投稿元:
レビューを見る
メモとりつつも2時間で読了。ウィリアムモリスってあのウイリアムモリスなんだけど、人生の後半は社会主義に傾倒してたんだってさ。内容よく読むと、おそらくその頃のイギリスって資本主義待ったなしで加速していた頃だから、その流れに抗う考えが強くなるのは何となくわかる気もする。
ウイリアムモリス自身は自分のことを芸術家というよりも職人だと捉えていて、本文には同じように職人として小美術(装飾)をやっている人たちに語りかける内容が多かった。「装飾芸術とは、人間労働をおいしくするための甘露である。」
投稿元:
レビューを見る
とても良い本でした。
ウィリアムモリスの壁紙しか知らなかったので、こんな活動をしていた方とは全く知らず、でも、タイトルに惹かれて読みました。
100年以上前に書かれているのに、モリスが危惧していた状況は全く良くなっていません。むしろ、悪くなっています。
素朴で平等な社会のために、私も自分にできることをしたいと思いましたし、この本を少しでも多くの方に読んでほしいです。
投稿元:
レビューを見る
ウィリアム・モリスをアーツ・アンド・クラフツ運動の人というざっくりとした括りや壁紙・生地の人としてしか意識してきませんでした。
著作を読んで、ようやくどのような思想や労働感を持ってデザインを含む様々な諸活動を行なっていたのかを垣間見た気がします。モリスの思想背景を知る一冊。
投稿元:
レビューを見る
いやいや、こんな本があったとは。
本当に素晴らしく、デビット・グレーバーの「ブルシット・ジョブ」並の衝撃を受けましたよ。
しかも130年前の思想だとは。
ちょっと抜粋。
・・・
幸せな労働は変化に富み、創造の喜びがあり、人に役立つ実感がある
現代社会は大多数の人間の不幸せな労働で成り立っている
文明社会の労働は、不平等に配分されている。
階級は二つに分かれ、一方が他方の労働によって維持される。
少数者による強奪と浪費こそが、多数を貧窮の中に閉じ込めている。
一方には適切に使うことすら無理な大金を持つものがいて、無駄が作られる。
他方には、良品など買えない貧困層がいるから、粗悪品という無駄が作られる。
楽しく意味のある労働を獲得しようとするなら、取り除くべきは、この体制だ。
・・・
昨今、資本主義が曲がり角に差し掛かっていると盛んに言われますが、モリスの本には資本主義アップデートのヒントが詰まっていると思います。