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上巻
物語の作者の覚書 シヴァがシャクティに語ったこと
歴史上,代表的な「ラーマーヤナ」/地域的な「ラーマーヤナ」の広がり/種々の文字で書かれたラーマの名前
プロローグ アヨーディヤーから地下へ
第1巻 誕生
畝で拾われた子ども/シャーンターと呼ばれる娘/リシュヤシュリンガの拉致/ダシャラタ,4人の息子を得る/スラバーとジャナカ/ウパニシャッド/スナイナーの厨房
第2巻 結婚
規則の誕生/パラシュラーマの斧/カウシカ,ヴィシュヴァーミトラになる/ヴィシュヴァーミトラの祭式/ヴァシシュタの弟子たち/ダシャラタは息子たちを手放す/ターリカー殺害/アヒリヤーの解放/シヴァの弓/シーター,弓を持ち上げる/ラーヴァナの出自/ガンガーの降下/弓を折る/パラシュラーマの怒り/4人の兄弟に4人の花嫁
第3巻 追放
アヨーディヤーへの入城/王の戦車の御者,カイケーイー/3人の王妃/狩りの獲物となったシュラヴァナ/マンタラーの悪意/カイケーイーの2つの願い/ラグ王家の評判を守る/ラーマの旅の連れ/樹皮の服/出発/船頭グハ/眠りの女神/バラタとの再会/ダシャラタの供養の儀式/ラーマの履物/ジャーバーリ/マンタラーの前世と来世
第4巻 誘拐
ダンダカの森へ/シャーンターとの出会い/アナスーヤーとアトリ/シャラバンガの天国/スティークシュナの頼み/アガスティヤとローパームドラー/森の中での会話/ラクシュマナの貞節/ヴェーダヴァティー/娯楽のための武器と生き延びるための武器/シュールパナカーの夫と息子/傷つけられたシュールパナカー/カラとドゥーシャナの軍団/黄金の鹿による詐術/隠者に食べ物を恵む/ジャターユスの翼/海を渡ってランカーへ!/アショーカの樹の園/ラーヴァナの家と妻/マンドーダリーの娘/誘惑の試み/シーターのボードゲーム
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マハーバーラターと並ぶインドの2大叙事詩の1。仏教のバックグラウンドにもなっている「ダルマ」を主人公ラーマやシータを通して読者に投げかける。
ヴァールミーキの原典をベースとしながらも著者が膨大な各地域の伝承などから厳選・再話したもので読みやすい。
かの有名なラクシュマナ・レーカーのエピソードが原典には無いと知って驚いた。
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母親が図書館で借りてきた。インドの二大叙事詩。世界史で出てきたのは覚えてるけど内容は全然知らなかった。日本の神話も大陸産んだりしてるけどインドの神話は大地が孕んで草を産んだり牝鹿が人の子を孕んだりしてる。神話って割とぶっ飛んでるからじわじわ笑えてくる。なんで聖職者やら神が禁欲するのか不思議だったけど禁欲することでエネルギーが増える=強くなるって感じらしい。だから相手を弱くさせようと敵が綺麗な女神とか送り込んで禁欲失敗させる話が途中結構あった。登場人物が多すぎて最初の方がよく分からないけれど呪いにより十数年王国を追放されて隠者生活を強いられる王族のラーマとシータの物語。追放されてからは冒険物語っぽくて面白い、シータが連れ去られたところで下巻に続く。シータはジブリのラピュタのシーターのモデルになってるらしい。
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紀元前2世紀のヴァールミーキのサンスクリット語版を基本として、著者が後世の作品や各地の伝承を織り込んで再構成しています。本編よりも著者の解説欄の方が充実していそうな程で、インドの文化や思想との繋がりなどの深い考察は読み応え抜群です。
さらにインドや東南アジアの各地に伝わるラーマーヤナのバリエーションの違いがこれでもかと紹介されています。もはやこれが正統とか定番だといえるラーマーヤナは存在せず、様々な時代や地域の人々が自由に発想したエピソードの数々を自由に楽しんで欲しいという著者の思いを感じます。
本来そうした自由な性格の神話が、西洋的な視点からの研究によって地理的にも時系列的にも系統だった解釈がされることが言及それています。著者ははっきりとは批判しませんが、ネガティブな視点を感じずにはいられません。
ついつい本書を読みながら、どれが原典でどれが地方伝承かを区別したり、劇中の舞台になっている場所を地図で確認したくなったりしましたが、それは無粋な読み方なのかもしれません。
上巻はシーターが拉致されるまで。前段が終わり物語がこれから盛り上がっていくというところなので、下巻を読むのが楽しみです。
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物語の背景や研究動向、現在のインド社会での受け入れられ方などの解説がある良書。一節が短いのでするする読み進められるのがいい。欲を言えば用語の索引があればもっと助かる。
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RRRでインド神話に興味が出てきて読んだ。
挿絵も多くて読みやすい!
神に目をつけられると呪われたり、姿を変えられたり、殺されて生き返ったりと、とんでもない展開になっていくのが淡々と描かれている。
『嫌われる勇気』に通じる哲学を感じる。