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Amazonさんの推薦図書。
感想。良かった。とても勉強になった。形式知として整えてくれた感じ。
備忘録。
・コンフリクト(conflict)とは、対立や衝突、相手と意見が一致しない状況を意味する英語。
・コンフリクトが対等な関係で起きていることは殆どない。パワーや権力に差がある関係で生じるのが普通。
・権力の問題に正面から向き合わないと、コンフリクトの解消に無駄な時間が費やされ、生産性が落ちるらしい。
・自分がどうできるかにフォーカスした場合、①相手と意見が異なっても自分の意見を述べて相互理解を促進させ(コンフリクトの表面化)、②繰り返し内省し、③他者志向で相手をリスペクトし、④時には時間を置いて感情的なコンフリクトを冷ましてから動く、様なアプローチが良いらしい。
・組織におけるパワー(何か事を起こす力)の固定理論と増加理論。
・固定理論は、組織内のパワーは一定。課長が権力を高めれば、部下や上司のパワーが相対的な弱まる様に。そういう組織では情報が共有されず、権力で組織を動かし合う感じ。
・増加理論はパワーと情報を上司と部下が共有し、上司が部下をエンパワーし、主導権まで握らせることで、増加するという考え。
・感情の貯蔵庫。肯定感情と否定感情の2つの貯蔵庫がある。研究によれば、優れた職場においては、肯定と否定の感情が1:4。円満な家庭では1:5らしい。
・上司からの期待が低いと、強い心理的負担を負わせることになり、否定感情を蓄積させる。
・以上の前提のもと、著者らの研究で、コンフリクトをマネジメントする方法を整理してくれたのが本書、だと思う。
・マネジメント方法①仁愛。「部下と権力を分ち合い、意見が合わない時は話し合い、部下と上司は相互依存で、目的も揃っているので、協調が最良」というようなスタンスのこと。
・仁愛のキーワード。「上司であるあなたが常に正しく、全てのことに勝つ必要はない」「自分と自分のチームに自信があるならば、自分の誤り認め、他者の意見を採用する。チームワークがあれば1+1が20にだってなる。
・ただ、強烈なリーダシップが必要な局面(会社の危機とか)で、仁愛されてても困る。
・マネジメント方法②賢明。仁愛を部下の側から働きかけるイメージ。上司から権力を拝借し、またそれを推奨すること。上司に対してYESマンなわけでも、傷つける言動をとるわけでもない。適度にWin・Winに。‥うまくまとめられない。
・マネジメント方法③建設的支配。必要とあらば権威を部下に主張する。意見が合わなければ部下に服従させる。部下と自分の目的が異なる事を認識する。そんなスタンス。使い過ぎないように注意する。
・今の世の中、支配的なマネジメントは好まれないが、状況によっては必要不可欠な道具。例えば不正した部下、不当な要求をする人、やる気のない部下、とか。
・マネジメント方法④戦略的譲歩。相手の方が権力が強く、かつ目的が合わない上司への対処法。日々は上司の権力を借り、時に自分でパワーを作り出して乗り切る。第一秘書の様に働き、上司が自分を頼りにせざるを得ない形を目指す。また上司と合意できない時は、相手の言い分に従うように見せかける。
・物事はうまくいくかも知れないが、時間とチャンスの浪費にならないように注意が必要。
・マネジメント方法⑤自立。コンフリクトに関与せず。他社に頼る事を減らしながら良い結果を残す。人間関係よりも、自分の目的にフォーカス。自分で突き進む。
・以上の手法は、TPOに合わせて使い分けが望ましい。また程度感も考えたい。例えば支配を長期間強烈に使うと、組織は疲弊する。
・多くの人は、自分がコンフリクトに直面した時「相手がどんだけ悪く、間違っているのか」に着目しがち。そして白か黒か、善か悪か、の二者択一で議論しがち。コンフリクトの状況をもっと全体的に捉えて、冷静に考えたい。
・シャトル外交。関係当事者一人ひとりに個別に通い詰め、整理する。
・ボトムラインを常に持つ。「こうなっちゃったら、支配的アプローチに切り替える」とか。