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カラーページを使った仕掛けには素直に「やられた!」と思ってしまった
これはズルいよ!十香が居なくなった世界で物悲しい終わりを迎えるしか無いのか……と思っていた所にあのラストは幾らなんでも卑怯すぎる!
でも、ああいう終わり方って心から「デート・ア・ライブ」らしいと思えるものでも有って、何だか良い意味で安心できるラストだった
この巻も前巻に引き続き描かれるのは精霊達のエピローグ。と言っても、ビースト襲撃による戦いも同時進行的に描くから21巻ほど穏やかなエピローグではないのだけれど
印象的なのは六喰、七罪、八舞のエピソードか。三者とも21巻で描かれた四糸乃と同じくらい人間だった頃の有り様が精霊としての有り様に影響した人物
だからラタトスクから教えられた人間だった頃の情報とどう向き合うのかが焦点になってくるんだよね
三者とも四糸乃のようにすっきりとした展開になることはなかったけど、それだけ乗り越えなければならない壁が大きかった証でも有る
特に親に愛されなかった環境で育った七罪があの局面で蹲らずに駆け出し、士道に、そして精霊達に愛されていると自覚する展開には胸が熱くなりましたよ
そして終盤で明かされるのはビーストの正体と彼女の顛末。予想とはかなり違う来歴の人物だったかな
でも、その予想外さが士道が辿るかもしれなかった未来の危うさ、そして士道の知る十香がその未来を回避した選択の尊さに気づかせてくれるね
ここでも士道はこれまで幾人もの精霊を救ってきた好漢らしくもう一人の十香に手を差し伸べるのだけど……
士道が手を差し伸べてくれたから、自分には救われるだけの価値があると認識できる。そしてそれだけの価値を貰ってきたのだと再認識できるから、今居る世界を捨てるなんて出来ない
士道の選択が非常にらしいものであるなら、もう一人の十香の選択も非常にらしいものだったね
春に十香と出会い、春に十香と別れ、そして……
春は命が芽吹く季節。となればあちらの世界もこちらの世界にも救済が行われるのは納得の展開
どれだけ辛い現実があっても数多の優しさで幾つもの笑顔を取り戻してきた本作らしいラストであるように思えたのでした
後書きによると本編は終わってもアンコールは続くしアニメも控えているらしいからもう少しだけ「デート・ア・ライブ」は楽しめる感じなのかな?
欲を言えばグッドエンドがあるのだからトゥルーエンドがあってもいいんじゃないかい?と思ってしまうけど
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『デート・ア・ライブ』第22巻。
"精霊がいなくなった世界"に突如として現れた謎の精霊―――識別名<ビースト>。無差別に暴力を撒き散らすが、士道に対しては執着を見せる彼女。士道と元精霊の少女たちは、絶望に沈んだ彼女を"救う"ために立ち向かっていく―――。
『デート・ア・ライブ』本編、遂に完結。正直、20巻で完結でも良かったんじゃないかなとも。でも、それでは十香が救われない。個人的には、「十香グッドエンド」は、十香が救われるためのエピローグ的な位置づけ。ADVゲームで言えば、本編を完全攻略した人が見れる真エンド。(本作のコンセプトを考えたら、この解釈はあながち間違っていないのかも。「"if"の並行世界」からの来訪者というのも通ずるとことがあるかな?・・・いや、さすがにそれはこじ付けし過ぎか。)
これにてシリーズ本編読了。精霊を始めとした個性的で魅力的なキャラクター、物語の核心に繋がる要素を良い按排で明かして読者を引き込む構成・展開。ずば抜けて良いという訳ではないが、全体通して平均以上のクオリティで仕上げられた作品、というのが感想。難点を挙げるとすれば、読んでいて気になるくらい同じフレーズが使われるところか。どの作家にも決まりのフレーズというものがあると思うし、それが心地良い場合は多々であるが、本作に関して言えば「語彙力のなさ」というネガティブな印象に繋がってしまった。(まあ全体の中では些細なことであるが。)
残すはSS集「アンコール」1冊のみ。あともう少しだけ士道たちの物語を楽しませてもらおう。
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デートアライブ全て読み終わりました。
読み手の想像に任せるような終わり方にとても感動しました。
この先の未来、どちらの十香も幸せな未来があることを祈っています。
とても素晴らしい作品でした。
最後のカラーの挿絵もとても綺麗でした。
橘公司さん、ここまで書いてくれてありがとうございました。
次の作品も楽しみです。