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異なる時に、人が現れ留まり、去ってゆく話がたくさん詰まった本
説明文のようなタイトルも相まって、
過ぎた時にラベルをつけて、そっと棚にしまってある静かな博物館を眺めてきたような読後感でした
「初めて列車が走ったとき、祖母の祖父は羊を飼っていて、彼の妻は毛糸を紡いでいて、ある日からようやく話をするようになった」が特に好き
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女子高生が忽然と現れたきのこを見つけたり、男が屋上にある部屋を探して住んだり、地下の噴水広場でいつも誰かが誰かを待っていたり、ふわふわとしたちょっと不思議な短い物語が33。自分もさらさらと流れる時の流れに漂っているような気持ちになる。
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わかるわかる、こういうのがとても好きな時もあったしこれからもあるかもしれない。という感じの本。
なんてことのない日常の集まりが人生。時の移り変わりと人間のはかなさを感じる。当の本人たちにとっては普通のことなので淡々と書かれてているが、その感じこそが読んでる側にものすごい虚しさと郷愁を感じさせる。自分たちの人生も、まさにこうなんだろうなと。
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時間の流れによって変わるものと変わらないもの。時に愛しく、時に残酷な時間があらゆる角度、人を通して描かれた短編集。自分に照らし合わせ想いを馳せる楽しさのある一冊。大事にしたい感覚。
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わたしが今、ぼんやり誰かのことを考えているように、わたしの知らないところで誰かがわたしに関する何かについて考えているかもしれない。
または、偶然に同じことに思いを馳せたり何かを共有するという形で、会ったこともない誰かと繋がっているかもしれない。
時間や空間を自由に行き来しながらいろんな人と繋がる感覚に陥った読後。
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例えば、自分のちょっとした思い出や誰かから聞いた話を文章に残しておこうとしたら、きっとこんな感じになるのではないだろうか。どこかで誰かが暮らしていて、時代の影響を受けたり、家族や仕事に事件があったり、そうしてみんな生きている。私たちの暮らしもまた一つの大きな物語である。
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名もない人、なんでもない場所にも、物語がある。
周りの人達、周りの景色が愛おしくなる。
そんな短編集。
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たまたま手に取った冊子に掲載されてる短い小説には「?」というものがあるが、そういうのをまとめた「???」な本。
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こんな小説初めて読んだ。
たった3ページの小説が30編あまり収録されている。連作短編でもなく、序破急や起承転結を楽しむショートショートでもない。日常ありそうな情景をただ描写してるだけの体でありながら、3ページできちんとストーリーになっている。
こんなん読んだら世界観が変わるで。
何気ない日常、ぼーっと見てきた風景に、ただただ通り過ぎてきた街や道や自然に、その一つ一つに物語があって、俺は鈍感にも、そういう物語見逃してきただけなんやと思うと、とても残念になる。
鈍るだけ鈍った感性を、ちょっとずつでも研ぎ澄ませて、日常を見渡せば、この本にあるような世界を感じることができるかもしれない。
柴崎友香の文才、これまたぼーっと見逃してきた俺の失態である。
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読み初め〜読み終わりで、感想が大きく変わってった。
読み初め…各話のタイトル長
読み続けてみて…淡々、、、このスタイルずっと続くんかな?
中盤以降〜読み終わる頃…この本の良さ分かってきました。。そしてこの本を貸してくれた友達がなぜこの著者の作品が好きかなんとなくわかるような気がしてきました。。。
自分は起承転結とかストーリー性を多分すぐ求めてしまってたので、淡々としてる文章を読んでると何を伝えようとしてるんかな?とか何かと考えてしまってた。けどありのままそこに居た人や時間の話をずっと読んでるうちに、何を伝えようとしてるとかそんなこと忘れて話にだんだんのめり込んで行って、なぜか羊飼いの話ではグッときて涙ぐんでた。最初は淡々としか感じられんかった文章で最後の方は泣きそうになるという不思議。。。
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主に喪失と再生を描いた小さな物語たち。
百年の歴史があるものでも
たった一日で壊されてしまうこともある。
それは寂しく切ないものだけれど
ただそれだけというわけでもない。
長い時間の中には確かに輝いた一瞬があり
その喜びのような瞬間があれば
一日一日と
この先また百年も続いていくかもしれない。
タイトルから
そんなことを思いながら読んだ。
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なんとも不思議な作品だ。短編というか掌編というか詩のような作品集。最初に長い見出しの目次が並んでいるのを見て、「ネタバレ?」と思ってしまった。ネタバレではなかったが、こんな長い見出しに設定した意図はよく分からなかった。作品ごとの関連もよく分からないが、なぜか読んでいて気持ちがよくなるリズム感があり、どんどん読み進められる。これが筆力というやつなのだろうか。煙に巻かれながらも様々な時間の流れを感じることもでき、なんとも不思議な読後感である。感想を書くのが難しい。
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一年一組一番とニ組一番は、長雨の夏に渡り廊下のそばの植え込みできのこを発見し、卒業して二年後に再会したあと、十年経って、二十年経って、まだ会えていない話
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ちょっと、私には合わなかった。
戦後っぽい話から現代風の話まで、百年の中のそれぞれの話という意味なのか、とにかく不思議で特に何も起こらないというのがほとんど。
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じわじわ来ました。
作品名がとても長いのが斬新で、まじまじと見つめていた序盤。段々雰囲気がわかってきて、読み終わる頃には沢山の人の人生を現在から過去、もしくは反対に旅したような感覚が残った。
本のタイトル「百年と一日」は、言い得て妙だなと改めて思う。
何気ない日常の描写が多く、とても静かな一冊。
それにしても絶妙な人選。これから街に出かけたら、彼らに会える気がする。
お気に入りは、兄弟の話と雪の日の子供たちの話!