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ポプラ社百年文庫、各巻の組み合わせはズルい。確信犯的だ。カポーティに吉行淳之介、ときたら読まずにはいられない。
カポーティ『夜の樹』はおそらく川本三郎訳で以前に読んでいたはずだが、他の短編の印象に紛れていたのか今回新鮮な気持ちで読んだ。吉行淳之介『曲った背中』は戦後の夜の街の雰囲気がくすんだ空気の向こうに見えるようだった。
そして、アンダスンの『悲しいホルン吹きたち』。家庭の事情で子ども時代が急に終わり、「おとなであること」を余儀なくされた少年が、宙ぶらりんな不安な感情でいる様子がとてもよく描かれていた。しみじみと夜に読みたい3篇である。
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1105いくらかに読了
湿っぽくて薄暗くて心細くて、こういうのって読んでてすこし不安でもう読みたくないけどなんか時間が経つとまた読みたくなる
真ん中がすきかなあ やっぱり
湿っぽい気がするのはやっぱり日本の人のだからかな
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カポーティの小説に出てくる人物たちはみんなセルロイドでできているよう.あるいは蝋人形のような...|夜の樹|カポーティ
さらさらとした感触の文章.|曲がった背中|吉行淳之介
訳のせいかもしれないけど,途中で読むのやめたくなった.でもその途中がいちばんこの話を理解できそうな気がして読み進めたけど,結局わからなかった.そんなこともあるんだなぁ...|悲しきホルン吹きたち|アンダスン
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2013.317
『夜の樹』カポーティ
葬儀帰りの夜汽車の中での奇形な2人とのやりとり。読んでる最中ずっと不気味な予感がしている。
これは好きじゃない。
『曲がった背中』吉行淳之介
自分が犠牲になっているのか、罰しているのか、なにかもうよく分からない
、というとこ好きだったな。分からなくするために酒を飲むんだきっと。
これは好き。
『悲しいホルン吹きたち』アンダスタン
自分がもう少年ではいられないと認めた瞬間のたよりなさ。
アメリカ人の書くものはあまり好きじゃないのは偶然か。
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『夜の樹』カポーティ
初期の作品。暗くて汚いようなものの、尋常な世間との接点を描くのは『冷血』にも通じるか。ラストはなんなんだろう。一服盛られたのか。
『曲がった背中』吉行淳之介
この人ってたしか宮城まり子と関係があったような。こういうテイストは日本のちょっと昔の小説には多い気がする。
『悲しいホルン吹きたち』アンダスン
アメリカではそこそこ有名な人だとか。この作品は中途半端な感じがしてしまうのだが。
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「夜の樹」
まだ若く未熟なケイが、暗く醜く愚かで理不尽な世の中にさらされる。
生きるということも、死ぬということも、まだ理解しきれていないケイが、生きるということに必死で、苦しみや悪をもその背中にしょっている、そんな存在に出くわす瞬間の物語。
私には、そのように読めた。
バッグは勝手に手にされ、レインコートをかぶされたことを意識しても、なにもできないケイ。
実に暗く危険な人生の夜を感じる。
「曲がった背中」
曲がるほど、その背中には何がのっているのか。
罪悪感か。責任感か。哀れみか。後悔か。
みんなの行くほうへ行きたがらなかった女。
彼にもその気持ちはわかったらしいが、私にもわかる。
そして、女は、確実に彼には一緒に来てほしかったのだ。
関係があらわになることを恐れるより、自分を選んでほしい。
たとえ火に襲われることになったとしても、自分とともにあることを選んでほしい。
この状況で、自分を一人にするという選択肢など、ないという姿勢を見せてほしい。
人垣を突き破って、空き地で振り返った女は、一瞬でそれらを問うたのではないか。
その夜から、ずっと夜は明けない。
「悲しいホルン吹きたち」
少し読みにくい作品だった。
大人はみんなホルン吹きなのかもしれない。
品よくなんて、生きてられないのかもしれない。
下手くそな生き方でも、みじめで馬鹿な生き方でも。
守られた、それなりにあたたかい家庭から、一人ぼっちで放り出される不安。
それでも、自分に与えられた部屋に安らぎを見出して、日々を重ねていく。
最期の老人の言葉は、独りで歩き始めたウィルの人生への激励の言葉だ。
くだらない人生を背負った男のように見える老人が、実は人生の芯をつかんだ言葉を持っている。
そこに、この小説の深みを感じた。
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一冊に、日本と世界の文豪3人の短編が収録されたアンソロジーシリーズの中の一冊。
どの作家も初読み。どの作品も少し暗く恐い「夜」が描かれています。
アンダスンの「悲しいホルン吹きたち」は、大人になる不安感の表現が巧みだなと思いました。
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『どこか物哀しい、夜の帳の情景、夜の静寂のブルース』
列車内での不気味な夜を描いた「夜の樹」
戦後の安酒場で出会った暗い男の告白「曲った背中」
大人社会への旅立ち(夜明け)「悲しいホルン吹きたち」
夜の物語は、物哀しい雰囲気が似合いますね…
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吉行淳之介、どこかで読んだと思ったら「鞄の中身」に収録されてた短編だった。
アンダスンは「ワイズンバーグオハイオ」の風味。カポーティの「夜の樹」は後味が不思議。