投稿元:
レビューを見る
同期で産業中央銀行に入行した大企業の御曹司・彬と実家が町工場だった瑛。互いにその才能を認め合っている。バンカーとしてしのぎを削ってゆくのかと思われた2人だったが、彬の実家で異変が起こる。弟が後を継いでいた大手海運会社の経営が揺らいでいるのだ。
元はといえば、弟が半ば騙されて、系列会社を仕切る叔父たちが経営するリゾートホテルに巨額の出資をしてしまったのが原因だった。さらにその背景には、叔父たちと亡父との確執があり、兄である彬を見返したいと思う弟の焦りがあった。
そのうち黒字化するだろうという甘い見通しに反し、バブル崩壊後、リゾート関連の景気は冷え込んでいた。ホテルへの出資が足かせとなって二進も三進もいかなくなった会社の舵取りに、若い弟は心身ともにすり減らして倒れてしまう。
敷かれたレールに乗るのを嫌って、家業を離れてバンカーとなっていた彬だったが、やむを得ず、銀行を退職し、家に戻ることにする。
だがさて。
お荷物となったホテルをどうするか。叔父の会社はどうなるか。何より、系列企業の中心である海運会社をどう切り回すか。
問題は山積していた。
彬は、会社のメインバンクでもある自身の古巣の銀行とともに、この難局を乗り切る策を練る。銀行側の担当者は、よきライバルであった瑛だった。
下巻では、このリゾートホテルをどう扱うかが中心となる。
救いの神が現れそうになりながらするりと逃げてしまう展開でやきもきさせられるが、肝がすわって冷静な彬と、優秀で人情味もある瑛は最後まであきらめない。
後半になり、懐かしい人物たちが顔を出す。瑛の若い頃をじっくり描いていたのはこのためだったのか。若干無理を感じないでもないが、なかなか楽しいサプライズである。
実際の大企業の経営戦略はどんなものなのか。少々話が単純すぎないかと思う面もあるが、終盤、上司に「なぜ救済にこだわるのか」と問われた瑛の答えに、作品を貫く姿勢が集約される。
救えるものであれば全力で救いたい。
会社にカネを貸すのではなく、人に貸す
瑛が苦労の末にたどり着いた姿勢。それをバンカーの「矜持」と呼んでいるのかもしれない。
読み応えのある一大ドラマ。最後の風景の美しさも沁みる。
*下巻の表紙では、多分、右が御曹司・彬、左が苦労人・瑛ですね。何がそう思わせるのだろうか。でも、きっとそうw
投稿元:
レビューを見る
面白かった。
上下巻でふたりのあきらのうち、
上巻では山崎あきら、下巻は階堂あきらがメインな感じだった。
経営者や銀行マンというより、肉親のいがみ合いに終始して終わった感じだった。
もう少し、融資のところに展開を多く割いて欲しかった感じです。
投稿元:
レビューを見る
ジェフリー・アーチャーの『ケインとアベル』を思い出させる設定で始まるところ、よくあるパターンではあっても、ストーリー展開について読者の「期待」を裏切らないという意味で、引き込まれて読んでしまうが、エリートバンカーのタマゴとして二人が動き出すと、いつもどおりの展開となってしまう。まあ、池井戸はビジネス書でもあるから、それでいいか。
投稿元:
レビューを見る
映画の番宣見て、原作を読みたくなりました。
上下分かれてましたが2日ほどで読み終えました。
この作者の作品はどれもスカッとする展開ですが、この作品も登場人物のセリフなどの端々にそれが込められていて、ワクワクしながら読めました。
どちらの主人公もカッコよかったけど、彬に軍配が上がるかなぁ。
投稿元:
レビューを見る
面白かった!
二人の少年が成長していく様が丁寧に描かれており、大人になってからの二人に感情移入しやすかった。
ダブル主人公という設定も良かった。
産業中央銀行が出てきて、悪と対峙するあたりは、半沢直樹を彷彿させる。
ハラハラドキドキで上下巻をほぼ一気読みだった。
投稿元:
レビューを見る
産業中央銀行に入行した瑛と彬は早くも頭角を表し、着実にキャリアを重ねていった。しかし、あることがきっかけで彬は東海郵船の社長業を継ぐことになる。そこには、社の存続を脅かすような問題があった。
瑛はバンカーとして、彬は社長として乗り越えなければならない宿命に対して手を組んで立ち向かっていく。
その姿に、自分もそういう仕事ができたら…という憧れを抱かずにはいられなかった。
この小説の面白さの一因ではあるのだが、少し世間が狭すぎるような気がした。
投稿元:
レビューを見る
映画予告がおもしろそうだっため先に小説で読了。テンポ良く展開が進み、読み始めたら止まらない作品であった。2人のあきらの物語。育ってきた環境は全く違うが2人とも聡明でタッグを組んだ時はテンションが上がった。映画も見てみたい。
投稿元:
レビューを見る
上下巻と長編だが、スピード感があって
読みやすい。なんとなく食わず嫌いで池井戸潤さんの作品は読んでなかったが、長く愛されている理由がわかりました。
投稿元:
レビューを見る
2人のあきらがカッコいい。経営のことがよくわからない私でさえも夢中で読めた。
自分自身救うために、今この仕事に向かいあっている瑛、私もはっとした。私が精神科で相談員やっているのも、どこか過去の自分を救うためにやっているところがある。患者さん救うことがどこか自分を救っている感覚がある。
伏線回収も見事でした。
投稿元:
レビューを見る
ドラマでは分からなかった細かい描写やラストがあって、さらに良かったです。
一気に読み終わりました。とても良い作品であるこの本に感謝、そしてこれを考えて世に発表してくれた池井戸潤さん!ありがとう!!
金は人のために貸せ。この一言に尽きますね〜〜
バンカーってかっこいい!彬も瑛もそれぞれの運命に向き合って必死に生きていく姿が素敵でした。
投稿元:
レビューを見る
バンカーの熱い思いがあり胸が熱くなりました!
苦労をするとその分人に優しくなれると思わせる素敵な内容でした!
投稿元:
レビューを見る
んん?上巻からの期待があったというのもあると思うが拍子抜け。途中からは叔父の崇に不快感を抱かされっぱなし。最後の膨らみも弱く、思っていたのとは違ったし、駆け足で終わっていった。全体的に同じような内容を繰り返している感じ。個人的には読んでいてワクワクするものではなかった。
投稿元:
レビューを見る
推しの映画出演原作だったので映画公開前に読了
池井戸作品これまで読んだことなかったけど割とすいすい読める感じ
特に就職活動以降、銀行に入行してからのお話が面白かった〜
投稿元:
レビューを見る
映画化がきっかけで読んでみた作品。
池井戸潤の作品は意外と知ってるものが多く、花咲舞がだまってない、半沢直樹などなど。
大企業社長の息子である彬と、小さな工場社長の息子である彰が
投稿元:
レビューを見る
映画を観たので流れは大体分かっていたが、原作ではアキラとあきらの背景がより鮮明に描かれていて面白かった。それぞれが問題に立ち向かう姿に元気をもらった。映画と内容は少し違ったが、どちらも存分に楽しめた。