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ぺドフィリア、小児性愛者という言葉は知っていた。
知ってはいたが、本当の意味では理解できていなかった。
ぺドフィリア=犯罪者ではなく、ぺドフィリアの人たちは制御できている人が多いことを知った。
実際に幼い子供に卑劣な行為を行う輩はチャイルド・マレスターと呼ぶらしい。(wikipediaで読んだ)
混同することによって、苦しみながら何とか制御している人たちにとって差別的な目を向けてしまう。
そのことで追い詰めてしまう可能性があるかもしれないと思った。
伸さんも制御できていた
しかし海外で買春をしたことによりその制御が緩んでしまったのではないかと思う。
久瀬氏は伸さんにそういった行為をされ、そういうことでしか性的興奮を得られなくなってしまったのかと思ったが違ったのかな?
制御できていることも年を重ねるにつれてタガが外れることもあるのかと思うと、冒頭に出てきた薬物治療が発展し、苦しむ人が減ればよいなと思った。
自分のなかの偏見に気付くことが出来た。
苦しい一冊だったが、色々考えることが出来たのはとてもよかった。
自分がいかに恵まれているかを再確認した。
好きになってはいけない、欲情してはいけないのは既婚者のみであることの幸せ。
生きていくのは難しい。
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小児性愛をテーマにした連作短編集。
欲望に駆られた時、踏みとどまろうとする人、限界の先を超えてしまった人達を描いた作品です。
木原さんはBL小説を多く描かれていて、「美しいこと」は読んだことあるのですが、恋する気持ちの微妙な心理描写を丁寧に描いていて、良かった印象でした。
この作品では、〇〇したいに駆られる心理描写を丁寧に描いていました。BLはどっちかというとファンタジーっぽい雰囲気を醸し出していますが、こちらはより現実的で、男臭ささが滲み出る文章でした。ディープな内容でしたが、欲望に悩む人達の微妙な心の動きが秀逸でした。
知っている人が〇〇だったと知った瞬間、果たして自分は正常な自分でいられるのか。難しい問題だなと思いました。
小児性愛ということで、なかなか共感しづらい部分があり、気分を害するところもあるかと思いますので、読むときはご注意を。
なかなか相手を理解することは難しいですが、先入観なしで、人と向き合いたいとは思っています。昔は〇〇だったから、今は〇〇かも・・・と決め付けるのではなく、今のままの状態と向き合い、「これから」を意識できるよう努めればなと思いました。
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以前に読んだ事のある作者の作品で興味があって読み始めた。第一章はこの作者らしい作品であった。
でも第二章はかなりやられた。ゾクッとする怖さがあった。
この二章は特別だが全体として作品のバランスが良く出来ている言う感がある。
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四つの話は繋がっていてどれも読後感悪し
ずーんと沈んだ気持ちになるので、気持ちが元気な時に読んで良かった
「エピローグ」の、すれ違いにも気づかないまますれ違うそれぞれに胸が痛んだ
久瀬は永遠に幸せになれないのかなあ
著者の作品は初めてだったが他のも読んでみたい
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表紙にひかれて購入。非さん。
どこを見ているのかわからない瞳。
傷があるようには見えないのに、何枚も貼られた絆創膏。
ネックレス?と、思いきや鎖では…。
登場人物は、ずっと迷路の中。答えはない。
「人が堕ちることが自由になること」と感じる登場人物のある意味無敵な考え方が怖い。
怖くない、世の中の目を気にしないが、人を悪い意味で強くし、行動を起こさせる。
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ペドファイル。。。
初めて聞いた。。。
小児性愛者も自ら望んでそんな性癖になったのではない。お寿司やケーキが好きなのと同じで子供が好きなのかぁ。。。なるほど。
子供相手だと成長して大人になってしまえば対象ではなくなってしまうし、相手の同意という点でも難しいよね。
なんか考えさせられたなぁ。
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BL系で不動の人気を誇る著者の作品です。
小児性愛にどっぷり嵌った対照的な二人の男性を描いた話。
妄想して耐える小児性愛者と一線を超えてしまった小児性愛者。前者エリートサラリーマン、後者ホームレス。どちらが幸せ?欲望のまま生きた後者?
同好のサイトでは非BLとして紹介されていました。著者の性別ってどっちなんでしょうか。
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ある意味タブーとされている「小児性愛」について触れた本。いいとか悪いとかの二元論で語れる話じゃないなと思った。エピローグで、小児性愛を抱える久瀬の表層だけを捉えてその従兄弟が「羨ましい」と言っていたけれど、「羨ましい」なんて感情は結局主観でしかなくて、「普通」っていうのも主観でしかなくて、みんながみんな何かしらを抱えて生きているんだろうな、と思った。
朝井リョウの「正欲」を去年読んだけれど、この本のテーマに惹かれた人はハマると思う。
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普通の人が意識しなくてもいいことを一生頑張らなければいけないなんて生き地獄だよなと思う。
木原先生の本は毎回現実味があってほんとに面白い。
エピローグ最後おもしろすぎてわらった。
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初めて★の数から悩んだ。★4にしたが果たして4なのか。気持ち的には5をつけたいが、5で良いのか。
面白かったと簡単な感想では片付けられないしんどさがあった。おすすめも簡単にはできない。はっきり言ってどこにも救いがない。でも、少しでも興味をもって、しんどさに耐えられる人。あるいは、自己コントロールができている人。読んでみてもらいたい。
解説や帯にもあった、読書というのは危険な行為だということを今の時代に思い出させてくれる数少ない作家でー。とある。
本当にその通り。心の準備ができてからじっくり読む必要のある作品だった。
ちなみにエピローグが良い。あのエピローグがあるのと無いのでは、読み終わった時の気持ちが全く変わってくると思う。
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Cemetery 墓場ですか。
★は、どうしようか、まだ悩んでる。
小児性愛者の鎮痛な心情を 抉ってくるんです。
「子供に欲情する人間になりたいと願ったことはない。」と、神さえ怨みながら、自分の性嗜好を隠して、正しい社会人として生活する美しい男。
彼は、自分の欲情を抑えながらも、本能は変えられない。
そして、自分の性嗜好に気が付かないまま、小学校教師になり、勤め認められながら、過ちを犯しホームレスとなった元教師。一度犯した過ちは、抑制がなくなり、罪を重ねた。
神のイタズラか遺伝子の錯誤か、自らは望まない抑えられない欲望は、絶望感があります。
木原さん異端児すぎる。ハッピーエンドは何処へ。
あまりに解決策がなくて、痛みがあるけど、★4で。
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胃のあたりがギュン…と重くなりっぱなしだった。自分を正当化して堕ちていくのと、ただただ苦しく自分を律していくのと。二者択一それしかないということなんだろうか…。(絶望)
読み終わっても色々な感情が入り混じり、ちょっと吐きそう。
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面白かった‥というのは憚られるけど、小児性愛という性癖に葛藤する苦悩が生々しくて引き込まれた。
文章もスッと入ってきて読みやすい。
誰にも救いがないし報われない。
明確な答えもなくて読後感は重いけど、こういう作品好きです。
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個人的な見解としては、ライターの大輝に一番近いかなぁと思った。他者のセクシャリティにはほぼ興味がないし、性犯罪者のみに殊更の嫌悪感を抱くわけでもないから。
とはいえ、森下のように自身の罪を正当化して、終いには自由と解放を感じるようでは擁護のしようもなく、断罪されて然るべき、孤独に逝っても当然だろうとは思ってしまう。
一方で、自身の性的嗜好に苦悩し続け、過ちを犯さぬよう努め続ける久瀬の姿は非常に生々しく、このように苦しんでいる方々が少なくはないだろうことに気付かされ、ハッとした。
他者のセクシャリティに興味がないことは、自らにおける差別意識が極端に薄いことでもあると自負していたが…。殊、小児性愛については無意識的な嫌悪と差別意識があったことに気付かされ、その性的嗜好に苦しみながら社会生活を営んでいる人々を無視し、場合によっては抹殺されるべきと考えていた自分の愚かさに辟易してしまった。
小児性愛に限らず、世間一般ではマイノリティとされる性的嗜好や障がい、ホームレスや生活保護受給者、あるいは社会に馴染めない人々。こうした人々に対して理解があるつもりだったが、やはりたかが凡人の身としては、このような読書体験で気付かされなければ無意識的な差別意識を持ったままだっただろう。
もちろん、自分の中の有害な意識が無くなるとは露ほども思わないが、知らないよりは少しでも知っていた方がよいと思う。
そういう意味で、本書は多くの人に読んでほしい、考えてほしい一冊。
エピローグの、宏一から久瀬への羨望と嫉妬。思うは自由だが、仮に久瀬が「いいよなぁ」と面と向かって言われたら、どれほどの苦しみになるだろう。
無知、余裕のなさから来る安易な決めつけは、相手をいとも簡単に傷つけ、壊す恐れがあると、全ての人間は把握しておかなければならないと思う。
読者に対する"とどめ"のようなエピローグ、この存在意義は非常に大きいものだろう。
最後に、本書はとても重い題材でありながら、流れるような文体で読みやすい。読書初心者の方でも比較的取っ付きやすいと思うので、ぜひ多くの方に読んでほしい。
僕は、この本に出会えて良かったと心から感じている。
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最近はブクログでお世話になっている皆さんのオススメを読ませて頂く事にハマっております私、今回もみんみんさんのお勧め作家さんの木原さんです。
木原さんは人を選ぶと仰っていましたが、まだ木原さんは始まったばかりなのに、そうかも、と思いました。
みんみんさん、ご想像通り私は大好物…と言って良い内容か分かりませんが好みでした!
大好物と言い淀む理由。テーマが小児性愛だからなのです。わざわざ言い訳せずとも良いとは思うのですが念の為。大好物なのは小さい子に、あっちの林の奥に行こうねえ…という行為ではなく、木原さんの文体とこれこそ芥川賞に入っていてもおかしくないと思う内容に対してです。
あれ、内容と書くとまた林の奥へ…になる?!難しい!
図書館で借りたのですが表紙に初めて見た注意書きが。「この本は自動貸し出し機が利用できませんので、カウンターでお借りください」
え…検閲が必要な内容?!とビビりつつカウンターへ。
無事通過。何のための検閲?!教えて下さい司書様!!(まあ年齢制限だと思うのですが)
今までペドフィリアを扱った作品は何作も読んでますし、子供に酷い事をするな!!と怒りを覚えた事もありましたが、こんな気持ちになったのは初めてです。
子供しか愛せなかったら、確かに辛いよね…。
『ラブセメタリー』というタイトルが秀逸です。世間からしたら犯罪者としか思われないこんな気持ちは墓場に持っていくしかないし、報われないし、結婚して結ばれる事も出来ない。だって大人になった相手には興味が持てないから。
朝井リョウさんの『正欲』も安易に人にお勧めは出来ない頭を抱える内容でしたが、あちらが可愛く思えてしまいました。
先ずは百貨店の外商の管理職をしている美男子で好感度の高い久瀨から始まり、ホームレスの伸さんへと話が繋がって行きますが、共通するのは2人とも子供しか愛せないと言う事。
違うのはそれぞれの愛し方。
久瀨は自分の性癖が世間では犯罪と見なされる事を理解しており、でも初恋の男の子(当時12歳)の事を引きずって苦悩しています。眠れなくなって精神科にやってくる程に重症。
一方、故あってホームレスになってしまった伸さんはこちらも好きになった女の子(当時11歳位?)とお互い愛し合っていましたが(女の子が好きになる気持ちも分からないでもない状況でした)、一悶着あって別れて以来、欲望を別の形で発散させてしまっています。
2人とも世間的には人当たりが良く人望もある人物です。
作中のほとんどが、この伸さんの謎を追っていく形となっているのですが話の流れが非常に良く出来ていて、かなり重たい内容なのにスルスル読めてしまいます。最後に明かされる伸さんの真実が、いつもならば、なんつう変態!逮捕!逮捕!となる所を、気持ちは分からないながらも妙にこちらまで何が正しいのか分からなくなって来ます。
こんな読書体験は初めてです。
「同性愛者は十年、二十年後には世間の偏見も無くなる日が来るだろうが、ペドフィリアはいつまで経っても犯罪者扱いされる」という久瀬の言葉が重たく響きます。確かにその通りかも知れない…。
私には何故、子供をそういう意味で愛する大人がいるのか全く理解出来ないし嫌悪感も確かにあります。一方同性愛者に対しては嫌悪感は一切有りませんし、なんなら疑問も持たずに、あー、そうなの、と思うタイプです。
ですが、久瀬達のように真剣に子供しか愛せずその事に対して本気で悩んでいる人達もいるのでは、と言う事には気付きもしませんでした。
だからと言ってこれに対しては、あー、そうなの、とは思えないわけで…。
悪いけどこっそりセメタリーまで持って行って貰うしかないなこれは…。
本作の凄さはエピローグにあります。
子供を愛する顔を隠した美男子、高級時計を腕に巻いた久瀬は傍から見れば家族を養う事に必死で老け込んでしまった親戚からも嫉妬をされる程に完璧な人生。
けれど久瀬は精神科医にしか話せない葛藤を抱え続けて生きていかねばなりません。
非常に余韻の残るラストでした。
木原さん一発目でガツンとやられました。この内容をこんな風に書き上げる勇気と筆力、他の作品も期待大です!
私信になりますがみんみんさん、ナイトガーデン完全版到着待ちです( ̄^ ̄)ゞ