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普段はあまりSF小説は読まないけど、この本はそんな私でもとても楽しめました。
短編集ということでどれもテンポよく、異世界を見ることで自分の世界を見つめ直すきっかけになりました。
楽しい監視社会、人間たちの話、ラーメンの話、no reactionが特にお気に入りです。
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「たのしい超監視社会」ではWEBカメラでお互いに監視し合っているはずが、Youtuberのように見てもらうことに夢中になっていく社会。「宇宙ラーメン重油味」は題そのもので、重油がスープで麺は何か化学繊維?ユニークな発想の6篇でした。
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科学に造詣が深い著者の哲学的な問いが個人的に愉快だった。
現代における一切は所詮「人間たちの話」なのだ。
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まあまあ面白かった。ただ、やっぱり短編が苦手(主観)、なんというか短すぎるのって、居酒屋で出てくる不必要な突出し(おちょこに1杯ないぐらいの量のやつ)ぐらいの物足りなさというか、、。もちろん短くてもみっしりと面白いのもあるんだが。読みノってきたぐらいで終了するので、スーンとなるのだろう。
冬の時代
たのしい超監視社会
宇宙ラーメン重油味
記念日
No Reaction
表題の『人間たちの話』が一番面白かった。ゾワっと怖い。
『記念日』の中で、”うるかす”という語句がでてきたので、やはり作者は北海道か、東北の出身者なのかと思った(どうでもええんだが)、以前読んだ大学生の話でも、福島県の出身という設定であったが、横浜駅SFにしても、西日本よりも東日本、というか北日本についてのほうがリアリティがあるような印象を受けた。これで、実は九州出身とかだったら驚くねぇ。ラーメンはとてもビジュアル的で素晴らしい。
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ほとんどの登場人物がさらりとしていて、だから余計かろやかに感じられたのかもしれない。
(くよくよしない)人間たちの話。
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夕刊で紹介を見てちょっとおもしろそうだと思って本屋で手にとったらカバーがあらゐけいいちでそれが確信に変わった(あらゐけいいちがわかるのは1年前にコミックとアニメで布教してくれたぼーずのおかげ)。
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冬の時代
世界観の説明で終わってしまった感じ。こういう話は長編で読みたいな。
たのしい超監視社会
めちゃくちゃディストピアな感じするけど、若者は何だか楽しそうで宜しいな。
人間たちの話
何だか素敵な話。他の星の生命を見出して騒ぐ側の人間とただ見出されてそこに居るだけの岩石?側の人間サイドの話。
宇宙ラーメン重油味
面白かった。宇宙人が料金の代わりに宇宙生物を置いていくのは21エモンのモンガーを思い出す。もう店主はラーメン屋じゃなくて科学者だよね。
記念日
岩かわええやんけ。藤子F不二雄短編のオヤジロック思い出す。
No Reaction
透明人間は物理に干渉出来ないのか!面白かった。
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殆どの話が面白い、傑作SF短編集。
やはり柞刈湯葉は短編が抜群に面白い。一生面白短編を書き続けてほしい限りです。以下、各話レビュー。
『冬の時代』
傑作。ゆるいポストアポカリプスもの。絶望さえもシニカルに笑い飛ばすノリが最高。
『たのしい超監視社会』
超傑作。1984のパロディであり、完全な監視社会なんて実際無理だよねというネタなのだが、主人公に思想がないのは本家と共通しており、案外ボタンをちょっと掛け違えたら元の1984になるのでは?という気がしないでもない。
『人間たちのはなし』
超傑作。ここまで夢のない地球外生命体発見を描けるだろうか? 人間全体に対するシニカルな目線とそれでも最後は感動的に決着する(ことすらシニカルに眺めているのでは?)展開は、どこかタイタンの妖女っぽさを感じる。
『宇宙ラーメン重油味』
傑作。世界観は一番好き。面白宇宙人と面白ラーメンと分けわからん化学蘊蓄をひたすら受け入れろ。
『記念日』
駄作。
『No Reaction』
良作。語り手が透明人間なのだが、認知すらされないなのでドラえもんの石ころ帽のもっとひどい版みたいな存在。オチがイマイチかな~と思ったが、大オチが良い着地で良かった。
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柞刈湯葉さん、初読。
理系の人の思考回路って、こんなかな…という面白さだった。
「冬の時代」
ご本人による解説で椎名誠さんの作品への言及があり、あーなるほどと思った。過酷な環境下でも淡々と旅を続ける、どことなくトボけた空気の野郎ふたり、って味が…
「宇宙ラーメン重油味」
宇宙人向けのラーメン店に、とんでもない客が…という話。消化管のある奴は全て客!あらゆる宇宙人の嗜好に合わせたラーメンを提供するぞ!というのが面白い。
「ゑゐり庵」が、どんな宇宙人相手でも日本蕎麦!なのとは対照的なこだわりの一杯ですな。
「たのしい超監視社会」
あー、なんかもう、ありそう。ディストピアっぽいのに、なんだかんだで適応して楽しくやってる人々。噂話と覗き見が大好きな人には、本当に楽しそうだ。
私はあっという間に評価下がりそうだ…
「記念日」
結局、謎の巨岩についての謎解きもなく、中から美少女が出てくるとかでもなく、謎のまま部屋の中にある物体。シュール。まさにマグリット的。
でもなんだか、ホッとする一編。
…感想を書いてたら、やっぱりかなり面白がっていた自分に気づいた。
次の作品も、もっともっと読もう!という感じではなく、ちょっと珍味というか、たまたま見かけたらつい手に取りたくなりそうな、不思議な味。
短編なのも良かった気がする。
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『横浜駅SF』を読んで早二か月、ようやく読めるタイミングが(時間的にも、SFマインド的にも)めぐってきましたよと意気揚々と読み終えました。面白かった。
『横浜駅SF』の時にも感じたユーモアがこちらにもちりばめられていて、読みながらニヤッと何度もしてしまった笑
「冬の時代」ポストアポカリプス小説、最近読んだところだと『献灯使』なども思い出しながら、川端のあまりにも有名な『雪国』を踏まえてみたりと、にやっとしながら読んでいた。
「たのしい超監視社会」
いやあ解説にも書かれているが、我々が戦わなくてはならないのは「たのしい監視社会」なのだよね。本当に。二作目はオーウェルの『1984年』かwと笑ったもつかの間、「ピッグブラザーwwww」とさらに笑わせていただきました
「人間たちの話」一番好きだった
こういう日常というか人生とSFが上手く交わる話、とても良い。。
「宇宙ラーメン重油味」
こういうのも好きです笑 ラーメンが無性に食べたくなる
「記念日」マグリットの絵からこの話が生まれるのだな
「No Reaction」透明人間の話
他の短編集も読んでみたいと思いました。
最後にカバー表紙を見てみて、おおっとなりました。読む前は「かわいいイラストだな~」くらいだったのですがちゃんと全員登場人物!!かわいい!!と読了後の愛着のわき方がすごいです。ちゃんと透明人間の僕までいるし、ジローさんとマルチャンまでいるんだもの!欲を言うなら、脂でラリってるタカナも見て見たかった笑
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柞刈氏は色々あって食わず嫌いをしていた作家さんなのだが、最近増えた国産SFのアンソロジーで、よく名前を見かけるようになり、読んでみるとどれもおもしろい、と言うわけで、個人短編集に手を出してみた。「ベストSF」の類いに選ばれる作が高水準なのは当たり前だが、それ以外の作も素晴らしい。理系研究者出身の作家さんらしい、少し冷めた感じのユニークな世界観・人生観・モラル感を感じさせることが多い。よくあるパターンでは、その辺が選民意識に繋がってしまってダサいことになるのだが、それをすり抜けるように回避しているところが実にクール。「記念日」や「たのしい超監視社会」みたいに、筋は要約しにくいのに、テーマは明快な作が多いのも印象深い。
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SFあまり読んでこなかったけど、すごい面白かった
とにかく、世界観の作り込みというか納得感がすごい土台の上で展開される話がどれも面白いから読んでて楽しかった
1番お気に入りは「No reaction」
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SFであることは間違いないのだけれども、パロディやおふざけの傾向が強い。
軽くて浅い。いや、読み終わってから少し間が空いてしまい、読了直後の管区が薄れてしまったのでもはや分からないが、そこまでけなすほどではなかったかもしれない。でも物足りない読書体験であったことは確か。
今受け入れられているSF作品がこういうものだとすると、自分は現代のSFファンではないのかもしれない。
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「冬の日」
玉兎とか、廃墟で動き続ける警備ロボットとか、好きです。
「たのしい超監視社会」
笑える(笑えない)という気持ち。
「人間たちの話」
これは好きな話。
突き放しているようでいて寄り添っている。
「宇宙ラーメン重油味」
科学オンチなので色々なことがよく分かっていないだけに、こんなスケールでラーメンを!?という楽しさを感じた。
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この作品「人間たちの話」で、当面は柞刈作品の読書は凍結します。これ以上、柞刈禁断症状がひどくなると、社会復帰できません。柞刈作品には限りがあります。全部読みつくしたら一体どうするんですか?ここは心を鬼にして打ち止めにします。
さて、気を取り直して各作品を思い返し、コメントを書くとするか。
〇 「冬の時代」
超未来の話って、人間の数が極端に少なくなる場合が多いので、落ち着いて安心して文章を読み続けることができる。ちょっと気になったのが、冬眠器の中にいる女性。これを膨らませれば続編が見られるな、というスケベ心が湧き上がる。でも、それをしないのが美徳なのだろう。
〇 「楽しい超監視社会」
私個人としては監視社会は問題ない。なぜなら、心にやましい所が無いから。反体制派を弾圧するならお好きにどうぞ。地下に潜って体制を転覆させるゲリラになってやる。それが怖ければ、俺の言う事を制限するな!なに?偉そうに、お望み通り潰してやるだって?超監視社会を乗り切れる薬って無いのかな。そんな都合の良い薬ってあるわけないか。などと、とりとめのない話のスパイラルに陥ってしまいました。
〇 「人間たちの話」
その作品は、以前、他のアンソロジーで既に読んで感銘を受けたものなので、今回は読むのをスルーしようかと思ったが、2回目の読後感がどうなるかも気になったので再読した。その結果、更に柞刈作品のドはまり度が加速する結果となった。それだったら、読まない方が良かったかもしれない。
〇 「宇宙ラーメン重油味」
所謂、ドタバタSF。これまでSF界を引っ張ってきた重鎮・巨匠たちが必ず書いているジャンルである。ドタバタ自体には意味はなく、簡単にストレスなく読めるのがポイント。何かSFって小難しいな、という読者も引き込む目的もある。ジュブナイルも同じ方向性と言える。やはり、何らかの形で売れないと。どんな手段を使っても良いから売れないと。SFファンタジーも百合も同じ方向性。柞刈さんには適当な適切な頻度で書いて欲しい。
〇 「記念日」
ちょっと間違えれば純文学になるであろうという危険な作品。ラーメンと同じく、傍流はほどほどに。
〇 「No Reaction」
透明人間は、「ニュートンの第3法則(作用・反作用)が通用しない人間」との定義。んー-、これは微妙な定義だな。これで小説を組み上げるのだが、「透明」と第3法則との関係はあまりしっくりいかない。ガチガチのサイエンス的批判はしたくないけど、少しはサイエンス的背景を加味して欲しかった。
全体的には、異様に盛り上がる作品はなかったので、心置きなく柞刈作品読破の中断ができることとなった。この本の中に一つでも注目作があったら、またずるずると沼に引き込まれていったかもしれない。さあて、これから沢山ある積読の処理をしないといかん。