サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

闇という名の娘 みんなのレビュー

  • ラグナルヨナソン (著), 吉田薫 (訳)
  • 税込価格:8808pt
  • 出版社:小学館
  • 発売日:2019/12/06
  • 発送可能日:購入できません

文庫

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー21件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (6件)
  • 星 4 (8件)
  • 星 3 (4件)
  • 星 2 (1件)
  • 星 1 (0件)
21 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

アイスランドミステリーの新たな境地

2023/12/31 22:17

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る

ラグナル・ヨナソンの前作である「アリ・ソウル」シリーズがとても印象深かったので、本作にも大いに期待を寄せていたが、期待以上だとまず言いたい。

ヨナソンの特徴は、厳選された少ない登場人物、無駄な装飾を排した簡潔な文体、限られた紙数にも関わらず、人間の欲望や弱さからくる犯罪の種々相が、普遍的なテーマを静かに語る、というものだと感じていたが、本作もこの路線を外さず人間の内面を鋭く描いている。さらに加えて、主人公が若いアリ・ソウルとは打って変わって、初老といってもいい退職まじかの女性警部フルダであるのが、魅力的だ。

主人公の年齢から、てっきり若き日を追憶しつつ、最後の事件で有終の美を飾るという黄昏小説かと思いきや、とんでもない。フルダは未だ迷いの多い人生を送っており、それは仕事の面でもプライベートの面でも彼女に暗い影を落としている。

半年後だったはずの定年退職を、組織の若返りを理由に今日明日に迫られるフルダ。年下の上司になんとか翻意してもらおうとするものの、結局は有給消化でもしろというすげない回答。一体いつから自分は、このように軽んじられる存在となってしまったのか?長年骨身を惜しまず働き、勘と経験と捜査テクニックをもって捜査に当たり、多大な貢献をしてきたと自負してきたのに・・・。
この感情は、近年大抵の人が一度は感じるものではないだろうか?加えて、同僚は怠け者、眼をかけて育ててやった部下は、早くも身を翻して関わり合いを避けようとしている。なんて仕打ちだろうと、怒りと無力感に苛まれるフルダ。

だが、自らを鼓舞するように、最後に未解決の事件の捜査に当たらせてくれと申し出て、なんとか許可を得る。かつて単なる失踪と見なされた、難民申請をしている最中に行方不明になったロシア女性のケースだ。限られた時間の中、関係者への聴取を始めるフルダだったが、この国に知り合いもほとんどいなかった彼女の背景は、なかなか見えてこない。
そうするうちに、ある関係者からの情報により、彼女が難民申請を隠れ蓑にした売春を目的とした人身売買の被害者ではないかとの見方を強めたフルダは、その線で捜査を進める。
このあたり、期限を切られているとはいえ、随分突っ走り気味の感が否めないが、フルダの人生には認められなかった仕事上の焦りとはまた別の屈折した感情があるようだ。
一人娘を13歳で自死で失い、数年後には夫にも先立たれ、辛い気持ちを仕事で乗り切ろうとしていた彼女には、その仕事さえも奪われそうな今、何を頼りに生きていったらいいのかという根本的な悩みもある。

さらに、別のふたつのストーリーがメインストーリーと並行して語られる。誰のいつの物語かも不明だが、ひとつはおそらくある人物の生い立ちに関わるものだとはなんとなく感じ取った。そちらはかなり暗く重いものだが、どこにどうつながるのかとかなり複雑な構成となっている。

そして、捜査の大詰めで衝撃の展開となるのだが、これは過去の罪の償いとしてのある種の罰なのか、それとも許しを請いたい相手との唯一の再会の機会なのか。
読後感はさすがに爽快とはいかないが、自分では結構納得のできるラストだった。人間は幾つになっても、いやむしろ年を重ねるごとに悩みは降り積もるのだと思う。
さらにこのあとに、フルダの若き日へと遡るシリーズが待ち受けているのだと知り、驚きとともに喜びも同時に感じたことを付け加えておきたい。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2020/01/05 15:05

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2020/01/11 16:57

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2020/02/03 22:25

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2020/02/05 08:22

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2020/02/24 11:49

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2020/02/21 16:06

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2020/02/20 20:50

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2020/02/27 07:18

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2020/08/08 14:35

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2020/10/13 21:29

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2020/10/27 14:05

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2020/10/28 15:52

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2021/03/08 12:27

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2021/07/19 13:51

投稿元:ブクログ

レビューを見る

21 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。