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2020.11.11読了。
帯の内容を見てミステリと思っていましたが、想像とは少し違っていたかな…
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茶畑探偵事務所に正木エンジニアリング会長・正木氏から持ち込まれた調査依頼は、「前世で私を殺した人物を見つけてくれ」というものだった。
正木氏は、夢に見たという前世の事件を語り始める。前世などはなから信じていない探偵・茶畑だったが、適当に調査して法外な調査費用だけ頂こうという事務員・毬子の口車に乗り調査を進めるうち、次第にその夢が実際に江戸時代にあった史実と不思議に合致していることに気がつくのだった‥‥
冒頭から想像していたのとはなんだか違う展開になっていく物語、どこに連れて行ってくれるのか興味津々で読み続ける。
だけど、江戸時代の水利争い、山崎の戦い、太平洋戦争末期、昭和40年代などどんどん出てくるエピソードが次第にとっ散らかってきて、話がどこへ向かうのかが見えなくなる。
人がたくさん出て来るけど放置されていたり、会社乗っ取りの話も結論は分からず、メキシコマフィアの問題も中途半端‥‥
で、前世、生まれ変わりに話は収束し、最後はわりと唐突に終わる感じが否めない。
ん〜、作者が伝えたかったメッセージはなんとなくわかるんだけど、もう少し決めの細かいストーリーにして欲しかったな〜残念
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この作品を読み終わって、とんでもないものを読んでしまった感覚になっています。
貴志祐介さんは元々好きで、新しい作品ということで嬉嬉として軽い気持ちで手に取りましたが、思っていたのとはまた違う方向ですごい小説でした。
今までのエンターテインメント性の高い作風とはすこし違った感じで、読者の思想や内面に語りかけてくるイメージ。
もちろん、ストーリーはストーリーとして楽しめますが、かなり攻めた、試験的で挑戦的な作品だなぁという印象が強いです。
わたし的に、今年いちばんのヤバイ本でした。
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死生観をテーマとした作品
孤独のレベルや日常生活で一般人が経験する出来事のレベルを限界突破し過ぎているせいか、現実的な想像が出来ず、やや読者が置いてけぼりを喰らった感があります。
けれどもそれくらいがいい。
そのくらいぶっ飛んでいる方が読んでいて爽快でした。
読了後も自分の死生観について考え直させられ、作品の余韻を味わっています。
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著者の久しぶりの作品。
伏線の回収もなく
唐突に終わるラストはあまりにも酷い。
各々のエピソードは面白いから余計残念感が増し増し。
今年ワーストに決定。
今年の文芸は不作、単行本高いし
様子見してから購入しようと決意させてくれた一冊。
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評価見るとあんまり良くないなぁって少し不安やった。けど私は好き。
貴志さんのお話、ホラーSFファンタジーっていうイメージがあるのやけど、なんかちょっと新たな試みのようにも感じた。
人は死んだらどこに行くの?とか、私って何?とか、前世や後世に興味がある人は楽しめるんちゃうかな。「物語が綺麗に終わる」のが好きな人にはしんどいのかも。
結局この本が言いたいのは、人は皆孤独であり、孤独ではないっていう矛盾していることなのだから。物語は永遠に続くのよ。
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壮大な「世にも奇妙な物語」を読んでいるようで、読み終わった後、不思議な浮遊感を味わっていました。
また、改めて題名に着目すると、深いテーマであり、全てが集約されているなと思いました。
内容としては、「前世で殺した犯人を探す」と「失踪した自分の探偵事務所員を探す」の二つが主軸となって進行します。基本的にはハードボイルドに仕上がっていて、残虐シーンも含まれています。スマートに鮮やかに描かれていて、貴志さんの「悪の教典」を彷彿させる空気感でした。
恐怖はあるものの、爽快さも加わった感じでしたので、不思議な感覚がありました。
前世の犯人を探すという奇抜なストーリーにどう展開していくのか、興味津々でしたが、結局明確な答えはなく、モヤがかかったような感覚になりました。
失踪した所員の方は、理解できましたが、テレパシーのような解き方でしたので、奇抜といえば奇抜でした。
そして物語の着地点はどうなるのか、読み進めてみると、究極で壮大なテーマへと発展していくので、なかなか難しいなと思いました。読み始めはミステリーという印象でしたが、終わりはスペクタクルなストーリーに着地されている印象でした。その点では「新世界より」に似た世界観があって、面白かったです。
ただ、個人的にはミステリー小説として楽しみたかったです。
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前世で自分を殺した犯人を捜して欲しいという謎の依頼を受けた探偵、茶畑。前世など信じないながらも調査を進める過程で気づいてゆく違和感。サイコパスな幼なじみのやくざ、凶暴なメキシコマフィアなど、狂気入り乱れる展開。拷問や殺害のシーンはとてもグロテスクで一体自分が何を読まされているのか?疑問に思うほど。簡単なミステリーや探偵ものではなく精神の話へと突入してゆく。途中書きっぱなしでその後どうなった?みたいなシーンや人物が多く出るけれど、おそらく著者が描きたかったのはもっとざっくりとした精神世界観なんだろうな。一気読みできたけれど、読後感はよくない。それも作戦か。
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偶然にも、ここのところスピリチャルなものに関心を持っているという個人的な事情から、ほんとうにハマり、楽しんで読めた。1か月前なら「前世、未来世、転生(生まれ変わり)」が主テーマのノワールなんて、貴志先生どうしちゃったんですか?という感想になっていたのではないかと思う。
この時期に読めたことはまさに「引き寄せ」ではないだろうかとさえ思った。(危ないでしょうか笑)
逆に、スピリチャル的なものに嫌悪感を持つ読者には受け入れられないだろうなぁとは思う。
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◆おすすめ度◆
・輪廻転生なホラー小説度:★★★★
・サイキックなオカルト小説度:★★★
・暴力行為が強烈なノワール小説度:★★★★
◆感想◆
探偵の茶畑は、「前世で自分を殺した犯人を捜してほしい」という依頼を受ける。前世などあるわけがないと思っていた茶畑は、依頼人の正気を疑うのだが…
探偵の茶畑が、前世で起きた殺人事件を調査するというオカルティックなストーリーがメイン。
そこにサイコキラーや霊能力者、麻薬組織などのアブナイ人たちが登場して、ノワールな側面もあるエンターテイメント小説に。
というか、ノワールな内容がメインになっている感も。
前世はあるのか? 誰が犯人なのか?
人が人にふるう暴力は、なぜ最悪の愚行なのか?
「我々は、みな孤独である」という表題の意味は?
広げた風呂敷はどう畳むのか?というのが最大の興味となって読み進むが、SFぽい味付けもある想像を超えた結末に唖然。
これは、愛が孤独を癒やすということ?
生きる苦しみは自己愛が救うということ?
残酷な描写は鳥肌モノですが、ラストは遥かな未来を夢想するような感じ。
著者らしいジャンル分け不能のエンターテイメントでした。
本書で学んだ教訓:女性のオッパイは、やたらと揉んではいけません。その後を見据えた覚悟が必要です。
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これはまたなんというか……苦手な人ジャンルの小説でありながら、引き込まれて読み進めちゃう感じで、貴志ワールド全開。
初期の頃の作品が大好きない私としては、なんだか貴志さんは遠いところへ行っちゃった感じではあるんだけど、この世界観を書いて読ませられる作品に仕上げてるのは、さすがだよなぁ〜。
猟奇モノよりトラウマになりそうwww
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探偵の茶畑の元に、前世で自身を殺した犯人を捜してほしいという依頼が舞い込む。その話をした霊媒師に話を聞きに行くと、茶畑も徐々に前世が見えるようになる。依頼人の前世を調べるうちに、前世の様々な矛盾が明らかになる。前世とは何なのか?かなり哲学的な話になっていきます。途中幼馴染の暴力団員とメキシコマフィアとの構想に巻き込まれたりと、かなりえぐい描写もあるが、貴志さんらしいと言えるのか?ネタバレすると、最初の話もなんでもありになるので、どうなのかなとも思います。すっきり感はないかな・・・
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夢に見た前世で起こった殺人事件の犯人を捜してほしい、という奇妙な依頼から始まる物語。前世は本当にあるのか、という馬鹿馬鹿しいような問題を突き詰めていくうちに、次々と前世の夢を見始める関係者たち。夢と事実との合致に加え、前世が重複するという奇妙な現象。怪しげな占い師の警告。さらにはメキシコマフィアとの息詰まるような攻防も加わり、いったいどういうジャンルの物語なのかがわからないけれど、とにかく怒涛の展開に引き込まれてしまう一作です。
ミステリのようでもあり、SFのようでもあり。宇宙の真理にも到達してしまうような恐ろしい物語。というよりこれを恐ろしいと捉えるべきなのか、それとも救いと捉えるべきなのかは人によるのかもしれません。これを「孤独」だと認識してしまったらたしかにたとえようのない恐怖ではありそうですが。丹野のように吹っ切れてしまってもそれはそれで恐ろしいのかも。
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我々はみな孤独である、の反面人類全てが繋がってしまう。本書の装丁画が全てを物語っている。読んでみて改めて装丁の良さに気がつきました。
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ミステリーかと思いきや、思わぬ方向に進んでいきます。確かに、自分がなぜ自分なのか、という疑問は考えたことはありましたが、、、。
覚醒するということがどういうことなのか、死よりも恐ろしいものとは?後味はあまり良くはない、、、。なんとなく不安にさせられる。かなり好き嫌いが分かれそうな作品でした。
全ての線を曖昧にしてくるから、不安になるのかも。よくこんな作品を書けるなぁと思います。境界があるからこそ、保っていけるものがある。それを壊して全く別の領域に到達した感がありました。うまく言えないですが、、、。
すごいけど、しばらくは、もう読みたくないかも、笑。