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誰が殺されるのかは物語の冒頭で提示されていて、それを踏まえての第一章ともいえる「非日常編」は秀逸。「非日常編」で分刻みで状況が語られている通り、とてもロジカルなミステリーです。キャラの造形や会話がラノベ寄りなところは好き嫌いが分かれそうですが、ミステリーとしての出来はとてもいいです。
ただ解説でも言及されている通り、ロジックに拘るあまり動機面の追い込みがとても浅い。そういったところまで踏み込んでいければ、いい作家さんになりそうです。
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ラノベかと思ったら、エラリー・クイーン並の精緻さを整え、尚且つキャラを立たせてぐいぐいと読者をのめり込ませるなんて、新人さんにしてはお見事!先が楽しみ!閑寺クンの弱さが痛々しい。が、もっとキャラ立ちしててもヨカッタ。もっと弱い情けない男の子に(笑)
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謎解きパートは面白かった。可能性と時間を詰めていくところ、なかなかワクワクします。雰囲気としては古典部シリーズに似てるけど、殺人起きるし、前半文化祭パートが軽くてキツい。ボケツッコミ満載の高校生キャピキャピトーク(死語)についていけない。そこに耐え、捜査パートを乗り越え楽しい解決パートにたどり着けた、という感じ(すみません)。動機の説明もちろんありましたが、納得できかねるかな。
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動機がひどい。それはないだろうと思う。パズルがうまくできたから、理由は後付けでいいやと受けとれる。学園物だけに、この動機にするならもっと納得のいくストーリーが欲しかった。
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高校生探偵2人組が学園祭での殺人事件解決に挑む。
推理解決に至るプロセスは本格的だが、友情や恋愛も散りばめられてるのが味噌と言えば味噌。
但し中途半端。
推理は素晴らしいけど犯人が判っても『こいつ誰だっけ?』と思ってしまう。
最後の尻切れトンボなラストも、よくわからない。
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似鳥さん風で好み。探偵役が皆を集めて謎解きをした後の展開も好み。殺されたタイミングはあそこだろうとは思っていたので、そこまではっきりされちゃったら浮かれてた主人公にはきつい…。
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お勧め度:☆6個(満点10個)2020年第18回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。読み終えて、すっきりはしたけど、いささかこじつけみたいな気がしてくる。あまりにも論理的な展開に少し引いた。単純に言えば、高校の文化祭で起きた、「お化け屋敷」での殺人なんだが、細部に拘りすぎて、動機とかが薄くなっている気がする。殺人にいたるまでの経緯が最初にあっても良かったのではないかと思う。死亡推定時刻を中心に展開される推理は凄いけど、いまいち腑に落ちない点が多い。まあ、面白いから良しとしよう。最後はあっけない。
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図書館で借りた本。
主人公の語り手は男子高校生。文化祭の日、密かに好きだったクラスの女子が絞殺死体で発見される。実はこのクラスはお化け屋敷をやっていて、首吊り死体の役を演じていた。彼女はいつから本物の死体になったのか。
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高校の文化祭の最中、お化け屋敷で絞殺された女子生徒。彼女に焦がれていた主人公と探偵役のクラスメイトが犯人を理詰めで推理していくフーダニット・パズラー。作品の読み心地は軽いのだけれど、細かな要素をつなぎ合わせて論理を詰めていく過程は軽くありません。だって分刻みで犯行時刻を推定するって、細かすぎるでしょ!
伏線はあからさまな部分が多いのでだいたい気づけたかな、という印象でしたが。だからといって真相まで自力でたどり着くことはできませんでした。なるほど、そうだったのかー。ただし個人的には事件の背景というか動機の部分が薄いので(どちらかといえばそっち側から考えてしまう傾向があります)物足りなかったかなあ、などと思ったりも。
探偵役の彼女の動機には思わず笑ってしまいました。そして結果にも。いや、そうなるでしょ!(笑) しかしラストの主人公の心境が何ともいえません。爽やかでポップな青春ミステリと思って読んでいたのに(特に問題編は楽しい青春そのものでしたしね)。凄まじく残酷で、しかし理解もできる……なんともいえず寂しい気分が残りました。
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「このミス大賞」優秀賞作品。高校の文化祭。二年二組の出しものである幽霊屋敷の中で起きた殺人事件。首吊り幽霊に扮した女生徒がそのまま首吊り死体となって発見される冒頭から非日常編は特におもしろく、没頭。解決編のロジカルさも好き。
切なさが深いだけに、そこに匹敵する強い動機があっても良かったな。でも、お気に入りの作家さんが増えた。嬉しい。
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久しぶりに挑戦状のあるミステリを読んだ。トリックは緻密なパズルのよう。書評にもあったが、人物描写と動機が薄いというのはそのとおりだと思う。人が殺されたという悲壮感がほとんど感じられない。
2021/3/20
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謎を解くにあたって、広い可能性から着実に答えの選択肢を狭めていき、やがて真実へ結びつけていく。その過程を読むのは面白かったです。学生の頃だったらもう少し共感したら読めるところもあったのかもしれません。
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文化祭で主人公と同じクラスの女子が殺される、といういささかショッキングな事件を級友と推理する、という構成で物語は進みます。
犯人探しの部分はロジカルなつくりになっており、ミステリが好きな読者には楽しめる内容かと思います。主人公がそれまでに見聞きした内容が伏線にもなっており、終盤でそれらがあますところなく回収される構成も良いと思います。
ただ、解説でも書かれている通り、殺人に至る動機の書き込みが弱く、物語としての深みは今一つかも。純粋に殺人トリックを楽しむという観点で読むのが吉、でしょうか。
それにしても”そんな”経緯で殺人に至ってしまうというストーリーはちょっと非現実的ですし、殺人の舞台となった教室における文化祭の催しの設えや登場人物の相関が複雑すぎて”読み込む”のが大変だったな、と個人的には思います。
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このミスには珍しく本格物で、途中読者への挑戦もあったため、それならばとしっかり謎解きを行ってみた。時系列にまとめてみると自ずと犯人や動機、被害者の行動理由などはすぐにわかってしまうが、殺害トリックがあと1ピース分からないところでギブアップし、解決編を読む。その共犯者はちょっとズルいのでは…と思いながらも、謎解きは十分楽しめたので、おおむね満足。探偵役は意外なところを狙ったのかもしれないが、ちょっと共感はできない。全体的に登場人物のキャラが魅力的じゃなかったかな。
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同じ著者の『観覧車は謎を乗せて』が気になり、デビュー作も評判とのことでこちらを先に。
今っぽい。
まず、ミステリ以外の部分の話を。
文体の軽妙さが、似鳥鶏のそれにも通じる、もしかしたらより「若さ」のようなもの、現役に近いものを滲ませていて、ライトノベルではないギリギリのところを突いている感じがした(著者が意図しているかは分からないけれど)。
題材が高校の文化祭ということで、お祭り的な雰囲気も手伝っているかもしれない。
そもそも、文化祭の一日(またはその期間)に事件が起きるミステリというのはままある設定かもしれない。それこそ、似鳥鶏作品にもある。
文化祭の非日常性と、殺人事件というのは相性がいいのかもしれない。
肝心なミステリ要素について。
不可能性を厳密に厳密に精査して犯人を絞り込むところ、裏表紙の『フーダニット・パズラー』の文言に偽りなし。目立った破綻もない(と言えるほど、ちゃんと理解も出来ていないが)。
動機がやや弱いとは思うものの、逆にリアルなのかもしれない。
エピローグの最後、切なくてとても印象的。