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やっと読み終わった。。読み終えるのに読者にかなりの忍耐力を要することになる、と作者が言っていたそうだが正に。「月長石」が類似作に挙げられてるけど、月長石はこういう忍耐は要らなかったな。
イギリスの歴史や宗教宗派に馴染みがないことも理由かも知れないが、それだけではない。最初の語り手コーラはいいとして、2人目と3人目がまあ何というか好きになれない。何で誰も彼も引っ叩く。。。耐えて読み進め(謎は気になる特にコーラが)、それを乗り越えた先にウッドが居てくれてよかったが、何しろ疲れ切っててちゃんと読めない。ウッドごめんよ。ザーッと読み飛ばして、終わってから読み直しました。
最後まで意味わからないジョークとか何を含んでいるのか分からないこともあり。
一つ言えるのはオビに書かれた「薔薇の名前」やましてクリスティとは異種だったということ。
宗教と歴史知って読むと全然違うんだろうなということ。
ちょっと疲れた。サラとウッド、コーラは心に残るかな。
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なかなか読み応えはあった ただ薔薇の名前とかもそうだけど、結構ディープなキリスト教世界の話が主要部分にあるので、僕のような門外漢には、その辺りがちょっとピンとこないかな
特に英国国教会とローマン・カソリックの確執とかさ、わからんよね
まあ全体としては良かったけどね
関係ないけど統一教会はキリスト教の系譜?から外されてるらしいね
まあそうだろうな
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上巻をよみおわってやっと話が少し見えてきた。
話の構成にビックリ、歴史的な内容にやや戸惑いながらも、読み終わったあとの満足感もひと味違う!
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下巻は暗号解読の達人である幾何学教授の手記から始まる。
上巻は、まずヴェネツィア人の医学生であるコーラの手記から始まったのだが、真面目でお人好しの好青年と思われた彼の姿は、ふたり目の法学生プレストコットの手記によって、いささか様相が変わってくる。
重大な事柄の記述漏れ、明らかな噓。
コーラはなぜ、ロンドンではなくオックスフォードにやってきたのか。
しかしプレストコットの手記も変だ。
尊敬する父の汚名を返上するための彼の行動は、どう見ても常軌を逸してきている。
ヒステリックなその行動を、彼は、さらに魔法をかけられたからだと思い、その魔法から逃れるために、サラを無実の罪に陥れ、死刑へと向かわせる。
そして下巻。
暗号解読の達人であるウォリスは国王に仕えたり、革命後はクロムウェルに仕え、王政復古3年後の今は再び王に仕えるという定見のなさ。
信仰も英国国教会から長老派、そしてまた国教会と行ったり来たり。
要はいつも勝ち組に乗る男が、コーラとプレストコットの手記を読み、その嘘を暴き真実を語る…ことになっているのだけど、これが過去最高に信用できない語り手。
とにかく自分の考えに凝り固まっていて、間違いを指摘されても聞く耳を持たない。
そもそも、最初にコーラの噂を聞いたときは、トルコの海賊にフィアンセを殺されて復讐の鬼になったがりがりに痩せた男だったはずなのに、目の前に現れた小太りの陽気な男をすんなり受け入れる感覚がわからん。
普通なら、「誰だ?これは」ってなるんじゃない?
もう偏執狂と言っていいくらい視野が狭い。(実在の人物なのに、いいの?これで)
最後の歴史学者ウッドが3名の手記の噓や矛盾を暴き、真相を解明するという流れなんだけど。
解明というか、彼は最初から真相を知っていましたね。
ただ、その意味を理解していなかった。
なぜならば、彼は人付き合いの苦手な世間知らずのお坊ちゃんだから。
噂が耳に入るのがいつも遅い。
そして、彼すらも、信用できない語り手だと思うのが、サラについて語る部分。
今なら正気ですか?と言えるその描写も、当時は本気で信じてはいるのだろう。
だけど、真実かどうかはちょっと疑問。
上巻はグローヴ教授毒殺事件の謎が物語の中心と思っていたのだけど、下巻に入るとイギリスという国の歴史の中のブラックボックスが中心になっていた。
王制と共和制、国教会とカトリック、そしてゆれるイギリス国内を虎視眈々と狙う周辺諸国。
どの語り手の真実も、事実から少しずつ乖離していて、最後まで読んでも全然スッキリしない。
だけど面白かったんですわ。
実在の人物が多数出てくるし、歴史がさらに負わせた過酷な運命には愕然とするけれど、続きが気になってしょうがない。
衒学的で難しい本なのに、ぐいぐい読んで、寝不足でございます。