投稿元:
レビューを見る
小説『ピーター・パンとウェンディ』の後半、『ケンジントン公園のピーター・パン』『ブラック・レイク島漂流記』の資料、写真、挿絵など、バリー本人の映画用シナリオ(実際には使用されず)、意見をまとめたものが、収録。
挿絵が美しくて素晴らしい。
これはカラーなのかな?現物が見てみたい。
映画用のシナリオ、内容が細かくて面白かった。
バリーの想いがいっぱいが詰まってて良き。
でも映像化するの難しそうだな、と思っていたら、やっぱりボツになってた。
最後の「J・M・バリーと『ピーター・パン』に対するさまざまな意見」が、意外に興味深く読めた。
舞台版のティンカーベルへの拍手の演出、盛り上がる子ばかりではなくて、というのが面白いなぁと。色々な感性があって、人それぞれの「ピーターパン」という作品への向き合い方々があって。
だから、名作なんだろうな、と。
また舞台を見た子ども達からのお手紙(ファンレター?)も綺麗すぎて泣けてきた。尊いってこういうことなのかも。
『ピーター・パン』は楽しいだけの妖精冒険ファンタジーじゃなくて、大人にならないピーターの、孤独、ママに待っていてもらえなかった悲しみ、そういう負の部分をちらりと見せられるのが良い。
また、ピーターの子どもだからこその残酷さ(ティンクやフックのことさえ忘れてしまうところとか)に惹きつけられる。大人目線で読むと、とにかく切ないのだか、そこがピーターの魅力、だったりする。
うまくまとまらないけど、『ピーター・パン』を生み出したJ・M・バリーという天才がいたということの軌跡が詰まってる本。