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投稿者:fuku - この投稿者のレビュー一覧を見る
虐待とはいかなくても、不適切養育を受け、生きづらい人に向けた本。
個人的にとても救われた箇所は、
【未発達の親から愛をもらうのは難しい。それよりも、自然や動物、
友達からたくさんエネルギーをもらって乗り越えていくほうが賢明。
様々なものから生命力を育んでね】
という部分。
親の不完全さとそれが子ども時代の自分に及ぼした影響を理解しつつ、
でも親と直接対決するのではなく、自分が幸せになることに集中すべき
なのだと学んだ。
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紹介
「不適切養育」の呪縛から逃れるには? いま注目される、生きづらさ、自己不全感を抱える「発達性トラウマ」をポリヴェーガル理論に基づく神経系システムから解きほぐす。身体に刻まれた記憶と向き合うための実践的ヒントを提示、トラウマ後成長を目指す。
(版元ドットコムより)
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題名だけ見ると「自分は関係ない」と思うかもしれないけど、
「おおらかでいられないことがある」と感じる
ほとんどの人がこの本に助けられると思う。
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自分の生きづら、今まで格闘してきたことが、じわりじわりと癒やされていくいい本でした。「よくここまで来たね」と言ってくれる感じ。名言がつまってます。クライエント側が読めるようになるべく平易な言葉で書かれた本、とのことで、それでもちょいちょい難しく思うこともあるけど、これなら読めるかな。しかし引用文献からみても経歴から見ても、全く違う仕事をしていた筆者が、自分の苦しみと向き合い、癒される術を求め、国内外の文献をかきあつめ探ってきた猛者なのだということがわかる。すごい人に出会った。一応私もセラピストの端くれを名乗る者なので、当事者ながら、これからも学びを深めていきたいと思う。
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ポリヴェーガル理論についてとても分かりやすい表現で説明されていて、すごく良かった。花丘先生の著書を読むのは初めてだったけど、感じが良くて好感が持てた。他の著書も読んでみたい。
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自らも当事者であり、同時通訳者から心理学への道へ入るという経歴の 花丘ちぐささん著。
発達性トラウマとポリヴェーカル理論について書かれた本です。
ポージェス博士のポリヴェーカル理論について、一般向けに優しく書いた本、とのことですが、読んでみて感じたのは
・基本的なアウトラインの理解がある方が(当然ながら)読みやすい
・全く知らない状態から読み始めた人にとっては、あやふやな知識だけで終わりやすい(それでどうしたらいいの? となるかも)
・行間やフォントなど、一般向けに作られたのだろうなという工夫を感じる
・とはいえ、もう少し図やイラストが多い方が一般向き書籍になりそう(羅列されているだけの治療法は蛇足に感じる)
ということです。
ずらずらと並べましたが、個人的な感想として
●前知識がある人にとっては中途半端
●前知識全くない人にとっては難しい
という感じになりそうだという印象でした。
著者としては「ここまで入れたい」という情報がきっちり詰め込まれているのだろうな、と思うのですが、全く前知識がない一般読者向けなら、発達性トラウマを持つ人の具体例だけでなく、ある程度自分の傾向が知れるチェックリストとか、項目別の一覧みたいなものがある方がより理解は深まりやすいんじゃないかな? と思いました(様々な制約があって掲載されていないのかもしれませんが……)。
途中、ソマティックなセラピーというのをずらーっと挙げている(だけ)のところがあるのですが、これなんて「知らない人は自分で調べてね」「こういうセラピーもウチはしてます」という印象を受けました。
私は自分について知りたいと思っていてこの本に出会った一般人読者ですが、この本を読んでいて「誰向けの本なんだろう?」という印象を受けました。当事者が読んで理解したうえで、精神科やセラピーにかかる足掛かりでしょうか、当事者の親向けなのでしょうか。
それとも、医療職や介護職などの「当事者ではないが当事者と関わる可能性のある人」向けでしょうか。
それとも、本を出すために世間一般に向けて知識を周知するためなのでしょうか。
私としては、この本は当事者向けではないと感じました。知識として知って腑に落ちるだけで楽になる人はいると思いますが、「これは著者の辿ってきた軌跡であって、心理学の分野で著者が得た知識であって、でも切り貼りされた記事のようなもの」と感じました。
私はこれ以前に『身体はトラウマを記録する』(べッセル・ヴァン・デア・コーク 著)を読んでいたので、余計にそう感じたのかもしれません。
この本を読むかどうか迷っている方にとって知りたいのは、
・発達性トラウマとは何か
・どういった症状が出るのか
・対策、治療はどうしたらよいのか
ということだと思います。
本書は上2つについてはしっかり説明されていますが、実際のところ、発達性トラウマというのは、この本を読んで解決するという類のものではな���と思いました。
本書に掲載されている、自分でできる対応としては
・歌を歌う
・散歩や運動をする
・座り仕事から自由になる
・神社仏閣など崇敬の念を感じる場所を訪れる
・動物とあそぶ
・ヨガ・ダンスなどをする
・笑う
・栄養バランスをよくする
・自律訓練法
・あそび
・体に触れるリラクゼーション
・3つの良いことを振り返る
といったものが掲載されています。
自律訓練法や「あそび」についてはさらっと触れられる程度で、本格的に知るなら別の書籍を当たらなければならない(この本だけでは不十分)と感じました。
この本の活用方法としては、
・当事者にとっては、全体像を理解したうえでセラピーにかかる、自律訓練法やあそびについての本へと続く中間地点となる
・医療職など当事者と関わる可能性のある人にとっては、全体像をおおまかに理解する(ポリヴェーカル理論についてざっくりと知る)
というところでしょうか。
具体例をあげている部分で、「親が発達性トラウマを持っているかもしれません」と何度も本文中に出てきますが、その親本人が具体的にどういうことをしたらいいか(発達性トラウマに何ができるのか)、ということは記されていません。(=読者層に親は含まれていない?)
ポリヴェーカル理論について知りたいと思い、いろんな本に当たっているのですが、この本は特に誰におすすめとか、刺さるとも言えないですね。
強いて言うなら、表紙がゆるふわでとっつきやすい、手に取りやすい。でも、本文にはかなり主観が強いように感じましたし(著者が当事者だからというのはあるかも)、著者の経歴を知らない人からしたら「うーん?」という感じが否めないです。専門書でもないし、一般書というのともちょっと違う気がします。
買う前に図書館で借りるか、書店で中身を少し見せてもらう方が良いと思います。
参考になれば幸いです。
***蛇足*************
私は歴史は詳しくないし、思い違いかもしれないですが、著者は「われわれは狩猟採取民」という言葉を何度も用いています。
「それって日本のこと? 日本人は農耕民族じゃなかったっけ?」と疑問に思いました。
これについても後々調べてみようと思います。
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脳生理学や認知心理学のアプローチとはまた違うトラウマ治療。神経が原因になっているという説明は納得度が高い。とても可能性を感じる内容だが、現状の原因に特化していて具体的にどうすれば良いのかまでは言及されていなかった。
もう少し情報が欲しいところだが、本書だけでも助かる人は多いと思う。
<アンダーライン>
・トラウマは手続き記憶。だから頭では理解できても体が固まってしまう。
・PTSD状態に陥ると、神経系が常に警戒している状態になる。
・発達性トラウマを抱えている人は「普通の人のふりをしているだけでへとへとになってしまう」
・毎日3つのいいことを寝る前に考える。神経系を一撃で楽にする方法はない。
・ライオンに襲われてもPTSDになるシマウマはいない。
・小さいころから安全だと感じたことがないために、自己イメージが歪んでしまったのです。
・トラウマを抱えている人は「今・ここ」を感じないように生きている。そんな状態の人が「今・ここ」を感じようとするとフラッシュバックを起こしたり・激しい反応を起こす可能性がある。
・あなたが悪いのではない。
発達性トラウマを持つ人は、生きづらさを抱えていることについて「自分が悪い」と思っています。しかし、その人が悪いのではなく、その人が子供だった時に悪いことが起きたのです。その人が失敗したのではなく、その人の親が失敗したのです。親の親も失敗しました。
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セラピストがクライアント向けに書いた、ポリヴェーガル理論の本です
噛み砕いた説明で分かりやすく、1冊目に最適でした
副交感神経にメスを当てており、リラックスだけでなく心拍数や呼吸数が下がるストレス反応を起こす背側迷走神経という理論があるそうです
正しいかどうかは分かりませんが、自身に起きているトラウマ反応に説明できる材料になります
脈絡なく侵襲してくるフラッシュバックに、「背側迷走神経、乙〜」とクッションを挟んで対応することができるようになりました
フラバなどのトラウマ症状を、理論立てて解けるようにすることで、性格と病状を離して捉えやすくなります
花丘ちぐささんの「トラウマのしっぽ」解釈は私も好きで、恥を除いて自責から放ってくれるような言葉が添えられていて、読んでいてホッとしました
挙げられる事例が、ほぼ毒親の類型なのは他の読者の通り目につくことも分かりますが、分かりやすさ重視であえて絞っているそうです
たた量を削って理論説明に紙幅を割いてくれたほうが嬉しかったかなとは、確かに思いました
まだポリヴェーガル理論の1冊目で、軽い理解に留まっています
これから自己理解、症状寛解に向けて他書籍にも手を付けてみようと思いました
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【要約】
■ポリヴェーガル理論とは
ポリヴェーガル理論とは「複数の迷走神経」を表す。人間には交感神経と副交感神経があるが、副交感神経には消火や休息を促す背側迷走神経系と人と関わることを促進する腹側迷走神経系があるという理論。哺乳類にとっては、他者との関わりやともに分かち合って生きることが不可欠であり、それがうまくいかないと精神的にも身体的にも不調が現れるとした。
■自律神経系の切り替え
交感神経系・・・闘争、逃走の反応
背側迷走神経系・・・凍り付きの反応
腹側迷走神経系・・・思いやり、助け合いの反応
周囲の環境や相手の様子を無意識のうちに評価し、その状況に合うように生理学的状態(神経系の状態)を調整している。
「安全」「危険」「命が脅かされている」といった合図によって切り替えるが、トラウマを抱えている場合、本来なら安全であるのに周囲に多くの危険信号を読み取ってしまうこともある。逆に危険を読み取れないこともある。
■不適切養育と自律神経系の関係
幼いころに養育者からの適切な関わりがないと、腹側迷走神経系が十分に発達せず、交感神経系が優位な「高止まり」の状態や、背側迷走神経系が優位な「低止まり」の状態、または両方を乱高下するといった神経系の調整不全の状態になりやすい。→「メンタルが弱い」のではない。神経系の調整をうまくする方法を身につけていない。
■今からでも腹側迷走神経系を発達させるために(トラウマからの解放)
身体に刻み付けられたトラウマを解放していくことは簡単ではないが、少しずつ自分に「快」の感覚を与えていくことで、大人になってからでも腹側迷走神経系を発達させることは可能。「安全である」という感覚を膨らませていく。
例)散歩、自然、寺・神社、動物、ダンス・ヨガ・スポーツ、笑う、歌う、聴く、あそび、腸内環境、良かったこと探し、タッチ、セラピー・・・
■注意すること
ポジティブ思考(認知を切り替えよう的な)、マインドフルネスは、自罰的になったり「今ここ」によりフラッシュバックするかもしれないので注意が必要。トラウマ専用の手法を用いた方が安全。
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ようやくこの本を読めるところまできました。
ポリヴェーガル理論と、具体的な状況のつながりがイメージできる内容でした。
巻末にあるキーワードの整理がとてもわかりやすく、理論の復習や確認のためにとてもよい内容だと感じました。生理学への理解をさらに深めたくなる一冊でした。