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前著「幼児のない旅」に続き、旅のエッセイ
集です。
今回は目的を持ってその地へ行くという内容
ですが、その目的は「一生モノを見つける」
「古い町をぶらぶら歩く」など、観光案内に
は出ていない場所をゆっくりと訪れます。
まさに旅の達人の一冊です。
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伝説のタウン誌『谷根千』の編集人として活躍し、その後、評伝などを中心に数多くの作品を上梓してきた著者。
これまでの長い作家活動の中で、さまざまな媒体に発表した紀行文の中から選りすぐったものを一冊にまとめた。
町歩き、聞き書きの名手ならではの、いまでも色褪せない紀行文集。
人に出会い、町に出会い、風景に出会い、美味に出会う……
旅がとりもつ不思議な縁を滋味あふれる文章で紡いだ旅の傑作選。
全て単行本未収録。
久しぶりに著者のエッセイを読んだ。こういうご時世だからこそ、じっくりと楽しんだ。
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おいしい食べ物とお酒。
いいもの、いい湯、いい町、そして人。
目利きたる森さんがみつけて、文章にする。
この約20年に発表した文章を集めたのが本書。
石見銀山群言堂。
肌触りの良い綿スラブローンや麻。
たしかにそれは気になる。
高級日本酒に使われる特別なコメ、山田錦。
森さんは農家を訪ね、話を聞く。
米は肥料をやりすぎると倒れる。
夜になっても30度から落ちないと、稲が「あえぐ」。
その道を究めている人ならではの、深い言葉が紹介されていく。
終わりの方は、東北地方が多く取り上げられる。
森さんのお母さんが鶴岡の人であることもあるし、震災をきっかけに訪問するようになったこともかかわっているようだ。
地元の人に話を聞く。
鉄板マップを作り、碑巡りをする。
土地の歴史に思いをはせ、当地の食べ物を楽しむ。
これだけで、東北の魅力が伝わってくる。
ほんとうに、この人の巻き込み力はすごい。