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不思議な文体。コロナで人のつながり断たれる今、東京を人が集まれば知恵が集まると人間の整理箪笥にしようと奔走した明治の建築家の伝記。何ともタイムリー。最後はスペイン風邪で大往生。
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東京駅が大規模改修を終える今、面白かったねぇ~日本銀行・東京駅を設計して建てた辰野金吾は、佐賀の下級武士出身で、英語学校の教師としてやってきた東太郎が東京に帰るのを追って、東京に出て、工学校の一期生となり、同郷の曾禰を差し置いてイギリスに留学し、帰朝して師のコンドルから、日本銀行の建築仕事を奪い、曾禰の紹介で中央停車場の仕事を得た。国会議事堂の仕事に掛かりつつ、スペイン風邪で死去する~久し振りのフィクションで丸一日で読めました。やっぱ、フィクションは盛り上がってイイ。スペイン風邪はアメリカが初源地だったんだね、へえぇ
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ドイツでちょっと公園を見てきた経験がある本多静六さんが、日本の公園づくりを押し付けられていたのがなんとも。
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家康で江戸を建てた著者が辰野金吾で東京を作ったか。
ざっくばらんな文体が主人公の性格やふるまいによく合っている。
高橋是清の、日銀建設時の裏方を含めた意外な経歴は知らなかった。
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江戸から明治なのに政治家に比べあまり知られてなかった辰野金吾ですが、日本近代建築の父と言われ、人間的で魅力的な人物です。田中角栄みたい。
東京駅や日本銀行を設計した辰野金吾の生き方に
明治人としての辰野の気概を感じました。近代日本、特に東京の風景を形作っていった人々の物語を興味深く読了しました。伊藤博文や高橋是清も出てきます。是非お読みください。おすすめです。
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建築家としての辰野金吾というより、明治の男としての辰野金吾の話だったかな。もう少し建築と作品に焦点を当てた伝記に近いものを想像していたので、少し期待外れ。また著者の狙い過ぎた文章表現も食傷気味。
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『家康、江戸を建てる』で、江戸の誕生を描いた門井慶喜が、今度は近代都市、東京の誕生を描く。
東京駅の生みの親、辰野金吾の目線で東京の誕生を見る。
少し、展開が早すぎたような気もする。
上下巻くらいの長丁場で読みたかった。
今まで読んだことがない題材だったので、その部分が少し残念。
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明治の建築家の辰野金吾を描いた歴史小説。
建築史には疎いので、このような歴史小説はうれしいです。
歴史上の著名人との絡みもあり、歴史好きにも受けると思います。
この時期の自分が好きな人物の高橋是清との意外な接点についても不勉強でしたので、大変うれしいです。
建築物のエピソードとしては日銀本店と東京駅くらいしか描かれていないので、もっと他の建築物のエピソードや曽禰氏の建築物も対比させていくとこの時代の建築史の勉強にもなるのではないかと思いました。
ラストはスペイン風邪による逝去となるのですが、現在のコロナ禍のため大変身近に感じるものでした。
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「銀河鉄道の父」以来の
読者です
隈研吾さんの本を読んでいて
何度も出てきた日本の建築家
ということで
辰野金吾さんを知りました
ぼんやりと
「東京駅」を設計した人ぐらいの
認識でしたが
いやいや
この本のおかげで
「江戸の風」ならぬ
「明治の風」に
包まれたような気にさせられました
作中に登場する
人々もジョサイア・コンドルさん、高橋是清さん、
品川弥次郎さん、渋沢栄一さん、
川田小一郎さん 等々
あの時期の人々の様子も
また 興味深く読ませてもらえました
そして
このコロナ禍の今、
その当時の流行りの感染症、スペイン風邪で
辰野金吾さんが斃れられたことを知ったのは
なんということでしょう
いやはや感慨深い一冊になりました
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国家のために働く男の生きざまのすばらしさよ。
日本の近代建築を牽引した辰野金吾と
その周囲の人々のお話。
江戸から明治にかけて、
日本の未来のために働く人々の話は、
どの作品でも熱量がすごい。
今の自分と同年代くらいのはずなのに・・・
それでも、いつかその人たちの時代も終わり、
次の世代にバトンは渡る。
切ないけれど、それが世の常。
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東京駅や日本銀行などを建てた明治の建築家・辰野金吾の一生を描いた作品です。
日本銀行の設計の仕事を得るためになりふり構わず師であるコンドルを貶める厚顔無恥。コンペと言いつつ全ての選定委員を自分の部下に占めさせる強引さ。ただ、そうした場を離れれば稚気溢れる人だったらしく、沢山の教え子を育て、多くの人に敬愛された。
自分より年齢が若い明治という新国家を育てる為に、例えそれが自分のやりたい事と違っていても、国が必要とする仕事に邁進した明治の第一世代の一人。そんなエネルギッシュな辰野金吾が描かれる一方、後半にはかつて師を排除した辰野が教え子から「もはや古い」と弾劾されたりもします。
後に日銀総裁、大蔵大臣、総理大臣と出世して行く高橋是清、三菱の創始者・岩崎弥太郎の懐刀で日銀総裁の川田小一郎、若い頃からの金吾の友人でライバルで常に紳士だった曽禰達蔵(コンドルと共に丸の内の三菱一号館等を建築)など、個性的な登場人物も楽しい。
400ページ越えのやや厚めの単行本ですがすいすいと読めます。
口に出さない当人の考えをインデントや()で括って差し込んでいく文体は、池波正太郎によく似て非常に軽快です。ただゆったりと柔らかく余裕を感じさせる池波に対し、門井さんは前に前にと進める推進力があります。実に読み易いのですが、その分、人の描かれ方も軽くなってしまう様にも思えます。
門井さんは初読み。『銀河鉄道の父』で2018年に直木賞を受賞されてるのですね。
裏表紙の著者紹介を読むと、元々建築物や都市建築に興味がある方のようです。
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東京駅を設計した辰野金吾氏のお話です。江戸時代が終わり、50年の間に日本銀行本店や中央停車場が東京の新しい顔として建築され、一丁倫敦が生まれます。侍が闊歩していた武家屋敷が一気に近代化されていく様子がすごいです。近代化と建築美へのこだわりが生んだ近代日本の街並みを、一度でいいから目にしてみたいです。
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個人的に、重厚、顰めっ面しく、その時代でも保守的であった、という印象を持っていた辰野金吾。このストーリーの中でもそのような一面が感じられた。とはいえ江戸、明治から大正の時代に日本を作り上げていこうという意気を持って自分の力で戦った人の人生をなぞるのは楽しい。
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時代の変わり目で、流れを作る人。
でも時代は流れて変わっていくことから、新しい時代からは脱落していく。
それが新陳代謝なのだろう。
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日本銀行、東京駅他、近代国家を象徴する建物を次々と設計した明治の建築家辰野金吾。
佐賀の偉人です。
下級武士から身を立て、洋行し、師コンドルを蹴落としてでも日本人建築家による首都作りを目指した男。
東京を歩いて、実際に建物などを観てみたくなります。
当時の丸の内、東京駅の重要性が分かりました。