電子書籍
面白い
2023/04/10 08:03
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投稿者:本好き - この投稿者のレビュー一覧を見る
この文章に出会えただけで、1万5000円の価値を感じた。。
これまでにマネー本をたくさん読んできた人であれば、本書には既知の内容も多いはずだ。 それはそれで構わないが、結局はそれらの知識をどのように取捨選択し、どのようにして文脈に溶け込ますことができるのかで著書の力量が決まるのだ。
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投稿者:本好き - この投稿者のレビュー一覧を見る
沖縄の経済は、国からの効率補助(税金)によって成り立っている。 豊富なデータでもって著者・樋口耕太郎氏は、沖縄の問題をあぶりだしていく。 ページをめくる読者が、もし沖縄県民(沖縄県民)であれば、ウチアタイ(心にグサグサと刺さる)する内容だろう。
紙の本
参考になりました。
2020/12/03 20:22
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投稿者:ライル - この投稿者のレビュー一覧を見る
沖縄移住を検討していたため、表面的なことしか知らなかった自分にとって、本書の内容は奥深いものがありました。沖縄が抱えている問題は、本土による影響も大きく関係していることを知り他人事ではないと実感しました。また、最終章に書かれてあった自尊心を持つための心得は、大変参考となりました。
紙の本
沖縄に行ったことはないけれど‥
2020/11/12 21:55
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投稿者:春天愉快 - この投稿者のレビュー一覧を見る
沖縄に関心がある方、ぜひ手に取ってみてください。
紙の本
沖縄の問題は日本の問題
2020/09/23 09:54
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投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は沖縄出身者ではない。
16年前に縁があって沖縄のホテルの再建担当者になり、わずか2年で奇跡的な成功を収めたのにリストラにあい、そのまま沖縄に定住して沖縄の人々の声を聴き続けた中での「沖縄問題」の本を上梓した。
多額の補助金を受けている沖縄がなぜ貧困率が高いのか?
沖縄というシマ社会。それは日本というシマに住む日本人全体に言えることだと思う。
前半の沖縄問題の分析は素晴らしいが、どうすれば自尊心を回復できるか?の章には物足りなさを感じるが、解決策はひとつではなく、それぞれが探す事なのだろう。
紙の本
沖縄からの
2020/07/24 06:03
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投稿者:nat8822 - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前、著者の文章は読んだことがあり話半分に受け止めていたが、沖縄人の特性が何を原因としていて、そこから抜け出す難しさについてデータや過去の事実を踏まえてわかりやすく説明されている本。大変納得感があり、前半は他人事として、最後は自分のこととしてとても考えさせられたいい本でした。
紙の本
「沖縄の問題」は「日本の問題」と分かりました
2020/07/13 16:40
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
当初、「沖縄の人はなぜここまで後ろ向きな考えなのだろう」「向上心がないのだろう」と非難したくなりましたが、読み進めるにつれ「『沖縄の問題』は『日本の問題』なんだ」と分かり、早とちりで沖縄の人を非難した自分を恥ずかしく感じました。
当書に著わされていること、ぜひ多くの日本人に把握していただきたいと思います。
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沖縄出身の私にとって,沖縄をめぐる話はどうも自分をえぐられているように思えて素直に読めないところがあります。私自身も私がわからないのに,どうして他者にわかるのだろう,と。もちろん,他者から見た方がわかることもありますが,そもそも「本当の私(あなた)は〇〇だ」と言われること自体に違和感もあります。
ですので,私はまだ本書をうまく読み込めていないと思います。「自分探し」をされていると思わず,なるべくフラットに読もうと心掛けはしましたが,おそらく上記の理由から,猜疑心を持って読んでしまった部分もあるように思います。そのうえでの感想です。
本書の主張を大胆に心理学用語で要約するとこうなるでしょうか。
学習性無力感に陥った沖縄あるいはそこに暮らす人々は,自尊心も低く,それによって多くの(あるいはすべての)社会問題が引き起こされている。自尊心を回復させることが社会問題の解決の肝であり,そのためには共同注視と,それを行う一人一人の取り組みが必要である。
本書全体を読んで第1-4章の印象も変わりました。第5章がなければ,つまり著者の考えていることが見えなければ,「根本原因」と著者自身で言っているにも関わらず,「沖縄に生じている問題」を「沖縄の問題」にすり替えるように思えたためです。
おそらく著者は,「沖縄に生じている問題」を「沖縄の問題」にしたいのではなく,その先の社会を考えているように思います。すなわち,より人間が自分の可能性を試せるような,そのような社会をどうやって創造できるか,そのために「沖縄に生じている問題」を「沖縄の問題」として位置づくかのように見せ,その先に行くためのリソースとして考えているのではないかというように感じました。
もしそうであるとしたら,著者の主張は基本的に賛同しますし,大切なことだとも感じます。著者自身も言うように,今後のポイントは,状況の影響に弱い個人という存在を,共同注視をする存在へと変える状況づくりをいかに行っていくかです。難問ではあると思いますが,「次の私の課題は,「第三のデザイン」を具体的に描き,現実社会で形にすることだ」(p.227)と述べているように,本書はあくまで「開始宣言」。次の著者の「結果報告」はどのようになるか,不安と期待が入り交じりながら待つばかりです。本書がただの啓蒙にならないことを祈っています。
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沖縄の貧困が無くならない理由について、地元でよく言われる論争と違う視点で切り込んだ良著。
同圧力、自尊心の低さ、無感動。
沖縄の貧困は、本土企業に利益を持っていかれる、米軍基地負担の割に補助が少ない、産業が育たない、等がよく言われるが、そうではなく、人に焦点を当てることで問題の本質を探ろうとしている。
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沖縄社会での弱点、逆に強みである地元の繋がり(ゆいまーる)それが強いせいで、
断りづらい誘いとかもあると思う。
自分自身を愛することの大事さについは、
共感した。
大きく変化する社会でも、変わらない大事さは、自分を大事にする事だと私も思う。
その上で人との繋がりも大事にしたいと思えた。
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面白かった。米軍基地問題と引き換えに国からの援助金でズブズブになり、守られ過ぎて自立できなくなった社会。出来る奴が虐められる社会沖縄。日本の縮図らしいが、行きたかった地域が一気に興醒めした。
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この本が初著作の著者は1965年生まれの本土出身者で元金融業界、沖縄に39歳の時に赴任、そのまま沖縄に居ついている人物。沖縄のムラ社会的ながんじがらめの人間関係や、学生の主体性無さの原因が、沖縄の人たちが自己愛がないことであるという分析。
そして、これは沖縄だけではなく日本の問題であるとテーマが拡大。最後は、コロナ感染拡大による社会の変動は、沖縄/日本対するカタリストなりうる、という論述で終わる。
「利己的な人は自分を愛しすぎるのではなく、愛さなさすぎる」という観察はとても興味深い。
著者は沖縄に赴任に至った会社では閑職に追われ退職そして離婚。その後、沖縄大学で教鞭をとっている。文章は読みやすく、論述の根拠となるデータの引用元なども記されているが、科学的な調査などがされているわけではなく、あくまで彼の目を通した主観の積み上げ。万人向きではないが、面白かった。
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ざっと流し読み。
面白くはあるけど、問題提起はしっかりしてあって読者を惹き込むのに結論というか解決策的なものの提示があいまい且つ観念的、抽象的。
まあそりゃそうだよねという感じ。
それで?というふうには思うけど、同調圧力を打ち破るとかちゃんと自分を愛するとか、結局はそういうザックリしたことだけが答えなのかもしれないねー
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読む価値あります。沖縄若者を糞味噌いってる。つーか沖縄そのものを糞味噌してる。しかし沖縄が大好きなようだ。文章が稚拙で、構成が下手。だがそれが逆にリアリティを出していて、(手慣れた編集者が加筆しているよりも)よい文章になっている感じがする。現代若者論を語るわりには、教員としての愚痴なのかと思わせるぐらい糞味噌。それがリアリティ。愚痴が過ぎると、重複してくるのが、たまにきず。
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以前、『沖縄の不都合な真実』(大久保 潤・篠原 章/新潮新書)を読み、これがきっかけで沖縄の貧困問題についてささやかな興味を抱いていました。
それに対するドンピシャな書籍が発表されたということで即購入。
沖縄社会の描写、原因の分析、克服方法の考察すべてが現実味を帯びており斬新に思えました。
本書ではまず沖縄の経済状況を概観します。
沖縄における「基地関連収入」は今や「5%」程度である、という話がよく聞かれます。つまり沖縄は経済的に本土から自立していると。
著者はこれを「ミスリーディングで、ほとんど事実ではない」と言います。
要約すると「沖縄は(ラベルこそ違えども)基地をネタに様々な振興予算を本土から受け取っている」ということです。
冒頭の『沖縄の不都合な真実』には面白い一節が紹介されています。
「・・・2013年1月8日、仲井眞知事は官邸に安倍晋三首相を訪ね、沖縄振興予算の満額回答と那覇空港増設の工期短縮を訴えました。
・・・29日の閣議で沖縄振興予算案を3001億円と決定。那覇空港増設事業は80億円増の1980億円に決定。
・・・こうした経緯を見ると、1か月も満たない間に、納税者が払った数千億円の税金が交渉らしい交渉もなく沖縄に流れていく現場の様子がよくわかります。」
この交渉の裏には、自民党の「普天間基地移設方針の党内調整」という事情がありました。つまりここでも基地が絡んでいたわけです。
これを見ただけでも、「5%」がいかに怪しい数字であるかがわかりますし、「自分の足だけでは歩けない」 沖縄の病んだ経済構造が透けて見えます。
このような(基地をネタにした)振興財源のおかげで、沖縄では様々な建設プロジェクトが乱立しており、活況を呈しています。
そうすると一見裕福であってしかるべき沖縄経済ですが、庶民の生活レベルを見ると真逆の様相を呈しています。
「沖縄における貧困の直接の原因は、労働者の所得が圧倒的に低いことにある。労働者の平均収入は全国最低水準で、就労者のおよそ18%が100万円未満、47%(ほぼ2人に1人)は200万円未満の年収しかない。」
「沖縄の貧困に関連する問題は数々のデータが示している通りだ。
・約3割に達する子供の貧困率(全国1位、全国平均の約2倍)
・給食費未納率(全国1位)
・一人当たりの県民所得(全国最下位)
・非正規雇用率(全国1位)
・失業率(2018年まで全国1位)
・離職率(全国1位)
・若年離職率・失業率(全国1位)
・高卒・大卒者の無業率(全国1位)
・高校・大学進学率(全国最下位)
・高校中退率(全国1位)
・10代婚姻率(全国1位)
・10代の出産割合(全国1位、全国平均の約2倍)
・離婚率(全国1位)
・でき婚率(全国1位)
・シングルマザー世帯出現率(全国1位、全国平均の約2倍)
・一人親世帯の子供の貧困率(全国1位)・・・」
統計情報から見る沖縄は「地上の楽園」どころか「この世の地獄」です。
なぜ沖縄民は幸せになれないのか?著者はその原因が「変化を拒否する沖縄の社会性」にあると指摘します。
著者によると、沖縄では周りと異なることを行おうとすると強烈な「同調圧力」がかかります。それが発展すると、サボタージュや陰湿ないじめなどに発展する。そのため、「変化する」ということは沖縄民においては非常にハードルの高い行為となる。
本書ではこの特性を「労働者」 「消費者」 「経営者」の側面で説明します。これが非常にわかりやすい。沖縄では「変わらないことに経済合理性がある」ということが明確に理解できます。
優秀な労働者や経営者、トレンドや発展を望む消費者は沖縄社会から疎外されます。沖縄は「できる者いじめ」が発生する特殊な社会です。
著者はこの問題をさらに深堀りして考えます。何ゆえに沖縄民は変化を求めず、極度の貧困にすら甘んじるのか。
著者はその理由を「自尊心の低さ」に求めます。この点は非常に特殊であり、本書の大きなポイントだと思います。
社会の強い同調圧力と疎外の恐怖ゆえに、沖縄の若者たちは自己主張が極度に封じられます。
彼らは自信を失い、自分を愛せなくなる。発展のために思考し、行動することは無駄な行為であり、それらはやがて行われなくなる。過酷な社会状況、労働環境の中で頤使されることにも甘んじるようになる。そうしてこのような性向はその子供たちにも引き継がれる・・・。
このような悪循環が、いつまでたっても貧困から立ち直れない沖縄社会の根底にある、と著者は言います。
これを読んで 「おいおい、本当かよ」 と感じる読者は正直多いと思います。私も多少思いました。
しかし著者は沖縄大学の准教授として常に学生と接し、彼らの言行をつぶさに目の当たりにしています。
また大学活動以外にも、沖縄の繁華街で様々な種類の人間と会話を重ねるフィールドワークを実践しており、これは16年間、約2万時間、延べ3万人にも及びます。社会学や文化人類学にも通じますが、社会の実相というのはこのような地道な行動からあぶりだされるものではないでしょうか。
「人生において、ありのままで愛される体験は、人間にとっての究極の価値である。一人一人の人生から、究極の価値が奪われれば、社会が問題だらけになるのは当然ではないか? (社会の構成員たる)人間が生きて死ぬまでの間のもっとも価値ある体験が妨げられることが、人間と社会の根源的な問題でなくて何だろう。」
私は著者の主張に妙に腹落ちするものを感じました。
著者は加えて、この「自尊心のなさ(言い換えると自己愛のなさ)」を克服するためには、一人一人に関心をよせてやり、話を聞いてあげ、彼らを肯定してあげることでこれを取り戻すしかない、と説きます。
私はこれがベストな方法なのかを判別するための手段を持ちませんが、率直に言ってどこか「風車に向かうドン・キホーテ」に似た途方のなさを感じます。
しかし沖縄返還以降、湯水にように注ぎ込まれた(1兆円を超える)振興財源は沖縄民をまったく幸せにできませんでした。
これを鑑みるに、沖縄の貧困を解決するためには(著者が述べるような)「カネ以外の何か」が必要であることだけは明白であると思います。