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夏葉社の島田さんの、ひとり出版社を立ち上げるまで、それから10年経って今思うこと。
淡々と語られる出来事の裏に、喜びや悲しみがきっとあった。そこに思いを馳せると胸が熱くなる。
こうして作っている人の思いを読むと、出版される本がまた違って見えてくる。
一冊一冊からその本を作った人の気持ちが立ち上ってくる。
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島田さんの、本と本に関わる人たちへの愛が感じられ、本ってステキだな、私もなんやかんや頑張るぞーという気持ちになれた。誰かに必要とされることに感謝しよう。
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あとがきで、この本は2014年に生まれた息子に伝えたいと思って書いた、と書かれている。
誰かに届く仕事をすることを、いかに大切にしているかが、丁寧に真心込めて書かれている感じがしたのは、息子さんへのメッセージだったからかと納得。
働くことの意味が分からなくなってしまった大人や、これから社会に出る若い人たちにおすすめしたい。
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ノウハウだのハウトゥーだのといったビジネス本はすべて捨てて(1冊も持ってないけど)、この本を読めばいい。読書とは、仕事とは、時代とは、にとどまらず、生きるとは、について、大切にしたいこと、忘れてはいけないことがやさしく書いてある。著者の意向には合わないかもだけど、中学校あたりの国語の教科書に採用してほしい。
ちょっとの邪念や欲も、時には受け入れながら笑い飛ばしながら、そういう類の人たちにも理解を示しながら、自分は自分の道をゆく。これ、と決めたものや人には、精一杯の愛情を注ぐ。そのためならなんでもする。そんなふうに生きていきたい。人生迷子になったときは、この本を読み返したい。
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空気のおいしいとこまで行かなくても、自分が何を好きで、何を選ばないかを考えることはできるなあと思った。
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ニッチな仕事の考え方がわかる。
著者は最初からある程度狙いを持って実践してうまくいったところはあったかと思うが、その後はひとりひとりのお客様や関係者に支えられて続けてこれたというのは本当のところではないかと思われる。
アマゾンでもしっかり売っているところも隠さずにサラリと述べているところもよくよく知っておく必要はありそうだ。
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この本の存在を「光」と捉える人がいっぱいいるのではないでしょうか?会社への就職という働き方にうまく適応出来なかったけど「ひとり出版社」を興し「好きなこと」を「仕事」にすることが出来た人の幸せな物語です。「働き方改革」をみんな口にするけど、それは「働かせ方改革」「働かされ方改革」でしかない、と感じてきました。しかし、本書には仕事と人生を自分で重ね合わせる本当の「働き方改革」について書かれているように思います。生活のためには仕事をしてお金を得なければならない、という「働かざるもの食うべからず」概念からの脱却が小沢健二の朗読会というのには意表を突かれましたが、でも働くという行為において「should be」の時代から「will be」の時代へのシフトは確実に起こっています。たぶん来るか来ないかわからないけどベーシックインカム時代における働くことの意味の再定義もその文脈にあるのだと思います。急に思い出しましたがバブルの頃のananの特集に「好きな仕事で甘い生活」(記憶不鮮明)というものがありましたが、今は「好きな仕事で長い人生」なのかも…だから、ひとりひとり自分の好きなことをしっかり人生資産にする力が必要になり、それは自分の好きな人と繋がりをもつ力と同じ意味になるのです、きっと。だって著者の起業のきっかけが、好きな従兄弟の死に対して、好きな叔父叔母に寄り添うために、自分の好きな詩を、好きな本にして手渡す、というところから始まっているのですから。著者が庄野潤三の家族に向かい入れられ、和田誠とも深い親交を得えたのは、運ではなく能力でもなく、生き方なのかもしれません。和田誠死去の前に出版された本ですが、彼はこの本を愛したように想像します。夏葉社って初めて知った気になっていましたが、実は夏葉社の本は読んでいたし、積読にも入っていました。キュレーターとしての出版社、もっとチェックしなくちゃ、とも思いました。
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読書愛、書店愛に溢れた一冊でした。ところどころに自分自身を指摘されてるような文章に出会ってドキッとさせられたり、そうなんです!とうなづかされたり。本に出てくる夏葉社の書籍を読みたくなりました。良い本に出会えてました。
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「本を読むということは、現実逃避ではなく、身の回りのことを改めて考えるということだ。自分のよく知る人のことを考え、忘れていた人のことを思い出すということだ。」
「素晴らしい作品は、いつまでも心のなかから消えず、それは内側から生活するものを支える。」
まさに、この本がそんな作品になったなぁ。
社会人になる前、社会人1年目、3年目、仕事が楽しいとき、悩んでいるとき。読むときによって感じ方が違うだろうから、これから何年もかけて読み返すのが楽しみ。
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「良い人に、出会った」と思った。
実際に会ったことはないが、本の中で出会った人に、励まされた気持ちになった。
ひとり出版社「夏葉社」の島田潤一郎さんの著書「古くてあたらしい仕事」は、
島田さんが、これまで取り組んできた仕事について書いたエッセイ。
出版社を立ち上げたきっかけや、最初に出版した本、著者や装丁者、出版社や書店の人のことに触れながら、
「何を大切にして、仕事をしているか」について書いている。
読み終わった後に、書籍のタイトルを見直して、
今も、昔も、仕事において大切なことは変わらないのかもしれない。
古いと思っていることが、実はあたらしいことでもある気がしてきた。
本書では、「本を読む」ことについて、次のように書かれている。
本を読むということは、現実逃避ではなく、身の回りのことを改めて考えるということだ。
自分のよく知る人のことを考え、忘れていた人のことを思い出すというだ。
世の中にはわからないことや不条理なことが多々あるけれど、
そういうときは、ただただ、長い時間をかけて考えるしかない。思い出すしかない。
本はその時間を与えてくれる。ぼくたちに不足している語彙や文脈を補い、
それらを暗い闇を照らすランプとして、日々の慌ただしい暮らしのなかで忘れていたことを、
たくさん思い出させてくれる。(本書P112)
本を通して、自分を見つめなおすことができたり、自分のことを少し客観視できた経験がある。
読書が、囚われていた観念や感情から自分を解放するきっかけになったこともある。
読書を通じて、著者と出会い、言葉や思いを交わしたような気持ちになることもある。
「古くてあたらしい仕事」は、
自分自身の仕事や、時間の使い方、人との関わりについて、
改めて見直す機会をくれた一冊だった。
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【いちぶん】
必要なのは、知性ではなく、ノウハウでもなく、長い時間だ。現実に流れる時間とは異なる時間を、自分以外のどこかに求めること。そうすることで生きることはだいぶ楽になる。素晴らしい作品は、いつまでも心の中から消えず、それは内側から生活するものを支える。
(p.193)
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これすごい好きだな。あっという間に読んでしまったけれど、この先何度もふと読み返してしまうと思う。
きっとその度に、その時々の自分の身の回りのことに思いを馳せながら。確かに…本を読むというのがどういう事かを、初めて言葉で認識したような気がする。そして私も読むこと云々の前に、本のあの見た目が、佇まいが好きだな。
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「最近こういう内容の本が多いなあ」が
最初の正直な感想です。
悪い意味ではないです。
「本が売れない」と言われる現代で、自
分が本当に心から「世に出したい」と思
った絶版本を、復刻させて販売する会社
を一人で営む社長の話です。
多くの人に届くもの、ではなく誰か一人
でもいいので心に届けばよし、として愛
情込めて本を作ります。
その本を世に出す想いは、スピード社会
大量消費社会の反動と言えます。心に響
きます。
著者が自身の子に望む「立身出世でもな
く、社会的な成功でもなく、身の回りの
人を助けられる人になって欲しい」とい
う言葉が、この本の全てを表していると
思います。
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社会に馴染めず、普通の会社で働くことの難しさから、独立して出版社・夏葉社を立上げる。
何冊売れたとか、ベストセラーとか、そういう本の売り方ではない。
自分が再び世に出したい絶版本をよみがえらせる。
最近では独立系書店が増えてきた。
店主の性格が表れた棚、リトルプレスを置いていたりもする。
本を売るという仕事は古くからあるが、新しい可能性もある。
仕事とは何かを素朴に問いかける。
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見栄を張らず、自分に合った仕事
希薄になっている人と人との関わり
焦らず自分の人生を全うしたいと思った_φ(・_・
2020/6/27 ★4.4