紙の本
しっとり、切なく、人生とは。イタリア人の生きざま、光と影
2020/09/28 16:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱんださん - この投稿者のレビュー一覧を見る
内田洋子さんの書籍はすべて読んでおります。ファンです。特に最初の3作くらいがとても好きで、何度も読み返していますが、今回は、最初に賞を取られたころの作品にまた戻ったような、そんな印象を受けました。
素晴らしい。
タイトル通り、イタリアに暮らす人々の、いろいろな人間模様。
明るく陽気なラテンの国・ビバイタリア!のイメージもありますが、その高い日差しによってできる深い影もイタリアのイメージの一つ。
上等なチョコレートを一粒づつ食べるように、ひとつづつ、味わいながら読める本です。
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イタリアがとても身近に感じられ、作者の行動力にも圧倒される。異国での生活にはなまなかでない苦労があっただろうにそれを感じさせない前を向く好奇心。気持ちよく読了。
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イタリアは知らない地名が多いけれど、人の温かさが伝わって読みやすかった。蜂蜜の味もそうだし、夏のビーチで知り合った家族の頼むニンニクと唐辛子のパスタが美味しそうで、家で作ってしまった。あと山の中に住む母娘の作るボロネーゼ。それにしても作者の内田洋子さんの引越し遍歴?すごいなあ。一度私も船に住んでみたいような。
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観光地ではない、イタリア各地の一人一人の暮らしを遠慮なく覗き読める本。
同著者のエッセイをまとめて読むと、あのときのあの方ですよね、と登場人物が知り合いの知り合いくらいに思えてくる。
『リヴォルノの幻』を最後に持ってこられるところが、なんとも…。
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日本語と表現が美しい。参考にしたい美文。
たまになんとも艶かしい女性たちやヒヤリとする話もでてきて、緩急も素晴らしいなとおもう。
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なんだろ?
期待しすぎだったのかな〜
ちょっとつまらなかった...
イタリアの日常の小話...
わかっていたけど...
表現の一部が...ちょっと鼻につく感じも....個人的には苦手だったなぁ〜
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ほぼ、全作を読んでいるため
内田さんの生活様式は把握しているつもり。
ヴェネツィアは変わるつつある。
知らなかったイタリアを届けてもらい
今回もおもしろく読了。
『建築家のカーディガン』
〈イタリアで評判の良い仕立て職人の型紙の原点は、英国にある〉
興味深い一文を発見。
内田さんから届けられるイタリア。
次回作が待ち遠しい。
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著者が大学で学んでいた時のカトリック教会とのふれあいのエピソードは微笑ましくもうらやましい。
内田洋子のエッセイはいつも気軽に手に取るのに、その残り香はいつまでも心に残っている。
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どなたかが、内田洋子さんの文章は上質な映画を観るようと表現していたのがよくわかる。
この本も、柔らかく優しい風のよう。
イタリアというとパスタとピザと伊達男とシチリアレモンのように眩しい太陽を思い浮かべるのだけど、内田洋子さんの文章を読むともっとゆったりとした時間のなかで人々が暮らしている感じが伝わる。
それは時に寂寥感が漂うものであっても。
もっと人生や自然などに抗わずに生きてみたいなぁと思う。まずはゆったりたっぷり呼吸をするところから始めよう。
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作者はイタリアの情報を得るために、その土地に住む。時には山の上で、時には船上で。
その各地で出会った人たちをテーマにしたエッセイ集。
マンションの前の空き地が駐車場になる…というのは何十年も前に市に申請した結果。そして地下駐車場にする工事が始まった途端に指が入るくらいの亀裂が住んでいるマンションに…という話で始まり、
サルディーニャの蜂蜜だなと思いながら読んだ表題作。
サルディーニャ島の養蜂家がとる蜂蜜は、花の咲く時にそこで鉢を放して蜜を取る。1番希少なのは高山植物の蜜。島から出ることはないほど希少。古代ローマ皇帝のお気に入りだったという蜂蜜。
あー味わってみたい
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ひとつひとつ短いけれど
ひとつひとつにぎゅっと
イタリアにまつわる物語
(主としてイタリア女性)
どれもショートムービー
のような味わい
都築書店にて購入
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「本の窓」という雑誌に2018年から2019年にかけて連載されていたものを、まとめたもの。15のエッセイと言えば良いのか、短編小説と言えば良いのか、といったストーリーが収められている。
内田洋子の本は数多く読んでいる。最初の頃は、ストーリーの1つ1つの鮮やかさに惹かれていた。今でもそれは変らないのだけれども、それに加えて、ストーリーの「多様性」に驚き惹かれるようになった。
「多様な登場人物」。内田洋子は、どこでどうやって、このような多様な登場人物と知り合ったのだろう。
「多様なトピックス」。内田洋子は、どうやってこのような魅力的な場面に出くわすことが出来るのだろう。
「内田洋子自身の多様な生き方」。内田洋子は、イタリアに渡ってからも、多くの土地に暮らし、多くの職業に就いていたようだ。上記の多様な登場人物、多様なトピックスのベースとなっていることであるが、その多様な生き方自体も面白い。
ストーリーの多様性。
「壁の中の海」は、おそらく、別の本になっているモンテレッジォの村の話。
「辛い味」は、夏の浜辺で会うだけの70代の夫婦との交流。
「建築家のカーディガン」は、男たちのミラノファッション。
「迷える庭園美術館」は、超富裕層夫婦のライフスタイルと道楽の話。
「サルデーニャの蜜蜂」では、たまたま手に取った本から、昔親しんだ、サルデーニャでのことを思い出す。
ひとつひとつが楽しく、飽きが来ることがない。
軽く読めるエッセイ集・短編小説集として、これからも愛読することになるだろう。
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イタリアを成す様々な人々、特に女性を主とした生き様が、街の歴史とともに紡がれている。
様々な街、場所(船上や陸上も)で偶然の出会いから広がる人との連なりと時空間。
一人ひとり、建物一つ一つ、その土地どちに物語がおり、それらを丁寧に掬い取り綴っている。
この、内田洋子さんの感性と、その心地よさを感じる言葉がとても好き。
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イタリアでの日常を描いた短編集なのかエッセイなのか
イタリアの風が心地良く吹き抜け、短編集なので軽く旅先で読みたい
「波酔い」に1番心惹かれたかな