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「ブスのくせに」で波長があう人だなあと思っていた姫野氏。新聞の書評に載っていたので図書館へ。学年が2つ下でオビには「共学でえ」とあり女子高育ちの自分には状況が理解できないかもと思ったが、やはり共学と女子高ではまったく違う高校時代が展開していたのだった。
文体が合わなかったかな。ポルナレフが出てくるところを飛ばし読み。そうか、京都会館のポルナレフ公演に行ったのか、高校生で。高校の時コンサートに行くなど考えもつかなかった。シェアハウスにいる現在の私と、滋賀県の高校生の私、の生活が交互に。
何の気配りもいらない女子高生活。その後の職業人生において、今思うと、女子の誰もが主人公になれる環境であった。
姫野カオル子HP 最新ニュース 書評
http://himenoshiki.com/himefile/info.htm
2020.11.19発売 図書館
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序盤,期待したほどじゃないなぁという感想だったけど,途中からどんどんはまってきて,理由は分からんけど何度も泣きそうになった。私もおんなじだな助けられてたなって思う。
知らない固有名詞が多くて,何度か検索した。同世代の人はもっと分かるんだろうな。羨ましい。
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年をとってから、シェアハウスでの生活を始めた、乾明子が主人公。
どんな展開かと思いつつ読み進めたが、主人公の高校時代を振り返る話が続きます。何が起こる訳ではないが、なんか良かった。
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ほぼ同世代の、それも同じ関西圏が舞台、分かる、分かると思いながら読んだ。
私は高校3年間、クラスが変わらなかった。よって仲のよいクラスだった。
最近はほとんどないが、少し前までは頻繁にクラス会もあった。
自分の青春時代を思い出した。
そんなこんなで面白く、可笑しく読んだ。
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昭和33年生まれの女性が、令和2年に自分の高校時代を振り返る。
この主人公は、私の母とほぼ同年代だ。
主人公は滋賀県の公立共学校だったけれど、私の母も、東北の公立共学校でこのような青春を送っていたんだろうか・・・と、当時の流行り物やテレビ番組などの記載があるたびに、なんとなくおかしくて楽しく読みました。
この主人公がさっぱりした性格で、感傷的でなくいところも良かった。
「今なら・・・、誰だろう、たとえるなら。小松菜奈か。彼女はちょっとふしぎでかっこいいと、異性よりも同性から高い人気があるが、私が青春に在った時代、その立ち位置は秋吉久美子だった。」(13ページより)
私はこの文章で心を射抜かれてしまった。
私が生まれる前の時代にも「若者」はいて、若者に「推し」がいた、ということを、この文章を読んで、急に生き生きと感じられはじめたのが、この文章だった。
少し脱線するようだけど、私は「堀北真希」が大好きだ。
女性の私が女性芸能人を自分のミューズとして掲げることについて、なかなか異性からも同性からも深く理解されないんだけど、昭和50年代にも、秋吉久美子をミューズ視していた本書の主人公のような女性がいたことにすごく共感した。
いつの時代でも、そういう人間はいるんだな・・・って。
そして、最後の章も良かった。
「これからいっぱい良いことある」とすら思わないのが青春真っ只中ということ。
すごく共感した。
なぜそれがそんなに面白かったのか、振り返ってみても分からないようなことの繰り返し。その毎日が青春なんだと思う。
人生の中のそのような時間が、もう自分の後方に去ってしまった主人公の、軽妙な哀愁。
まだ人生なかばですが、青春時代はとうに過ぎ去った私の心にも、しんみりと染みました。
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いつもの姫野節なので、慣れない人にはちょっと読みにくいかもしれないが、面白かった。
姫野さんぽい特殊な家庭で育った女性が語り手で、昭和50年頃の高校生を描いている。
同世代の人は、「わかる~」っていう文化満載。
ちゃんと当時人気だった俳優の名前が書いてあるので、わからない人はググると良いと思います。
欧米の俳優の名前がたくさん出てくるけど、当時の高校生は、洋画よく見ていたし、今ほどハリウッド大作ばかりが話題になってはいなかったから、アメリカ以外の俳優も多い。洋楽(欧米のロック、ポップス)を聴くのがカッコいいという雰囲気もあったし、翻訳もの(わかってなくても哲学書とか難解な文学作品)を読むのも同様にカッコいいことだった。
今は当時より、文化的嗜好は内向きになっている感じがする。
個人的に面白かったのは、肌の色を文庫の表紙(カバーを取った本の地の色)にたとえているところ。
日本人の色白の人は、新潮文庫。北欧の人は、角川文庫を薄めて昔の岩波文庫のグラシン紙をかけたみたいとか。(P66)
本好きなら、カバーを取らなくても色が浮かぶ。
それから、当時は手拭いは限りなく野暮ったく、老人しか使っていなかった、というところ。そうそう。そもそもデザインが今のようにオシャレなものはなく、良くて青海波か豆絞り、最悪は農協のロゴ入り。そういうのを老人が農作業の時男性は首に巻き、女性は頬かむりにしていた。しかし、今のオシャレな手拭いは結構な値段だが、当時はすごく安く、農協のロゴ入りはただで(もちろん農協から)もらえた。
わたしは姫野さんと同世代ではないが、それでも昭和のあれやこれやを思い出した。
ラストは物悲しくもあたたかく、年を取って今まで良いことも悪いこともたくさんあった人たちはきっと共感すると思う。
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いや~めんどくさい。でも、そのめんどくささを楽しむ本ですね。
還暦を過ぎ、今はシェアハウスに住む天涯孤独な女性の高校時代を追想です。高圧的で異常に干渉する父親、無関心な母親、田舎の緩い校風の高校と数少ない男女の友人、変わった先生たち。まとまった一つのストーリーというより場面場面が点描され、そのなかで主人公の想いや考えが書き込まれて行きます。
これが片っ端から曲がっているのです。そう、タイトルの『青春とは、』でストレートで爽やかな青春を思う人が多いでしょうが、ここに描かれるのはどこか鬱屈して思うに任せぬ事が多い青春です。最初は重さばかり感じていたのですが、途中からその曲がり方を楽しめるようになって面白くなりました。
主人公と同じ世代ゆえ、懐かしい文物、風景(秋吉久美子、ミッシェル・ポルナレフ、ラブアタック!、フラップで回転する文字盤の時計、ラジオの深夜放送)が目に浮かびます。
物語の終盤、現在に立ち帰った主人公が過去を認め、愛おしみながら「クラス会にも学年同窓会にも来なくていいよ」「でも、いてくれ。いなくならないでくれ」と旧友達の事を思います。なかなか爽やかなエンディングでした
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2020年に東京のシェアハウスで還暦を迎えた乾明子が、借りっぱなしの本の持ち主から端を発して滋賀の公立高校時代の思い出を回想していく。全てを管理する毒親に自宅では支配され、恋をするでもなく部活に燃える訳でもないごく普通の地味な学生時代が語られるが、その普通が後から冷静に振り返るときらきら光る青春だった事が染み渡る。ミッシェル·ポルナレフやミュージックライフ、あさま山荘事件に重信房子、フィーリングカップルにパンチDEデートと当時の世相満載だけど世代がちょっとずれているのでそんな感じかー、位。しかしリアルタイム滋賀県人ならツボなのでは。この思い出があるからこそ現代での明子の「同窓会に来なくてもいいからいてくれ、いなくならないでくれ」の切実さが胸を打った。
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姫野カオルコさん、香山リカと混同してた。
滋賀出身ということでめちゃくちゃ親近感抱きながら読了。当時の文化や風俗は全然分からんけど面白いし、紛れもなく青春。とくに3年7組なんてもう最高やん。一生物の思い出。フィクションとあるけど実話がベースなのかな?
評価あんまり高くないみたいだけど個人的には良かった。姫野カオルコさんのユーモアセンスもわりかし好み。
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自伝風フィクション。いつもの姫野カオルコだけど、少しだけ軽やか。こんなに聡明な人でも、書くのに時間が必要なものなのだな、と。ボックスティッシュをプレゼントにしていたとか、昭和の小ネタも面白かった。
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私は主人公より少し下の年代なので、あさま山荘事件とか、連合赤軍の話はよく知らず、検索しつつ読み進めたが、主人公の感じたこと、考えたことについては「わかる〜!」というエピソードが結構あった。
例えば親が、自分の電話をチェックしてること。
「学校へ行く」と言えば咎められることなく家を出られること。
私も「仕事だから」と言えば家に居なくて済むと思い、お盆休みのない、大晦日まで仕事のある職を選んだ。親の過干渉、子は自分たちの思う通りになると思っている親のことはよーくわかる。
青春とは、後から振り返って「あの頃だった」とわかるもの。
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年や県は違えど、同じく県立の共学クラスの共学高校に通っていたわりに、高校時代を振り返ったとき、こんな風に濃密な思い出はないんだよなあ・・・とちょっと寂しい。
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私が過ごした高校時代より少し前の話ですが、もちろんスマホはなく連絡は家電で家族に相手もバレバレ、個人情報ダダ漏れの名簿、ミュージック・ライフにFMレコパル、英単語連想記憶術に試験に出る英単語、リーダー・グラマーと分けられていた英語の授業など、理解できることも少なくなかったです。
自宅を出たかった気持ちも、家庭環境は違いますが理解はできます。
でも、この本を読んだからといって自分の高校時代を思い出す、という感じにはなりませんでした。