投稿元:
レビューを見る
すごい本だった(巻末の参考文献の量からも本書の密度の高さが伺える)、2020年6月現在東京都知事である小池百合子さんの半生を追ったノンフィクション。小池さんの幼少期~カイロ大学への留学~政界へ入り大臣を経て東京都知事になるまでが、まるで一冊の小説を読んでいるかの如くドラマチックに描かれる。小池さんの辿った道は平成政治のど真ん中であり、この時代の政権交代や政治事件等を絡め関係者の証言満載で語られる本書は、日本政治史としても読むことができる。「カイロ大学首席卒業」の真偽ははたして?
投稿元:
レビューを見る
平気で嘘をつく、政治的立場を変えられる、いつも他人事のような顔をしている、小池百合子氏がいかに形づくられたのかの一端を垣間知ることができ、たいへん面白かった。
カイロ大学の学歴詐称疑惑は、本書の象徴的なエピソードではあるが、それだけのスクープ本ではない。終章には、カイロ大学が小池百合子氏は卒業していると回答してきた経緯も記されており、いま起こっている学歴詐称疑惑への小池サイドの反応も、予想の範囲内という感じがする。
目前の選挙の勝敗への効果より、もっと深く重要な影響を持つと思う。
小池氏の嘘や矛盾する言動について、何の検証も批判もなく垂れ流したメディアに対する著者の怒りも垣間見える。
小池氏に関わるすべてのエピソードを包括するのは難しいだろうが、いくつか入れてほしかったものがある。
イラク人質事件での「自己責任」を広げた発言。
2016年都知事選の際、蓮舫が出馬しないのを見計らったこと。
投稿元:
レビューを見る
なんというか、ただただ感想が、出ない。
これホントなのかという気持ちと、ホントならヤバくて面白い、って気持ちと、こんな人を信任し続けて無知な僕らへの失望と。
読んだ後に見えてくるこの人は、やっぱ今までの俺には見えてなかった百合子さん。
表面を追わないように、何事も。
投稿元:
レビューを見る
本当かなと思う事もたくさんあるが読み物として面白い。小池百合子の半生を垣間見て自分にはここまで頑張れないなと思った。
投稿元:
レビューを見る
怖ろしい女だ。 世の中に、こういう性格の人がいるなんて。 政治家としてより、人としても失格だろう。
いや、もっと怖ろしいことは、・・・
大手メディアが、この問題を公にしようとしないことだ。
公にすると、なにか不都合でも起きるのか?
報道規制が敷かれているのか?
投稿元:
レビューを見る
あの人は誰なのか。何ものなのか。
小池氏をテレビで見るたび感じていた。
緑色のスーツを着て、「緑緑緑に染め上げますっ」と絶叫して、群衆がそれに応える。
都知事、政治家って何をする人で、どんな資質が必要とされるんだろう。
緑の衣装と政治ってどんな関係があるんだろう。
と、なんだか不思議な気持ちにさせられてきた。
この本を読んで、なんとなく分かったのは、彼女はアジテーターなのかもしれないということ。
何かそのときのテレビ番組が求める、テレビを見る人の多くが求める雰囲気、ワンフレーズを上手に差し出す力があるんだろう、ということ。
別に小池氏に限らず、多くの政治家に当てはまることかもしれないけど。
選挙という制度。
名前連呼の選挙活動もそうだけど、社会のリーダーを選ぶに当たって、望ましいあり方でもないような気もする。
「民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けば、だが。」
ということだろうか。
投稿元:
レビューを見る
「永遠のゼロ」、というのが本書を読んで小池百合子という人間に感じた所感であった。その発言は全てが空疎であり、確固たる政治信念などというものはなく、都知事選で掲げた公約もほとんどがゼロ達成である事実。
本書は小池百合子という妖怪の空疎さを暴くためにその出自から現在に至るまで、数年に渡る丹念な取材をベースにまとめられた史実である。最近になってまた話題になっているカイロ大学の卒業証書の問題も本書を読めば何が問題かがはっきりと分かる。本書を読んで小池百合子がカイロ大学を首席で卒業した、という事実を真に受ける人はいないだろう。
それでも2週間後に投票日を迎える都知事選において妖怪が再選するのは確実とも言われている。血が流されなければならない。
投稿元:
レビューを見る
内容が面白かったので、一気読みしてしまいました。
現都知事の言動が、計算され且つ嘘で塗り固められていることが良く分かりました。
思い切った著書ですが、読みごたえのある一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
著者が長期にわたってかなり深い取材をしていることが分かります。この本を読むとこれまで彼女が都知事を務めていたことと再選が確実視されていることに驚き、ある意味恐怖を感じました。弱者の気持ちがわからない、共に戦い応援してきた支援者を平気で裏切る、更に公約を実現する気がない。どうか都民のみなさんが選挙前にこの本を読んで都知事にふさわしいのは誰かを冷静に判断して欲しいです。
投稿元:
レビューを見る
小説好きとしては、試し読みで数ページ読んだ日から日に日に我慢ができなりとうとう購入。もちろん小説ではない。これは下世話な暴露本などでももちろんなく、綿密な取材と膨大資料に基づいた壮大なノンフィクションだ。
それでいて読み始めからぐいぐい引き込まれてしまう、ミステリー小説に似たおもしろさがあった。
読みながら思い出したのは、『良心をもたない人たち』(草思社文庫)マーサ・スタウト、それから『百田尚樹『殉愛の真実』』(宝島社)角岡伸彦他。
前者はこの書に出てくる、いわゆるサイコパスの特徴に小池さんが見事に当てはまるなと思って。後者は、この書に出てくる「さくら」と単に似てるなと。
私が衝撃を受けたのは、被災者にとった態度。それから拉致被害者家族の前での言動、アスベスト被害者への言動、いや、あげていくとキリがない。とにかくこの本全編にわたって書かれていたのは衝撃的な事実だった。
投稿元:
レビューを見る
コロナの東京都の対応が変だと思っていて、特にステップ1~3と東京アラートが、感染者数の推移とまるで関係がなかったことに驚いている。それが一体なぜであったのか、この本で実に腑に落ちた。ステップやアラートなどは単に小池都知事が目立とうとしてテレビで取り上げられるためにやっているだけだった。本質的にコロナの蔓延に対応しようとしているわけではなく、都知事として頑張っている様子を人々に示すことが目的だ。目的はその場限りで力強いリーダとして自分が目立ち称賛されることだけなので、東京のみなさんは今回の都知事選挙で別の人に投票して欲しいと願うばかり。現時点で支持が51%もあるのが怖い。元々テレビの世界の人なので、メディアを味方につけることに長けており、彼女にあるのは戦略のみだ。
この本では小池都知事の負の側面が多く語られており、功績であるのはクールビズやエコバッグなどばかりで、本当にそこまでダメなのだろうか。もうちょっとまともな政策に携わっていないのだろうか。
弱者に対して暖かい感情がまったくなさそうに書かれているが、そんな感じはする。築地のみなさんや水俣病で頼りにした人たちがかわいそうだ。しかしそこから悪評が広まらないのがすごい。
本当に残念な人で、ちょっと気の毒だ。しかし権力からは引いて欲しい。
カイロ大学卒業も嘘だと思う。
投稿元:
レビューを見る
・
とある有名パティスリーのオーナーさんとのやりとりです。
亜美:そういえば、昨日、百合ちゃん(小池百合子)の本、やっと読み終わりました!
ストーリー上げてた、Sさんに触発されましたよ^^
Sさん:そんなことあるんですか!?
僕まだ読めてなくて
投稿元:
レビューを見る
なぜこの人は同性に対してこうも冷たくなれるのだろうと考えた。
この人は、父親に対してとはまた違う次元で、母親に対しても大きなわだかまりを抱え続けているのかもしれないと思った。
どう考えても 困ったちゃん レベルでは済まない強烈な父。彼に幼い頃から翻弄され続ける生活の中、子供の立場なら、なぜ母は文句を言いながらも父の元を離れようとしないのかと考えたと思う。
無力な子供である自分の生活の安心安全は、父親の改心か母親の決断どちらかに委ねられる。父親の改心が実現する可能性が低い場合、母親の決断への望みにかかる期待が必然的に大きくなる。
膨らんだ期待がいつまでも叶えられない場合どうなるか。失望感だけが、深く、深く胸をえぐったことだろう。そして深くなった失望感は、そのまま、決断をしない母に向かったのではないだろうか。
彼女が他者に対して徹底的に冷たいのは、満たされなかった幼い自分が今も心の真ん中に座り続けているからなのかなと思った。
石綿被害で夫を失った女性も、彼女に取材する女性記者も、築地市場で働く女将さんも、この人にしてみれば「満たされている側の人間」にしか見えないのだろう。
すべてが「私基準」の人間が最高権力を握ったらどうなるか。
恐ろしくて具合が悪くなる。
投稿元:
レビューを見る
彼女が首相になりたいのだろうという事は、今までの彼女の身の施し方を見ていればよくわかる。しかし、なぜ、権力を得たいのか?という動機は、この本を読んでもわからない。
嘘に嘘を重ねた人生であるにしても、根底にあるひととしての在り方が善人なのか悪人なのかすらも良くわからない。「女帝」というより化け物だ。
登場するエピソードがどれも恐ろしい。このような人間には決して関わりたくないと心底感じた本。
投稿元:
レビューを見る
恐ろしい本である。
何かをしたいではなく、何かになりたい、だけの人。自分にしか興味がない人。それだけ。他人への共感がなく、自分のためには全ての人が踏み台になってしまう。
自分の過去を書き換えて、素晴らしい物語にしていくのは、権力を持ったものの常なんだろうけど、それにしても尋常では無い。というのが、この本から得られる感想。
まるで怪談。背筋かゾクゾクする。