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途中までは退屈で、うーんイマイチかなぁって思いながら読んでいた。中盤以降話が盛り上がってきて、最後までがっと読めました。それでも面白かったかと言われると・・・。
文章を読ませる強さを感じなかった。ページめくりてぇとはならず。
ミステリーとして納得感はあるが、スッキリも驚きもしなかった。
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初投稿・本受賞作で作家デビューした友人のご家族に拍手を。
ユーモアとニッチな知識がちりばめられた文章。
テンポ良く、読み進め易いのも久しぶりの読書にピッタリ。きっと才能ですね。
読了して、「…あれ?」もう一度ページをめくってしまうのは本格ミステリの証拠だと思った。
読み解こうと挑んで、まんまと騙されてしまいました!
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物語としてはおもしろく、読後感もよかった。
が、五色の謎にひかれて読んだのに四色は想像した通りで驚きがなく、最後のしかけも伏線が丁寧というより露骨なので序盤で気づいてしまった。
誰でも想像できることをひねりなく検証するだけがロジックではないだろう。本の帯に切れ味鋭いロジックとあったので期待値が高まり、辛口の意見になってしまった。
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2時間サスペンスを見ているような感覚で、日本語ならではのユーモアや奇想的発想があって、面白かったです。
介護施設で起きた殺人事件。逃走する犯人を目撃したが、5人がそれぞれ異なった色(赤、緑、白、黒、青)の上着を着ていたと証言する。さらに被害者を殴った凶器が見つからず。この謎を介護士・メイが推理していきます。
5色の目撃証言をどう収束していくのか、また凶器は何なのか?どこへ行ったのか?と興味をそそる内容にどう展開していくのか気になって、しょうがありませんでした。
ミステリ好きだけれども、素人ならではの好奇心や行動力が、コミカルで面白く、さらに恋愛に発展⁉︎という要素も加わり、色々と組み立てられているなと思いました。
そして、結末へとそれまでの伏線を回収するかのように鮮やかに描かれていて、爽快でした。
全ての真相が分かった瞬間、「ややこしい」と言わずにはいられませんでした。思わずツッコミを入れたくなりました。
でも、日本語としての面白さを上手くミスリードさせていて、凄みを感じました。
今までの受賞作品と比較すると、驚きの発想とまではいかず、小粒で地味さが個人的に際立っている印象でしたが、言葉を巧みに使っているという点で楽しめました。
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第30回鮎川哲也賞受賞作で、色にまつわるミステリー小説。介護施設で殺人事件が発生して、犯人が目撃されるのだが、目撃者の5人の老人の証言では犯人の服の色が「赤」「青」「白」「黒」「緑」とバラバラの5色だということで捜査は混乱する、施設の従業員のメイは独自捜査で犯人を見つけていくことになるが… 色の謎はだんだんとあかされていくが、最初の方でわかりやすい伏線が張られているので、序盤で犯人に気づく人もいるかなといったところ。
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第30回鮎川哲也賞受賞作。高齢者介護施設で起きた殺人事件。目撃情報は5人の老人による犯人の服の色のみ。ただしそれは5人とも別の色だった…。きちんと伏線をはり、文章も綺麗で読みやすかったです。舞台が介護施設であっても無理に社会派を盛り込んだりせずに好印象でした。消えた凶器の謎なども含め、特定状況のトリックはなるほど、と思えるものですが、丁寧ゆえにしっかりと拾って読んでくると展開がわかりやすいのが勿体ないかなと思います。後味は好みです。今回は少し軽めでしたが、今後どんなものを書かれるのか楽しみです。
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最初は文体が合わなかったのか全く物語が頭に入ってこず、読むのをやめそうになってしまった。でも頑張って読み進めていると後半は先が気になりスイスイ読めた。5人の目撃者の証言した犯人の洋服の色が全員違う!なぜ!?というところから、名探偵ならぬメイ探偵とハルが時間を調べていく。最後はなんと!そこ!?っていう意外な仕掛けがあり、楽しい読書時間だった。
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鮎川哲也賞受賞作。介護施設で起こった殺人事件の謎を描くミステリ。一見何のひねりもないシンプルな事件のように思えますが。食い違う目撃証言、消えた凶器の謎、といった点が地味ながらも案外とわからなくって引っ張られます。そして後半ではさらに起こる事件や、事件の真相を追う主人公に迫る危機といったサスペンスフルな展開にぐぐっと引き込まれました。
とある錯誤の部分についてはわりあい早くに気づけたので、犯人「だけ」は即わかったのですが。しかしそれでも証言が違う謎とかが引っかかってお手上げでした。でも解決編を読んで深く納得。きっちりとしたロジックに感服。そして凶器の謎にもなるほど、と。細かい要素に関しても、読み返してみるといろいろ伏線があったのですね。そしてあの人たちのダブル勘違いも微笑ましくってほんわかしてしまいました。
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東京創元社からのメールで気になっていたこちら。第30回鮎川哲也賞受賞作品。
目撃証言がバラバラだった。十人十色ならぬ五人五色。「誤認五色」ってタイトルから改題されたもの。殺人現場は介護施設。目撃者は短期記憶が不安定な高齢者ばかり。容疑者の服の色が赤、緑、黒、白、青…。そして凶器喪失の謎。
介護施設あるあるがふんだんに盛り込まれている。同業なのでその現場が目に浮かぶ。今回のトリックは途中で分かってしまった。ちょっと嬉しいのは伏せておこう。だが分かったからと言って面白くないわけではない。今後も期待の作家さんだ。
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登場人物が多く、メモを取りながら読み進めた。それが功を奏して、謎を解くための違和感を明確にできて、事件の真相に迫れた。色の表現など言葉のトリックにうまく騙された感じで、楽しめた。介護施設が舞台であることをうまく使ったミステリーだと思う。殺人事件発生時には、謎について「さっぱり分からん」だったけど、作者が物語中で出されるヒントによって「おお、これはこういうことか」となる。ひとつひとつ謎が解けたときの爽快感を得られた。第30回鮎川哲也賞受賞作品。
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軽いタッチで読みやすかった。介護施設で事件発生。そこで働く職員が謎を解き犯人を暴く。ありがちな設定だが、突飛さがなく安心して読了できた。
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第30回鮎川哲也賞受賞作です。
介護施設の中で殺された利用者。犯人を目撃した五人は、犯人の服の色をバラバラに証言して…。
新人作家さんとは思えないくらい面白かったです。次作も楽しみです。
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第30回鮎川哲也賞受賞作。
高齢者介護施設〈あずき荘〉で利用者の老人が撲殺された。逃走する犯人と思われる人物を目撃した五人の利用者は、何故か服の色について「赤」「緑」「白」「黒」「青」と全く違う色を証言した。
〈あずき荘〉で働くメイは、同僚のハルが密かに片想いしている男性が容疑者になっていることからハルに強引に頼まれ、彼の無実を晴らすために共に事件について調べることに…。
タイトルからしてこの異なる五色の謎こそが肝なのかと思ったら、そこではなかった!
改めて言葉の面白さを知る作品ではあった。これは小説ならでは。映像でも表現出来るかも知れないが、やはり文字で追うから驚きもある。
とは言え、読んでいくと違和感アリアリなので丁寧に読んでいけば早い段階で事の真相に気付く方もいるのでは?と思ってしまった。
綾辻行人さんのある有名作品を彷彿とさせるところもあるし。
文体やセリフは軽快で読みやすい。ただ個人的にはメイだのハルだのという呼び方が苦手でなかなか入り込めず、中盤からようやくエンジンが掛かってきた感じ。
登場人物が多く、介護スタッフやよく宿泊するような常連利用者に加え、訪問介護だけデイサービスだけの利用者、利用者を訪問に来た家族など出入りが激しいので事件当時の状況を把握するのに時間が掛かってしまった。しかしこれは作家さんの敢えての仕掛けだから仕方ない。
探偵コンビがいわゆる天才的ひらめき型ではなく、一般人の女性たちであり地道な捜査がなかなか成果を上げないというのが新鮮。介護施設ならではの謎解きもなかなか。
ただ事件を複雑にしたその原因は…。やはりこの施設にあったと言えるだろうか。
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イツキさんはこの人ではなくもう一人の人だろうな、和子さんが2人いるんだし…ということは早く分かっていた。フジさんもメイさんの名前を思い込みで勘違いしていたこと、お互い本当に言葉が足りなかったですねのところはとてもよかった。読みやすく面白かった。表紙の絵もきれい。
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介護施設で起きた殺人事件。その5人の目撃者は、犯人が来ていた服を皆別の色だと証言した――
という明確に不思議な謎を最初に提示して、事件の真相に迫っていくストレートなミステリです。受賞作だけあってソツなく、誤認に関してもうまい種明かしが施されています。
また、介護施設が舞台なので、介護問題や高齢社会に言及がありそうな、言ってみれば社会派、重たげなものが含まれているかと思いきや、まったくなく、あくまで事件が起こったのがたまたま介護施設で、その特性を生かしたミステリに過ぎない、というフラットなスタンスがとても読みやすかったです。じっくり諸問題と向きあうフィクションと、そうでないものも存在していいと、そう思います。
主軸のひとつである主人公ととある男性の恋愛模様…にはちょっと乗れなかったというかそこは王道で典型だなと感じてしまったのですが、総じてすっきりと読みやすいお話だと思いました。