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やり残しの家、切なかった。原爆は本当に怖い。恐ろしい。
手塚治虫の少年時代をモデルにした作品も良かった。本当に大好きで描いていたんだろうなあと思った。歌手を目指してた女の子は、顔にやけどを負って夢を絶たれてた。
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人が無残にあっけなく殺されていくのが「戦争」。
戦争がはじまったら安全な場所はない。
戦争をしたいと思うのは、自分は戦場に行かないし敵の攻撃も受けず安全だと信じている人。
第二次世界大戦で負ける(つい75年程前)まで日本も徴兵制度があった。
手塚治虫さんも、男子が兵隊になるのは名誉だと教えられていた時代を生きていた。
戦争が終わり生き残っても、大けがや重い病気や親を亡くしたりして、もとのように暮らせない人がたくさんいた。
原爆の放射能を浴びて白血病で苦しむ人、戦地で片腕を落とし仕事を失った人、戦争孤児どうしで力を合わせて生き抜いてきた人。
そんな人たちを通して戦争の悲惨さを描いた作品を集めている。
敗戦当時は「戦争はもうこりごりだ」と誰もが思ったはずなのに、戦争を知らない子ども達が大人になってまた戦争を繰り返そうとしている。
ウクライナでの戦争も落としどころがなく長引きそうだし、中国や北朝鮮も軍事力で挑発を繰り返している。
日本も、某内閣が閣議決定という国会での議論を尽くさない強引な手法で、集団的自衛権という「戦争を合法化」する仕組みを作ってしまった。
環境破壊を繰り返しエネルギー源や食料などが不足すると、分け合うのではなく奪い合いをする人間という生き物は愚かだ。
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ロシアのウクライナ侵攻のニュース映像を見ていて、なんだか実感がわかず、戦争について知りたいと思い手にとった。
市井の人びとが夢や未来を奪われてしまう。今現在このようなめにあっている人がいると想像すると恐ろしくてたまらない。
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昭和19年、戦局が厳しくなっていく中、軍事教練で落ちこぼれ、軍需工場で厳しい労働を課されても、マンガを描くことをやめない少年がいた。マンガを通じ淡い恋も芽生えたが、激しい空襲に見舞われ……自伝的作品の傑作「紙の砦」を始め、戦後の飢餓状況を描く「すきっ腹のブルース」や、原爆による放射線障害と闘うブラック・ジャックを描いた「やり残しの家」など、戦争とは何かを考える6編を収録しています。
手塚治虫は戦争をテーマにした漫画をいくつも描いている理由として、「当時の状況を体験として、つぶさに知っている人間は、若い一たち、子どもたちに”戦争”のほんとうの姿を語り伝えていかなくては、また再び、きな臭いことになりそうだ」という不安からだとエッセイ集で述べている。「女も子どもも無残にあっけなく殺されていったのは、ついこの間の厳然たる事実なのです。」
(『はじめに』より)
手塚治虫の短編漫画をいろいろ読んでみたいと感じた。シンプルで読みやすく、ずしんと重い。そして漫画としてテンポはよく、てんてけマーチは臨場感があってワクワクしながら読んだ。見せ方が上手い!!
◎やりのこしの家-『ブラックジャック』よりー
(内容)頑固者の丑五郎は腕のいい大工である。ブラックジャックが購入した家の修理を、家を建てた本人である丑五郎が修繕したいといって聞かない。威勢よく作業を続ける丑五郎だが、ある日倒れてしまい・・。
広島の原爆投下により原爆症となった人の話。原爆症により数十年後に発病した人がいる。おなかの子どもに影響が出た人もいる。原爆症を理由に就職や結婚が出来ず差別された人がいる。戦争が終わってからも続く原爆の恐怖について描かれている。
◎てんてけマーチ
(内容)
タイコ打ちの祖父が、跡を継いでタイコをたたけという遺言を孫に伝えてこの世を去る。だが孫の三兵はタイコをたたくよりも兵隊に行きたい。そんな三兵も少しづつ成長し、立派なタイコ打ちに成長する。しかし戦争がはじまり、三兵に赤紙が届き・・
日本に徴兵制度があった時代を描いた作品。兵隊になることは名誉だとされていたが、実際に戦争に行くといくことはかっこいいことではない。たくさんの人が死に、病気になり、大けがをして戦争が終わってからももとのように暮らせなくなった。この作品は平和な時代が訪れ、ハッピーエンドに終わる。平和がいつまでも続きますように。
〇1985への旅立ち
(内容)
戦争で親を亡くした孤児、浮浪児の数は、戦争が終わって3年後の1948年度の調査によると全国で3万5000人いたそうだ。この漫画は、浮浪児がタイムリープして40年後の世界(日本が経済規模で世界第二位にまでなっていた1985年)にやってくる話。主人公は、過去の苦しみや悲しみを忘れて戦争のおもちゃを子どもたちに売る自分の未来の姿に愕然とする。
◎カノン
クラス会の通知が届いた加納は自分の母校を訪ねる。
5年前に廃校になったはずの学校には、クラスメイトや先生��ちが昔の姿のままいて、自分を昔のあだ名、「カノン」と呼び掛けてくれた。カノンは素敵な時間をクラスメイト達と過ごしたが、彼らは空襲に襲われて学校で死んでいたことを、カノンは思い出す。
戦争が始まれば、安全な場所はない。田舎の小学校も爆撃を受け、子どもたちもたくさん犠牲になった。「戦争したい」と軽々しく言える人は、戦争とはとおい世界で行われているもので、自分だけは安全だと信じているのだろう。まさか頭の上から爆弾が落ちてくるとは考えていない。実際に太平洋戦争がはじまったころの日本のひとびとがそうだった。
◎紙の砦
(内容)戦時中、美術部の中学生、大寒鉄郎は絵を描いていると裏切り者だと殴られた。宝塚音楽学校に入った岡本京子は、ダンスもピアノもお芝居も禁止されていた。学校へ行っても戦うための訓練に防空壕の掘り出し、戦争が激しくなると、軍需工場に勤労動員。
戦争が終わったら、自由にマンガが描こうと決意する鉄郎。京子はオペラ歌手に!そう信じて生きる二人だが・・。
手塚治虫が自分の戦争体験をもとに描いた作品。戦場に行き、戦闘や病気で亡くなったり傷を負った人ひとりひとりには将来の夢があったりやりたいことがあっただろう。戦争のために夢をうばわれ、あきらめなくてはならなかった人はたくさんいる。戦争とは、若者の夢をうばうものだ。