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昨年(2019)7月のアンナー・ビルスマの逝去にともないき出版の対談集を改訂して出版されたものだ。
ビルスマの肉声が伝わってくる良著、ビルスマ氏が日本を愛し、また渡邉氏とビルスマ氏との深い親交ゆえの結晶だ。
ビルスマ氏が演奏するバッハ・無伴奏チェロ組曲を聴きながら読むと本書及び演奏もさらに味わい深いものになる。
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これまで読んだ全ての音楽関係の書籍の中で最も有用な内容。
カザルスコンクールで優勝後、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席チェロ奏者という通常であれば、定年まで所属するはずの、世界でも最も安定した高い地位の職種を6年で辞めて、古楽を中心としたソロ・室内楽奏者に転じたビルスマが音楽、演奏、楽器について語っている。
バッハの無伴奏チェロ組曲全6曲の演奏のポイントもとても参考になる。
ピアノや弦楽器が近代に向けて音量の増大と全ての音を均一に演奏するレガート能力が向上したことに伴い、失われたものについての記述はとても参考になった。
ビルスマの勧める、ガット弦や無伴奏チェロ組曲のアンナ・マグダレーナ写譜版を試してみようかと思います。
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2019年に惜しくも亡くなったバロック・チェロの巨匠、アンナー・ビルスマに対し、チェンバロ奏者である渡邊順生がインタビューするという形式の音楽論、演奏論です。ピリオド楽器による古楽運動を牽引した巨星たちが世を去りましたが、その偉大な軌跡は残る。このインタビューがなされたときには、すでに病気によりビルスマは演奏できなくなっていましたが、バッハの音楽への理解、演奏法についての洞察はより研ぎ澄まされているような。聴衆の想像力の中にいかに作品の真の姿を立ち昇らせるか、か。名言だ。