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良くも悪くも概説書。短時間で概要を知るには便利だけど、ちょっと物足りない感じも…
もちろん、本書の目的には合っていると思います。
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私は、労組活動をしていた関係から約20年間毎年のように1か月の最賃生活体験をし、ある時期から10数年間リアル最賃に近い生活をしている者である。その実感で話すと「最賃では、決して人間らしい生活は出来ない」「この7年間、やっと最賃が動き始めた。遅すぎるけど」ということになる。例えば、私は2012年故あって最賃ギリギリの時給700円の職場に就いた。労基法違反しまくりのブラックだったので直ぐにやめたが、その職場の先輩は「20年間まともな賃上げなんてなかったぞ」と言っていた。ところが、現在その職場は時給840円にしないと「違法賃金」として労基署が入る状況になっているのである。なんと、7年間で少なくとも20%の賃上げが強制的に達成できているのだ。労組は政治活動をするべきではない、という偏見が未だにあるが、これは労組が長い間政治運動してきた成果とも言える。
何故最低賃金を上げることが大切なのか?
何故日本の最賃はこんなにも低いのか?
あのアメリカ連邦省が、「中小企業はこれ以上賃金を払う余裕はない」「引き上げは事業に悪影響」という〈神話〉を、明確に批判・論破しているのは本当か?
あの韓国が1990年の約69円(!)から2019年約835円になっている(日本を追い越した!)のは本当か?
最賃を上げると失業が増えるか?
あの政府が2019年参院選前に早期の最賃1000円を目指すと方針を作ったが、本当か?その実態は?それで十分か?何故1500円という目標が必要なのか?
中小企業へのサポートはどうするべきか?
最賃決定過程を透明化した鳥取方式とは何か?
等々、刺激的なイシューについても書いている。専門書としては弱く、学習会のテキストとしても、著作者が様々で文字が多くてわかりにくいが、集中的に読めば、1時間の「立ち読み」で中身は入る。今年11月刊行で、情報も最新である。お勧めです。
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最低賃金の地域格差はこの10年で拡大しているのか。企業への支援策についても言及があり、それなりにバランスのとれた論考。
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国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11457633
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ほぼワンコインで67頁ほどの小さなブックレット。3時間程度で読めるが、最低賃金に関する大まかな現状について知ることができる。日本において、中央最低賃金審議会から最低賃金近傍で働く非正規労働者の声が排除されている問題点、日本において最賃引き上げに伴う中小企業支援がお寒いという指摘は重要だろう。また、最低賃金を大幅に引き上げた韓国の事例が豊富に紹介されていて、その点は貴重だった。
反面、弁護士たちのみで書かれているので、経済学的な観点は希薄である。最賃引き上げに関する肯定的な経済学の論文が2本ほど紹介されている程度。あと失業率は上がっている韓国については「活発な議論がなされている」と濁すだけで、デメリットについて指摘がされていないので、その点は不公平。弁護士に経済学を求めるのは、「八百屋で魚を求める」ものなので言っても仕方ないが、一人くらい労働経済学者の意見を入れても良かったかもしれない。モヤモヤとした読了感が残った。