投稿元:
レビューを見る
1858年から2018年までの空から撮られた写真集。年代順に配置。新しくなるにつれ、画像は鮮明になってくるのだが、初期の涙ぐましい努力がすごい。気球に乗ったり、凧にカメラをつけたり、はては鳩にカメラをつけたり、飛行機ができてからは小さな機体に乗りアクロバット的に撮っている。誰が撮った写真か、をクローズアップ。マーガレット・バークホワイトの姿も。
初めて空から写真を撮ったのはフランス人のガスパール=フェリックス・トゥールナション(通称ナダール)。1858年、気球にのり上空520mからパリを撮影。
歴史的に貴重なものも。1906年のサンフランシスコの空撮。まるで戦後の東京の焼け野原のようだが、1906年のカリフォルニア地震の直後のもの。
1913年のスーダン、セカディの発掘調査の航空写真も。イギリスのヘンリー・ウェルカム卿撮影。凧にカメラをつけ撮影。発掘での航空写真のさきがけだという。
災害写真では2011年3月の東日本大震災時の、茨城県大洗町、宮城県名取市、岩沼市の3点が生々しく載っている。
2001年9月11日のワールド・トレードセンタービルテロの写真も。
1917年、戦火で廃墟になったベルギー、イーベルの町、1916年、フランスソンム県の塹壕の様子。1945年の長崎、広島のキノコ雲、広島の焼け野原も。
表紙はスペイン/カディス サリナス 2013年 撮影:エドワード・バーティンスキー バーディンスキー(カナダ)は人間が環境に及ぼした影響の痕跡を撮っているという。
2020.7.30初版第1刷 図書館