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人気歴史学者・本郷和人氏と細川家・明智家の末裔である細川珠生氏がNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公、今一番ホットな戦国武将明智光秀の実像に迫る。
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今年(令和2年)の大河ドラマは久しぶりに見ています。かつては裏切り者のイメージで描かれることが多かった明智光秀ですが、今回は主役で登場とのことで楽しみにしています。
今年は例年になく光秀モノが本屋さんで目につきますね。私がこの数年追いかけている本郷氏と明智光秀を祖先にもつ、細川女史との共著の本を見つけました。明智光秀には多くの謎がありそうですが、この本では10の謎に絞って対談形式も含めた形で本が構成されています。
大河ドラマのクライマックスで本能寺の変をどのような経緯で描くのか、恐らく最新の研究を踏まえてのことだと思いますので、それまでにこのような本を呼んで予備知識を蓄えて置いてドラマを楽しめるようにしたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・鉄砲が戦場で実用化される以前、主流の武器は弓矢であった。敵と近距離で対峙せずに遠くから矢をいることで恐怖心なしに人を殺すことができる。しかしその代わり習得するのはとても難しい。だから武士の子弟は皆、幼い頃から弓矢の鍛錬をする。それに対して、刀の場合は恐怖心がありなかな人を殺せない。鉄砲は遠距離で使えて恐怖心もなし、習得するのも難しくない(p30)
・義明一派は皆、細川藤孝の家来になる。松井、米田、飯河、沼田など。義昭の元から袂を分ち、織田の家臣となった細川家がまとめて面倒を見ている(p42)
・歴史なんていうのは、やっぱり現在の私たちの生活に置き換えてみるのが一番わかりやすい、人間の根本はそんなに変わらない(p50)
・義昭側から信長側に移るに際して、長岡を名乗っている。藤孝の葛藤があるのかもしれない、細川の姓を名乗るのは関ヶ原の後である(p52)
・当時の武士たちは常に、自分の行動に正当性を与えてくれる人物の存在を意識している(p64)光秀はほんのうじのへんに対して自分の行動の正当化をしていないので、光秀に味方する武将がほとんどいなかった。光秀の私利私欲と思われたのだろう、黒幕もいなかった(p66)
・日本史を何のために勉強しているか、人間はどう生きるのか、社会とは何か、といったことを解き明かすためである。歴史上起きたことは、どういう意味を持ち、どういう関係があったのか、さまざまなことを明らかにしていった上で、その結果として「生の権力が安定するためには何が必要か」が問われ、答えを導き出していくことになる(p70)
・権門体制論とは、日本の中世には天皇がおりそればいわば王であり、公家と武士、そして寺が王権を支えているというもの。公家は政治、武家は軍事、寺は宗教・信仰で支えているというもの(p71)
・申次とは、そもそも鎌倉時代から存在した役職で、西の天皇と東の幕府をつなぐ役割を果たしていた。当時は関東申次と呼ばれ、西園寺氏が独占していた。鎌倉幕府の意思は、必ず西園寺氏を通じて朝廷に届けられた。鎌倉幕府の意思を繋げるのは西園寺氏のみとなるので、朝廷のなかで一番権力を持つようになった。この申次は、室町幕府、織田政権、豊臣政権にも非常に重要な役割を果たしていた(p76)
・是非に及��ず、の解釈は従来の「光秀のような有能な武将が攻めてきたらまずにげられないので観念して死のう」ではなく、「光秀を今の地位に引き上げたのは他でもな自分なのだから、そんな光秀にやられるのなら仕方ない」だろう(p84)
・光秀はもしかしたら、いつか家なんてなくなってしまうものだと思っていたのかもしれない、だから御家の存続なんかよりも、家来たちに明智を名乗らせて、血縁に限らず明智を増やし、明智一族を総体として残したかったのかもしれない(p115)
・麒麟というのは中国に伝わる想像上の動物で、世の中が平和に治った時に、それを祝福して天帝がこの世に送り出す。光秀が主役でこのタイトルということは、信長は麒麟ではなく光秀こそが麒麟であると主張している(p160)
・光秀が「三日天下」になった誤算と言うのは、やはり秀吉の中国大返しという予想がに早い奇人と、味方についてくれると思っていたはずの細川藤孝の裏切りだった(p186)
2020年11月30日作成
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明智光秀について、歴史学者と光秀末裔との対談。子孫として、光秀を、正義の人と捉えているのが興味深い。
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明智光秀にまつわる謎を、歴史家の本郷和人と明智光秀の子孫が語った一冊。
明智光秀に関しては諸説あるけれど、読みやすくて参考になった。
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光秀の謀反が、「てへぺろ」だったなんて…!!
面白い説ですね。
けど、それを確証はおそらく不可。
光秀は私たちにとんでもない謎を残してくれました。
本能寺の変の理由は、イロイロあるけれど。
あんがい、理由はなかったのかもしれない。
自分も全ての行動を説明できないし。
こんな大きなことをしでかした光秀も、矛盾なく説明することは無理だったのでは…?