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最後のエピローグの文がとても心に響いた。
自分に欠けているものを手に入れるために、この物語では美容整形がテーマにされているが、美容整形だけにとどまらない内容だと感じた。
自分の個性を受け入れ、幸せに過ごしている有羽を否定する高校の担任教師は、自分の経験を絶対的に信じてそれを押し付けるシーンがあり、人間関係においてやってはならないことだと思った。
欠けているものを受け入れ、補い合ったり、互いに協力することで幸せを得ることがベストなのではないかという考えに至った。
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ストーリーが気になって読み進めたと言うより、
ラストの結果が気になって読み終えた感じ。
ラストの結果も納得いかないけど、まぁこんな感じ⁉︎
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ひとつの事件をいろんな人物がそれぞれの角度で見て感じたものを語って展開していくお話。湊さんはどうしてこんなにいろんな人の心情がわかるんだろう。登場人物の中で自分に1番近いのは誰だろう。
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カケラ
著作者:湊かなえ
集英社
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
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王様のブランチで紹介!
「美容整形」をテーマに、外見にまつわる自意識や、人の幸せのありかを見つめる、心理ミステリ長編。
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田舎町に住む女の子が、大量のドーナツに囲まれて自殺したらしい。
こんなプロローグで始まる本作品。
自殺した女の子にまつわるエピソードを美容外科医にそれぞれが語る形式で進んでいく。少しずつ少しずつ、彼女の生い立ちや環境、性格がわかっていく。
しかし、ある人物は彼女を学校一のデブ、またある人物は魅力的な少女だと語る。母親に虐待されているかわいそうな少女だと訴える人もいる。後半で母親や彼女の視点から語られるが、実は親子は深く愛し合っていたのである。
人は他人の外見で性格を判断する部分がある。例えば、この人は太っているから自己管理のできない怠惰な人だ、のように。
周辺がいくら彼女について語っても、それは彼女自身の認識とはズレが生じる。生い立ちや環境、そして外見によって、周囲はドーナツの真ん中を推測するのかもしれない。
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最後の最後で切なくなる。他の湊かなえと比べたらどしんとした重みはあまり感じなかったけれど、やっぱりどこかで残るものはあって好きだなあと思った。
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関係者の話を聞いていくうちに、徐々に明らかになっていく事件の真相。そしてそれぞれの語り手が持つ、容姿に対する固定観念。固定観念…いや合ってるけど、何に違和感があるんだろう。容姿の方?なんか造形ではなくて、もうちょっと複合的なものの印象。
同じ事実なのに語り手が違うだけで、見え方や捉え方が違ってくる。そしてそのすれ違いが、ささいなことが引きがねになる。当人にはささいな事ではないのだから。
人間てやっぱり見たいものを(だけ)見るのかな。
それとも他人の真ん中なんて、どう頑張っても本当には分からないものなのかな。
それぞれの語り手をえげつない程生き生きと描いて、確かにイヤミスと呼ばれる読後感だけど、でもタイトルがカケラっていうところに希望も感じるエピローグ。まぁドーナツてタイトルだったら直球すぎるのか。
読み終わって、恐ろしくてドーナツ食べれなくなったらどうしよう!と思ってたけど、むしろドーナツ食べたくなる本だった。
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美容整形におけるあるある話。インタビュー形式で物語が進んでいく、作者独特のミステリー。ドーナツがばらまかれていた娘の謎を解く。
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今回も肩透かし感は拭えない。
得意のひとり語り、ひとりつっこみにうんざりしながら何かあるのではと読み進めたけど…。
以下、箇条書き。
・親世代とその子ども世代がごっちゃになってわかりづらかった。
・ドラマ化は横綱さんを演じるには巨漢の女優がふたり必要(ひとり二役でも)
・ドーナツ作りの達人、横綱(横網八重)さんは結局、恩人の千佳さん(難病で死去)の夫を横恋慕した?
・美容整形医の久乃が進行役。
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読んでる最中に思わずドーナツ食べてしまった。ふっくらお砂糖たっぷりのやつ。マスコミでも大人気の美容外科医のサノちゃんが、患者の自殺をめぐって家族や関係者から聞き取りをしてゆく。聞き取られる側の一方的な語りでできていて、自殺の捉え方も人それぞれ。それが全部終わる頃の伏線回収が説得力に欠けて理解し難く、イマイチ盛り上がらず終わってしまった。ドーナツだけは美味しそう…と思った一冊であった。
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いろんな人の話を追っていく感じが、楽しい。
次の人は?次の人は?と気になる。
だけど最後らへんから、嫌な予感が的中。
自殺の原因を考えると、いろんな背景が重なり合ってのことだろうけど、ちょっと駆け足かなーと感じた。
文中、なるほどーと思う言葉選びもあり、面白かった。
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各人のインタビューから構成されるストーリー展開は、過去の作品の焼き直し。
この作品で何を言いたかったのかよくわからない。
おそらく、今後この作家の小説は読むことはないだろう。
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初出 2019年「小説すばる」
ドーナツに埋もれて死んだ女性をめぐって、施術したテレビにも出る美人美容外科医橘久乃(40)が聞く、久乃の出身の田舎町の関係者7人の一人称の語り。それぞれの性格や立場で事実の見方が違っているというのもなかなか面白い。
(1)(旧姓結城)志保は久乃の同級生で、子供の頃はトリガラだったが今は太っていて、死んだのが、久野と一緒にブタとからかっていた横網八重子の娘だと分かる。
(2) 如月アミ 脇役のアイドルで、死んだ吉良有羽と同級生。中学の文化祭で一緒に有羽の母親のレシピで作ったドーナツを売った。
(3)堀口弦多も久野の同級生で、昔はチビだった県立病院看護師。その息子堀口星夜は吉良有羽と同級生(体育祭で抱えられて走った)自殺の原因は教師だと示唆。
(4)志保の妹希恵。久乃にブタと言われていて反感を持っている。中学教師で有羽の担任。中学時代は問題なかった。
(5)柴山登紀子、高校教師。有羽の担任で自殺の原因だとバッシングされている。アメリカ留学中に失恋、中絶で激太りしたとこがあり、有羽の異常な太り方で母親を責めるために家庭訪問したが母親は拒絶し、有羽は学校を辞めて東京へいき、美容整形で痩せたと聞いたと述べる。
(6)吉良(旧姓横網)八重子は久乃たちにデブとバカにされていたが、デザイナーの吉良千佳に似合う服を着せられて感激した。千佳が癌で死んで残された有羽が八重子の作るドーナツだけを食べたので、食事を届け、後妻になった。
(7)吉良有羽が久乃のカウンセリングを受けたときの録音。4歳でママ(千佳)が死んだが、後から母親になった八重子との田舎暮らしは幸せで、母のドーナツはおいしかった。
で、最後の最後で死の真相が分かるのだが、えーそんなのあり?って思う。
テーマも、切り込み方も社会派的で考えさせられるのだが、その分ミステリー性は弱くなったのが残念。エピローグで久乃が語るカケラもとってつけた感がある。
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内容に共感できる部分が多くあり、自分が体験してきたことが想起され心苦しかったです。
自分も太っているけど、背も高いため暴力的ないじめを受けることは無かったですが、言葉の暴力は時々あり学校を休むこともありました。
周りはどう思っていたのか、痩せれば解決していたのか…。
誰しもが多感な時期にコンプレックスについて大いに悩んだことがあると思います。思い出してツライなと感じるかもしれませんが、それでも今自分は…と鑑みることができる作品だったと感じました。