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埼玉県高校司書イチオシ本に選ばれていたので読んでみました。とても良い青春本でした。くらげが降るとか魚が降るとか実際現象があることを下敷きに自分達の力ではどうにもならない大人前のモヤモヤ(どころじゃない問題もあるけど)を爆発させるような気持ち。主人公はずっと目を反らして平坦に生きていて、それが前半イライラっとするけど、きっと最後に良い結末が来るはず、と信じて読みました。
作中ではたくさん本トークが交わされていて、本好きの人には超オススメの内容でした。わざわざ入れる必要はないと思うけど、小学校配架でも大丈夫な内容です。
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最初と比べ変わっていく主人公の言動が良かったこと作品の雰囲気が少し不思議な話なのでふわふわとしたでも爽やかな綺麗なところもありつつ暗い毒のような所もあるそれこそくらげのようで魅力的だと思った。
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誰も思いつかないような独特なストーリー。
登場人物も多くないため読みやすい。
有名な著者の名前が沢山出てくるので
読書好きにはたまらない1冊
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空からくらげを降らせたい、だなんて
なんて非現実的な願いなんだろう。
小崎はくらげを降らせたかった。
越前はその理由が最初わからなかった。ただの天然ちゃんだなとしか。
私もそう思っていた。
彼女の内に秘めていたものは彼女しかわからないことだった。
いや、彼だって、誰だってみんな、そうだ。
みんな、世界に対して反乱を起こしたい。
迷惑を起こしたい。対抗したい。
理不尽と戦いたい。そう思うときがある。
だから、空からくらげを降らせる。反撃するために。
だけど時々でいい。そうやって生きていく。
爽やかで瑞々しい青春小説だった。
くらげが降る光景、キレイで幻想的なんだろうなぁ。
そして、たくさんの作家と作品が登場する。
私は学生時代ほぼ本を読まずに過ごしたけれど、こんなふうに、勉強の合間に本を借りて読書や読書談義を楽しむ高校生活もいいなあ、と思った。
いしいしんじの「プラネタリウムのふたご」、気になりました。
それと、表紙が本当に素敵。
見てみたらやっぱりnext door designの岡本歌織さんの装丁でした。
余談ですが私、この人のタグを作ってまとめてるくらい、すきです。
個人的に注目している装丁デザイナーさん。
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高校二年生の越前亨(えちぜんとおる)は、感情の起伏が少なく、何に対しても誰に対しても思い入れを持つことがあまりない。父親を病気で亡くしてからはワーカホリックな母と二人で暮らしており、父親が残した本を一冊ずつ読み進めている。亨は、売れなかった作家で、最後まで家族に迷惑をかけながら死んだ父親のある言葉に、ずっと囚われている。
図書委員になった彼は、後輩の小崎優子(こさきゆこ)と出会う。彼女は毎日、屋上でくらげ乞いをしている。雨乞いのように両手を広げて空を仰いで、「くらげよ、降ってこい!」と叫んでいるのだ。いわゆる、不思議ちゃんである。
くらげを呼ぶために奮闘する彼女を冷めた目で見、距離を取りながら亨は日常を適当にこなす。八月のある日、亨は小崎が泣いているところを見かける。そしてその日の真夜中、クラゲが降った。逸る気持ちを抑えられず、亨は小崎のもとへ向かうが、小崎は「何の意味もなかった」と答える。納得できない亨だが、いつの間にか彼は、自分が小崎に対して興味を抱いていることに気づく。
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クラゲよ、こい!
クラゲよ、降れ!
クラゲ乞いなんて、また突拍子もない。
若手の作家にありがちな、妙なもんを気取ってる作品だなぁ…なんて、最初はひねくれた見方をしてしまった。
理不尽に対抗するための手段がクラゲを呼ぶことというのは、大変慎ましい。
健気で、
細やかな世界への抵抗を、
いつのまにか本気で応援していた。
作品全体に流れるのは、優しさで、
クラゲを呼ぶことも、
登場人物たちの成長も、
寄り添ってくれる物語も…、
根底には、包み込むような優しさがあふれていた。
読んでいるとき、とてもふわふわとした気持ちになれた。
心地よい透明感に満たされた雰囲気のよい作品で、
傷ついて、寂しくて、人と関わることをやめてしまった人に対して、
関わることを教えてくれる。
ストーリーも面白く、
物語が、意外な形で主人公の背中を押してくれており、
他人に対する無関心を決め込む主人公の成長や、抱えた寂しさが解消される過程は、とても感動的だった。
今の多くの若者に読んでほしいと思う。
それは、この作品が無関心であることの残酷さを伝えているから。
個人主義になって、人との関わりが表面的になってしまっている人が増えていると思うが、この物語は、すごくストレートに、他人との関わり方を教えてくれる。
傷ついている人に向き合うのことは勇気がいる。
その勇気を持つことを応援してくれるような気持ちになる。
そして、もっともっと、本を読みたいなぁと
思わせてくれる。
とても魅力的な小説だった。
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クラゲが本当に降ってきたら、びっくりするだろうな。どんな反応をみんなするんだろうかと、思いながら読んでいました。
空の写真がとてもきれいで手にとりました。
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広告で目にし気になったので手に取りました。うーん、個人的には君の膵臓をたべたいみたいに下手くそでもページを捲る手が止まらないとか、感情垂れ流しになってしまうとか、嗚咽するほど泣くとか、響くものはなかったかな。
クラゲって実際降ってきたことあったっけ?魚とかならあった気がするんだけど。
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かなり深い話。全部を理解はできなかったけど、主人公が周りの登場人物との関わりから、少しずつ過去と対峙していく様はすごい良かった。
本をもっと読みたくなった。全体的に綺麗な言葉と情景で、この作家の本を他にも読みたいと思う。
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空の装丁に惹かれて。
面白かった!すごくすきでした。
側から見たらどうでも良いようなことを純粋に真剣にやる…には私は歳をとってしまいましたが、本気でワクワクしました。
迷惑って何?…とても考え込んでしまいます。
実在の本の登場も楽しすぎました。
(でも、純粋さも無邪気な心も、忘れずに大切に生きていたいし、真っ直ぐでいたいし、たまにははっちゃけたい。)
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現役女子大生作家のデビュー作(リアル本として出版されたという意味で)
主要登場人物は、
越前亨;主人公。売れない作家だった父を亡くし、人に関心を持たない無気力な高校生。
小崎優子;後輩。小柄で童顔で勉強が苦手な元気一杯少女。いつも屋上で「クラゲ乞い」をしている
遠藤;小学校からの幼馴染。大好きなサッカー部で二軍落ちの危機にある
関岡;クラスメイト。いつも図書室で勉強している優等生だが父親のDVを受けている
1)最後のシーンが印象的。激情の後の奇妙に静寂で穏やかで美しい風景です。この風景を描きたくてこの本が書かれたのかもしれません。
2)小説の中で矢延先輩たちによって語られる「良い言葉」が有って、その言葉を書きたいが為に作られた物語かも。
3)小崎の不思議キャラは面白く吹き出してしまいます。しかし、後の三人は普通「くらげ乞い」に巻き込まれんだろうと感じてしまうのは何かが足りないのでしょうね。いっそ疑問さえも起こさせない勢いで突っ走るのか、三人の持つ鬱屈の出口に繋げるのか(結果として繋がってるが、動機として描く)
ちょっと変わった感性の良い話なのですが、読みながら1)~3)の様な引っかかりを感じるという事は、多分まだまだ完成度という意味では不足なのでしょうね。
ちなみに越前も小崎も図書委員で図書室の場面が多く、『プラネタリウムのふたご』『その日のまえに』『バッテリー』『重力ピエロ』『四畳半神話大系』『スロウハイツの神様』など良く知った作品名が次々出て来るのは面白い。もっともちょっと本至上主義過ぎてウザったい所も有りますが。
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心温まる物語だった。
降ってきた辺りから急におもしろくなり、最後の伏線回収で一気に持って行かれた。
忘れた頃にもう一度読みたい。
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青春の閉塞感、葛藤、感情の揺れ。
「うわぁ〜好きだなぁ。面白かった!」が素直な感想です。
人と違う道を行くと、笑われたり、予期せぬ非難を受けたりもする。
それでも「くらげが降る」って一途に信じることができますか?
自分もある時から「奇跡を起こす」ことを諦めてはいないだろうか。
社会の常識や世間を知ることによって、ストッパーをかけてしまっていないだろうか。
改めて考えさせられましたね。
そして、鯨井あめさんの感性が光る「鋭い言葉」が大好きです。
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キラキラしすぎてないいい感じの青春感が味わえた。
奇跡ってあるのかもって思った。
「ぼくはただ、目撃者の義務を果たしたに過ぎない。
孤独とは気軽にやってくる地獄だから、見てしまった限りは、話を聞いてあげるなり、諭してあげるなり、何か手を差し伸べてあげるべきだよ。」
「嫌いなものは理由が説明しやすいけど、好きなものって本能じゃん。」ー本文よりー
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青春、高校生ならではの発想と行動に面白みを感じた。
クラゲ乞いをしている時に比喩表現だと思っていたが、ほんとにクラゲが降ったのはビックリした!!
そこから仲間が増えて過去を受け入れてといったような少し既視感があるなぁと思ってしまった。