丁寧な一つの視点から見た沢山の物語
2020/07/12 18:35
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投稿者:なおちむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性が性的なことを考えることをタブー視する風潮がまだまだ根強いこの国で、女性が女性向けに風俗を提供し経営していくのはなかなか難しいのかもしれないと思いながら読み始めた。
描かれていたのは思い込んでいたより多彩な沢山の人々の薄氷のような願望や守られるべき身の安全の話であった。
心の境界を踏み込んだら踏み込まなかったりするその難しさを橘さんは丁寧に出来る方なのだなと純粋に尊敬してしまう。人と関わる仕事をしている人にぜひ一読してほしい本であった。
生きる辛さと「レズ風俗」
2021/04/16 01:08
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投稿者:テオドラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
レズビアン風俗を基軸に、現代社会での女性の生きづらさとその中で自己の生を歩んでいる女性たちの生きざまが、自己の体験に基づいて克明に描かれている。
様々な面で公正さが達成されたといわれている現代の、しかも大都市部においても、様々な「あるべき」論、特にジェンダー規範に関する自覚/無自覚の強い圧力。こうした圧力と対峙することに、あるいは一つの基礎をもたらしてくれる一冊だと感じた。
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本を読む魅力のひとつが自分では経験できない職業の方の体験談を聞けること。
そういう意味ではレズ風俗で働いている著者の話は非常に興味深く面白かった。
世の中の風俗に対するイメージとは違う価値観の世界に触れることが出来、色々と考えさせられます。
著者が挑戦したレズ風俗への取り組みの数年後を、ぜひ続編として出してもらいたいです。
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わたしの知らない世界がありました。
普通に異性を好きになって、夜の街など知る由もなかった私には、この本はとても良かったです。
言葉選びが繊細で、優しさに溢れてます。
とても、読みやすく一日で完読出来ました。
セクシュアリティのこと、社会のこと、人間関係のこと、など色々考えさせられます。
著者が、苦悩を乗り越えて周囲に支えられながら自分がやりたい事を見つけて現在も進み続けているということに感動しました。
これは、オススメと言える本です。
是非読んで欲しいです。
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購入:2020/8/13
読了:2020/8/15
精神的に落ち込んでいたときに読んだためか、心の底に響く言葉がたくさんあり、かなり救われたところがあった。
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前半は私と年代が近い著者の人生物語として、スルスルと読めた
後半はレズ風俗に来るお客さんのエピソードが主であった
このうような業界の存在も知らなかったし、どのように利用されいるのかも知らなかった
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まずタイトルにインパクトがあり、たじろぐ方も多いだろう。
こちらのインスタで見かけ、気になった一冊。
最近、草なぎ剛さん主演映画「ミッドナイトスワン」を観た。
主人公はトランスジェンダー。心は女性だが、体は男性。
幼い頃からその違和感、苦しみを抱えて「自分らしさ」と向かい続ける。
本著も、LGBT=性的少数者 ( セクシャルマイノリティ) の悩みを持つ多くの登場人物たちが描かれる。
作者は橘みつさん。
27歳にして、その人生は濃厚だ。
脚色はしているものの、経験に基づいた実話が描かれている。
みつさんは、一般企業に新卒として就職するも、体調不良を理由に3ヶ月で解雇されてしまう。
そこから、ガールズバー、ホステスとして働き、様々な人達と出会い、影響を受けることになる。
そして、たどり着いたのがレズ風俗。
レズ風俗嬢としてトップの人気を誇る女性「なの葉」に抱かれ、話を聞くことで、自らも決意を固める。
自身も女性経験があったこともあり、即採用が決まり、働き始める。
利用する客は、様々。意外だったのは、彼女も書いていたが、同性愛者は少ないということ。
多くの女性と時間を過ごし、触れ合うことで、みつさんは自分にしか出来ないこと、自分がやるべきことに気づいていく。
ただ性の欲求を満たすのではなく、友人でも知り合いでもない、「誰かに話を聞いてもらいたい」、という人がとても多いのだった。
そこで、「対話型レズ風俗」を自ら立ち上げ、自らキャスト権経営者となる。
みつさんの発想は、率直に素晴らしいものだと思った。
みつさんは多くの悩みを抱えた女性たちの話を聞いて、体に触れて、心も体も解き放たせる。
彼女に救われた人も、とても多いだろう。
どんな仕事でもコミュニケーション力は大事。
みつさんは、そのコミュニケーション力が突出している方だと感じた。
また本を出されたら読んでみよう。
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人の気持ちに寄り添うことができる人の考え方を学ぶことができる。人はそれぞれの悩みを持っていて、「周りは」「普通は」と自分がおかしいと思い悩んでいる。しかし、同じような気持ちを持っている人はこの世界にたくさんいて、悲観しすぎる必要はない。そして、そういった人に対して、自分にも何かしらのコンプレックスはあるにも関わらず、寄り添って手助けできる。
自分中心に考えてしまう中で、本気で人のことを考えられる人は偉大だ。
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こんな世界があって、人と向き合う方法があるんだなと知る事ができた。自分が何を悩んでるのかずっと言語化できなくて抱えたままだったけど、色んな方法で探してもいいのかもしれない。色んな悩みを持った人がそれを解決しようとしてるし、解決してくれようとしてる人もいる事を知った。
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読み物として面白いだけでなく社会に潜む悩みの一端に触れることができたので読んで良かった。繊細な文章表現が魅力で、ひとりひとりの問題やそれに寄り添う過程が描かれている。想像力を働かせながら、すいすいと読み終えることができた。著者がレズ風俗という形で提供しているサービスは一種のカウンセリングのようで、本を読むうちに必要性が十分に伝わった。必要な人に広く届きますようにと願うばかりである。