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半田龍樹45歳。6年前、10歳の娘・彩華を殺害されたが、弁護側の情状証人として出廷し、極刑を望まないことを訴えた。妻とも離婚し、小さな居酒屋を始め、一見平穏な日常を送っているかに見えた彼が密かに行っていた「制裁」とは。
連続強姦魔、飲酒運転による轢き逃げで5人の命を奪いながら出所後も暴走を続ける男、妻へのDVで服役後も復讐を目論む男、人が死ぬ瞬間を見たいと人を襲い続ける男、少女たちをたぶらかし児童ポルノで大金を稼ぐ男・・・など、糞のような男たちが各章ごとに現れる。
帯に「黒く痛快な圧倒的エンターテインメント」とあるように、この作品は真面目な社会派小説ではない。先が気になってどんどん読めるという点ではエンタメとしては成功なのかな・・・。
確かにスカッとする部分もあるんだけど、これはこれで後味は悪い。「読後はなぜか救われる」とあるけど、そうかな?むしろ、この作品で救われた気持ちにならない自分を褒めてあげたい気がする・・・。
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愛娘を殺されながらも極刑を望まなかった半田龍樹は、妻とも別れ、小さな居酒屋を始めた。一見、平穏に流れる日々―。だが、常連客は知らなかった。龍樹の陰の“制裁”を。
イジメ自殺、レイプ、飲酒運転、DV、ネット私刑、連続通り魔、児童ポルノ…。
現実に起きた事件とリンクする凶悪犯行の数々と、犯人たちの独りよがりで身勝手な動機、被害者たちの苦しみが仔細に描かれる。
仮に服役しようとも、更生する気など微塵もなく、最終的には復讐や再犯に燃える人間が野放しになる。どれだけ疑問を抱いてもどうする事も出来ない不条理。
だからこそ私たちは、せめてフィクションの中だけでも「仕事人」を求めてしまう。
初めの内は「半田龍樹=仕事人」であると明確に描かれないが、居酒屋での鮮やかな包丁捌きや豚肉の下処理の描写が、演出として効いている。
愛娘を殺した上に屍姦した犯人(野島恭介)が、獄中死してしまう展開はやるせなかったし、何をどうすればいいのか見失った龍樹が暴走しないか心配だったが、本格的な闇落ちには至らずホッとした。
愛娘への気持ちや、龍樹の心情に寄り添い、支えになろうとする数名の人物が、彼をすんでのところで踏み止まらせたんだと思う。
とは言え、彼が背負ったものは余りにも重く、凶悪犯が始末されるシーンもスカッとすると言うよりは虚しさが大きかった。
せめてフィクションの中だけでも…と思っていたが、これ以上彼を闇一色に染めたくないと、心から願ってしまうラストだった。
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なるほど、デビュー作なんですね。
読んでてずっとオフェンシブな気分でした。
どす黒い感情が沸々と吹きこぼれてきて、でも残るのは虚無感なんですよね。
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02月-13。3.0点。
以前、娘を殺害された居酒屋の主人公。卑劣な犯人たちを始末していく。
必殺仕事人みたいな感じかな。最後はひとヒネり。
デビュー作らしく、少し急ぎすぎた感じがした。
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*お前は消えるべき人間だ。愛娘を殺されながらも極刑を望まなかった半田龍樹は、妻とも別れ、小さな居酒屋を始めた。一見、平穏に流れる日々―。だが、常連客は知らなかった。龍樹の陰の“制裁”を。卑劣な罪を犯しながらも逃げおおせた者を執拗に追跡し、淡々と運命の引き金を引いていく龍樹。黒い血に塗れた両の手は、やがて思いがけない事態を引き寄せてしまう。人間のダークサイドを容赦なく抉り、読後はなぜか救われる衝撃のデビュー作*
娘を殺した犯人に制裁を加える話かと思いきや、世にはびこる、反省のカケラもない極悪人たちを人知れず成敗していくお話でした。
この極悪人たちが、まあ本当に気持ちいいくらい最低最悪の自己中クズたちなので、制裁シーンは躊躇なく喝采。
ただ、「痛快なエンターテイメント」ではないかな…被害者たちの苦しみや諦めが克明に書かれているので、手放しでは喜べないと言うか。その辺のバランスが逆に巧いなあと思いました。ラストも満足。重い内容ですが、テンポも良く、さらっと読めます。
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犯罪やそれに類することをした人間を改心させることは難しい。
物語では悪い人が捕まってよかった終わり、がよくあるパターンだけれど、死刑にでもしない限りはその後があるわけで。
身内を殺された家族の心情は想像し難い。
犯人の死刑にしたいほどの憎しみ、それをしても死んだ人は帰らないという虚しさ、犯人とはいえ人に死ねと言う自分への拒否感もあるのかな。
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ハードな煽りの効いたあらすじに惹かれて読み始めたものの、話毎ゲストドラマ的な展開で骨太感はない。
流行りの私的復讐モノは嫌いじゃないし読みやすいけども、深みがないのよなぁ。特に後半にかけての超ご都合主義的展開は、大学生の自主映画の脚本のよう。
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※
プロローグとエピローグを除いた全7章。
身勝手で歪んだ欲望に幼い娘を奪われた
主人公の半田龍樹は、家族を失い
行き場のない思いを抱え小料理屋『彩』の
店主として暮らす。
逮捕されても反省することなく刑期だけを
満了して出所し同じ過ちを繰り返す者や、
捕まらないように狡賢く立ち回る者。
悔い改めない者へ突きつけられる
究極の刑と罰の物語。
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娘を殺された男は、加害者に極刑は望まなかった。
だが面会に訪れる度に他の受刑者の悪事を聴いていた。
そして、卑劣な罪を犯しながらも逃げおおせた者を執拗に追跡したあとは…。
淡々とおこなうことに罪の意識は⁇と感じるほどで。
言い方を変えれば成敗なのか…。
なんとも言い難いなと思ってしまった。
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読んでいて、過激な表現がけっこうあった
犯人達がヒドイので復讐もスッキリした感がありましたが、読み終わると虚しい気持ちになりました
現実にも似たような事件や事があると思うと
少し悲しくなりました