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日本銀行、東京駅他、近代国家を象徴する建物を次々と設計した明治の建築家辰野金吾。
佐賀の偉人です。
下級武士から身を立て、洋行し、師コンドルを蹴落としてでも日本人建築家による首都作りを目指した男。
東京を歩いて、実際に建物などを観てみたくなります。
当時の丸の内、東京駅の重要性が分かりました。
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人生をかけて何かを成し遂げるっていう話はやっぱりいいですね。
薄っぺらくない。内容に厚みがある感じで。
建物を見るのも結構好きで、辰野金吾は外せないですよね。
東京を代表する建物と言ったら、やっぱり東京駅。
明治の時代にあれを作ったなんて信じられない。
関東大震災でも壊れなかったなんて・・・
この時代の建築家たちは本当に素晴らしい。
こんな破天荒な男の家族も大変。だけど、いい家族だった。
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2020夏の文芸書フェア
所蔵状況の確認はこちらから→
https://libopac.akibi.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2001010712
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好きだからやるというのではなく、時代が、見えざる何かが求めるから、一身に邁進していく志は尊いなと思いました。根底に「好き」はあったと思うけど、それ以上の駆り立てる何かがあって、心酔してしまう力のある偉大な人だと感じました。
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たんに辰野金吾の評伝として見ると、ちょっと物足りない部分もある。でもこの作品では、彼に関わる人々が魅力的に描かれていて、飽きさせない。師のお雇い外国人コンドル、生涯の友・曽禰達蔵、長子でフランス文学者の辰野隆、娘婿で医学者の鈴木梅太郎、ライバル妻木頼黄、そして高橋是清。ラストで彼らとの交わりが総まとめされる展開は立体的で、カタルシスが得られた。こういう一代記は最後尻すぼみになってもしかたがないのだけど、ちゃんとクライマックスを作ってくれるところがさすが門井慶喜さん。期待は裏切られなかった。
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辰野金吾の人間性には最後まで共感できなかったけど、金吾を通して描かれているクリエーターならではの破綻気味の人間性や、複雑な思考などは分かる気がした。
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東京駅や日本銀行本店など近代建築を造った辰野金吾の生涯の話。建築家として江戸を東京にした人物。門井慶喜の歴史小説はやっぱり面白い。
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おもしろい。420ページの厚い本だが、セリフが多いのでスイスイ読めた。
主人公は日本初の建築家である辰野金吾。下級武士出身ながら明治の代となり工部大学校(現東大工学部)を首席で卒業。その後、日本人初の海外留学を経験し、日本銀行、東京駅、両国国技館など日本を代表する建築物を設計。建築学会の会長まで上り詰めた。
本書のおもしろさはこのようなきらびやかな経歴ではない。その裏にある人間臭さだ。「江戸の街を東京に変換する」という気概で突っ走り、周りの人間をなぎ倒していく。ならば豪傑なのかといえば、実は臆病で意外に他人の目を気にしている。最初から最期まで「この人は天才だ」とは思えず、「俺と同じようにうじうじしてるじゃん」と共感してしまう。
そして死に際は奥さんをはじめ、娘、息子、友人、弟子など関わってきた人すべてに直接お礼を言う。最期まで子どものように素直なのだ。
ただ、その最期の場面で「お前の方が才能がある」とずっと思ってきた唯一の親友に本音を聞いた際、相手がはぐらかすのが納得できなかった。しかし、案外お互いに「お前の方が上」と思い続けていたのかもしれない。それを一生正直に言えないのが男のプライドか。そう考えるとさらに深い内容に思える。
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夫が好きそうだなーと思って、図書館で借り私も読んでみました。
東京駅や日銀を設計した辰野金吾の生涯を描いた作品です。
江戸から明治への転換期に建築によって東京を変えてやろうという気概が伝わってきて若さが眩しいと思うと同時に、なりふり構わず突き進む様には共感できず、姑息なヤツめと思ったり、純粋だなあと思ったり、「それでもなんとなく憎めない」と誰しもが思ってしまう人物像というものがとても上手く描かれていていいなと思いました。
また、自分が師を批判したのと同じように晩年若い弟子から批判される、という部分も時代の移ろいや老いを痛感し、そこで青年期の自分を振り返ったりするあたりも人間臭くてよかったです。
それでいて最期は心置きなく皆にありがとう、と告げることが出来、まあそのあたりはフィクションなんでしょうけど、幸せな人生でよかったね、とじーんときました。
そういう意味では面白い小説でしたが、歴史的な建造物を設計するにあたり、彼自身の思いや苦悩、そのデザインに至るまでの経緯なんかには一切触れられておらず、そのあたりは肩透かし。
辰野式というコトバがあるのだからそこはもっと掘り下げて欲しかったです。
あ、あと関係ないけど高橋是清を尊敬しているので、登場してきて嬉しくなりました。本書でも輝いてた。
それと、金吾が死因がスペイン風邪だったなんて・・・現在コロナ渦なのでちょっと衝撃的でした。
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「家康、江戸をつくる」が面白かったけど、こっちはちょっと読むの疲れた。
サブタイトルは「金吾、東京をつくる」なんだなぁ。
東京駅で有名な辰野金吾、万城目学の「プリンセストヨトミ」でも辰野建築出てくるけど、このふたり「ぼくらの近代建築デラックス!」で辰野建築語ってんじゃん。
「ノースライト」やら隈研吾さんの本やら思い返して、その始まりがこの人なのかと思うとすごいものだね。
東京駅のステーションギャラリーはレンガ壁が一つの作品になっててとてもよきです。
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「家康、江戸を建てる」を読み、面白かったのでこちらも手にとってみた。
辰野金吾の建築家人生を描いた物語。
大名屋敷だらけだった江戸の町を西洋建築中心の"東京"にする、その礎を作った苦労が伝わってきた。
それと、下級武士出身の辰野の向上心(良くも悪くも)も描かれていた。
師であるジョサイア・コンドルもなかなか魅力的に描かれている。
日銀本店と東京駅建設の話が主になっているが、この物語を読んで辰野金吾という人物に興味がわいたので評伝本でも読んでみようと思う。
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建築家・辰野金吾のお話。
建築の技術的な話や難事業の過程詳細はほとんど記述がなく、金吾と周辺人物(といっても歴史に名を残す人物ばかり)の権力争いについての記述が多い。
日銀本店建設中の川田氏からの叱咤、次いで高橋是清の登場あたりまでは何か始まるかもというワクワク感があったがその後は淡々と話が進んだ。
全編通じて、明治以降の日本の建築界の流れやヨーロッパの建築界の流派などは勉強になるが、小説としての読み応えにはやや欠ける。
ただ、こういった歴史的な背景を学んでから見る東京の景色はさぞ豊かに見えるだろうと思うので、一度この本を片手に東京駅に繰り出してみたい。
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高橋是清、コンドル、妻木頼黄
辰野金吾の周辺人物が興味深い。
今の東京の街並みを見て、辰野金吾はどう思うだろう。
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明治維新後、江戸を東京にする。
日銀本店、東京駅、旧両国国技館、など有名な建築物を手掛けた日本を代表する最初の近代建築家、辰野金吾の物語。
名を残す人の中にはこういう破天荒なタイプの人っているよね。
自分を前面に出しちゃうから敵も作ってしまう。
でも認められるだけの努力を惜しまない。
たびたび関わりがあった高橋是清の方がもっと波瀾万丈の人生を送っているので彼の物語も読みたい。
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日本銀行本店と東京駅の設計・建築を主題とした、辰野金吾にまつわる歴史小説。
日銀本店建築の際の、師:ジョサイア・コンドルとの世代交代と、東京駅建築の際の、弟子:松井清足との世代交代が対比的であり、辰野金吾自身を「過渡期の人間」と表現したのが面白い。