話→デジタルフィールドバック
・機械学習
・意思決定の自動化
・組織のビジョンを軸にビジネスモデルも変化していく
・ビジョンを持ち、実験し、探索し、またビジョンに戻る(繰り返し)
・ここ20年、主要なIT企業は、すべてアメリカと中国で生まれている(GAFA、BAT)
などなど、経営学の授業を聞いているような、もりだくさんな内容。
世の中はすごいスピードで変化しているんだ、と改めて、思うとともに、この変化を私の仕事でも、どうにかして活かせないものかと(常に)自問自答。
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アリババがやってることを具体的に書いてる数少ない本。どうでもいい経営哲学(成功した会社の経営哲学は、どうせ後付で褒められる)とかにページが割かれてないのは素晴らしいし、Ruhnnみたいな「ネットライブコマースを支える周辺企業」みたいなのまでちゃんと書いてあるのはこの本ぐらいでは。
惜しむらくは、出てくる企業名や人名が縦書きのカタカナばかりで、ビッグE、ルーハンなどのみ。张大奕, Ruhnn, 如涵みたいに英語と中国語の両方書いてあるとあとでググれるんだけどなぁ、、、
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著者はジャック・マーに請われ、戦力コンサルからアリババの戦略担当に就任。
超巨大ビジネスを生み出した戦略の要諦を、内部にいた人間が書いた稀有な本。
彼はネットワークコミュニケーションとデータインテリジェンスをDNAの二重らせん構造に例え、その組み合わせでスマートビジネスを作りあげることが、これからのビジネスに必要と説く。
ネットワークコミュニケーションはビジネスの川上から川下まで、外部の協力会社も交えてデジタル化し、winwinのエコシステムを作ること。
参入ビジネスを滅ぼしていくアマゾンと異なる共生の発想は東洋ならではのものと思われる。
データインテリジェンスは機械学習を繰り返すことで、エコシステムを最大限に効率化・省力化し、マンパワーをクリエイティブに振り向けていくことを目的とする。
日本の大企業は、未だに固定化され柔軟性に乏しい長期戦略を重視しており、世界の変化から取り残される一方なので、全ての経営者が読むべき本と考えます。
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ネットワークこコーディネーションとデータインテリジェンス、フィードバックグループが非常に重要。
アリババでの実践により得た、戦略。
ただ、ここまで自由にできたのは中国というまだ未熟な市場があったから。
とはいえ、この考え方は今の時代では必須で、それをどうやってローカライズして実践していくかが重要と考える。
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内容は良い、アリババがよく分かるし、ビジネスの勉強になる。欠点は少し、言い回しがくどくて読みづらいくらいかな。
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アリババの成功の秘訣は、ネットワーク・コーディネーションとデータ・インテリジェンスの組合せ。
以上。
といいたいところですが、さらにいえば、オンライン市場もオフライン市場も未成熟だった中国、は、アリババの成功にとって、大きな条件だったように思います。
そう考えると、日本で、アリババのような成功をするのは難しいかと。
もし、同じような成功を狙うならば、インド、アフリカ、南米あたりがよいと思われます。
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アリババについて網羅的に知ることができる本。
アリババのビジネスモデルに関する理解が深まる。
書き方は少しわかりにくかったが、原著はもっと読みやすいのかも。
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アリババについて知ることはできるのはもちろん、
そのような仕組みを作るまでの流れを俯瞰的に説明してくれている。
著者がアリババのかたであるものの、いい意味で一歩引いた視線で語られている印象。
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「意思決定は自動化される」高度な超機械化に対し人間の主体性はどうなるのか。そんな世界が確実に訪れる。
アリババのスケール感には、圧倒されてしまう。
「独身の日」のお祭り騒ぎは、単なる「狂騒」とは言い難い。
たった1日間だけのイベントのために、途方もないサーバーへのトラフィック、決済、物流を捌くのだから、その裏側で動いている技術力の高さはもの凄いレベルだ。
Amazonとどうしても比較されることが多いが、本書を読むとそんな単純な話でもないことが分かる。
確かにAmazonも、クリスマス時期の急激なトラフィックを捌くためにクラウドを強化し、それを外販したことで、今では大きな利益を稼いでいるというのも有名な話だ。
Amazonも勿論戦略的にこれらを行った訳であるが、どちらかと言うと「クリスマスがあったからサーバーを強化した」と後追いには感じてしまう。
アリババの場合は「独身の日」を自ら盛り上げ、顧客を煽り、狂騒を生み出している。
まるで自らがとんでもない高みに挑戦するために、自分でドンドンハードルを上げているかのようだ。
これを「クリスマスがやってくる」と受け取るか、「独身の日というイベントを生み出す」と捉えるかは、まさに考え方の違いとも言うべきか。
Amazon創業者のジェフ・ベゾスが、紙ナプキンに描いた「弾み車の法則」は有名だが、アリババのビジネスモデルは、Amazonとは様相が異なる。
アリババのビジネスモデルも、これはこれで本当に秀逸だと思う。
最初から描いて作ったビジネスモデルなのか、走りながら変化して結果的にこうなったのか。
その辺の真実は本書からは読み解けないが、アリババが商品を仕入れてEC通販するという単純な「卸売モデル」とは違うということは理解できる。
アリババも、決して「普通の企業」とは言えない。
やはり考え方そのものが、日本人では発想できない部分があるような気がする。
創業者ジャック・マーの「この世から難しい商売をなくしたい。人々の不便をなくし、社会を変えていきたい」という思いが結実したのがアリババである。
身近な人が近隣で商売を始めても、なかなか上手くいかず苦労をしていたのを見ていて、そんな状態を解消したいと思ったのだと言う。
確かにその頃の中国は、まだまだ経済基盤が整っておらず、商売を始めたくても銀行口座を持てなかったり、事業のために融資や投資をしてもらえる体制もなかったらしい。
手元のわずかな資金で小さくビジネスを始めても、それを増やす方法が難しかったのだろう。
もし仮に商売自体にニーズがあっても、商品製造しても支払いが行われなかったり、現金や商品が盗難にあったりしたら、ビジネスが上手くいくはずがない。
そういう原体験があったからこそ、アリババは単なるECではない企業になったのだと思う。
アリババサイトはあくまでも顧客に対しての入口とはなるが、実際に商品を販売しているのは各企業の事業者であって、アリババではないのだ。
これも「各事業者」こそが、アリババを通じて商売をしてもらい、利益を上げてほしいという考え方だからだ。
そして、そんな思いは当然に各事業者の一番の不満を解消する方に向かっていく。
「アリペイ」の成功だけが注目されてしまうが、元々の始まりは中国内の金融システムが脆弱だからに他ならない。
このリープフロッグは、当時の中国だからこそ実現できたことで、現金、クレジットカード、電子マネーカードがすでに普及していた日本の状況とは大違いだ。
アリババは「アリペイ」という強力な一手を軸に、とてつもなく大きな経済圏を作り上げていく。
この実質「お金」と言えるインフラを構築できたのは、大きなアドバンテージだ。
そこからアリババ経済圏として矢継ぎ早に事業展開を広げるのがすごい。
確かに個人情報の扱いなど、その重要度の考え方は中国と他国とは大きな違いがある。
それにしても、アリババがここまで経済圏を拡大したのは、技術力の高さも半端ないレベルだからだ。
金融から始まり、ソーシャルレンディングなども、すべてAIでアルゴリズム化されている。
この分野では日本はとてもじゃないが追いつきようがない。
本書内で「点」か「線」か「面」か、という記述があるが、事業をどう組み立てていくかは、もはや直線的に考えることでは難しいのかもしれない。
技術革新はエクスポネンシャルで指数関数的に見なければいけないし、当然アリババのように常にビジネスを次元を増やして考えていく必要がある。
1次元で考えるだけではダメで、2次元、3次元・・・。
よく「多面的に考えろ」と言って、様々な角度から物事を見る例えとして使われるが、これこそ「言うは易し、行うは難し」だ。
しかしながら、その難しいことを行えるからこそ、他者との差別化につながるし、事業展開の優位性につながる訳である。
GAFAに関するものは、日本では多く書籍化されているが、アリババに関する書籍はまだまだ少ない。
今後も、もっと調べていきたいと思った。
(2023/9/9土)