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読みやすく面白かった。優生学やロボトミーについては、イメージだけで知らなかったことが多いと感じた。
データがすべて。すべてのものには代償があり、ただ一つの問題はその代償の大きさだけだ。時代の空気に流されるな。手っ取り早い解決策には気をつけろ。量次第で薬は毒にもなる。用心することにも用心が必要。カーテンの後ろにいる小男に注意しろ。
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断片的にしか知らない科学の悪い側面を知ることができた。自分の周りにある科学の産物をそのまま鵜呑みにすることがないようにしたいとは思うが、自分たちにはどれだけそれらを吟味するための手段があるのかがわからないとも思う。
物事の良い面、悪い面を吟味することを忘れないようにすることがこの本から得られる教訓。
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事実やデータを持って語らせる抑制の効いた文面が、ある意味凄みを持っている。科学者の負の側面を描いたノンフィクションは大変興味深い。
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人類史上最悪の発明七つ、という観点で選べれた事項について。
アヘン、マーガリン、DDT、化学肥料、優生学、ロボトミー、ビタミン
それぞれは間違っているわけではなく、強烈な思い込みをした人々によって誤った運用をされている。
非常に具体的、詳細、正確に史実を記載。どういう経緯があったのかがよく理解できる。
読了150分
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人類に恩恵をもたらした科学の発明ではなく、人類に大きな被害を生んだ発明という視点が面白い。
エビデンスに基づいて振り返っているため、過剰に著者の思想が滲み出ていなかったり、後半は著者自身が自分の思想とデータを比べて自分の意見は現段階で正しくないと語っているのも、語られてきた教訓に合っていて好感が持てる。
アヘン→モルヒネ→ヘロインになっていく過程や、優生学、ロボトミー手術など、取り上げる例も興味を惹くものが多かった。
・物質の影響は量による
・流行や発言者ではなくデータで判断する
・自身の主張に削ぐわない結果でも受け入れて再考する
・得られるメリットと生じるリスクの大きさで判断する
抗酸化やサプリメント、電子タバコやマンモグラフィ検査など、自身も聞いたことがあり現代にも続くテーマも語られていて役に立った。
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医学はいくらでも捏造できるしごまかせる。
医学者は害しかないと分かってやってるんではなく、ホントに信じて引き返せなくなってるんだろうな。
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塩野七生氏によれば、かつてカエサルは次のように言ったという。「どんな悪しき前例も、最初は善意によって始められた。」これは本書のエピグラフに加えてほしいほどの名言である。
人類の発明の中には、スマートフォンのようにわれわれの生活を便利で快適にしてくれたものもあれば、原子爆弾のようにご利益より災いの方が大きかったものもある。もし世界を悪い方に変えた発明品のリストを作るとしたら、何が選ばれるだろうか。本書はそんなきっかけから生まれたという。以下、内容だけ知りたい方のために、各章の要約を書く。すでに読まれた方は読み飛ばしてほしい。
第1章で扱われるアヘンは、最初は薬として発明された。だが、アヘンから人々を救うためにモルヒネが発明され、モルヒネから救うためにヘロインが発明された。
第2章のマーガリンはバターの代用品として発明されたが、心臓によい食品として大流行した。しかし、脂肪についての研究が進むと、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸はむしろ心臓病に悪いことがわかった。
第3章は空気中の窒素からアンモニアを大量生産する方法を発明したフリッツ・ハーバーのエピソードを紹介している。彼の発明は化学肥料に結実し、人類を飢餓の恐怖から救った。しかし、彼は化学を戦争に転用し、確信犯的に毒ガス兵器を作った。そのため、彼はのちにノーベル賞を受賞するが、他の受賞者が賞をボイコットするという異例の事態が起きた。
第4章は優生学である。多くの人はヒトラーをまず想起するかもしれないが、優生学が最初に根を下ろしたのは1900年代初頭のアメリカだった。冒頭のカエサルの言葉がもっともよく当てはまる発明はこれかもしれない。優生学は学術者から聖職者に至るまで、多くの「善意の」賛同者を得ていた。そして現代でもまたトランプ元大統領によって繰り返されている。
第5章はロボトミーだ。現代ではもはやホラー映画の領域だが、当時は治療法がなく患者が溢れる一方だった精神病の打開策として、大真面目に注目されていたのである。
第6章は『沈黙の春』の功罪を扱う。人類の活動が地球環境を破壊しているというレイチェル・カーソンの洞察は正しかったが、DDTについては見識が足りなかった。DDTは無害に近かったというだけでなく、DDTの禁止によって、逆に多くの命が救えなかった可能性がある。
第7章では、ノーベル賞を獲るほど高名な科学者でさえも、間違った学説を信奉することがあるという具体例を挙げている。
各章の終わりにはそれぞれの事例が示す教訓がゴシック体で強調して書かれ、ご丁寧に第8章では、それらの教訓をもう一度繰り返している。列記すれば次の通りだ。
1. データの重要性
2. 代償の存在しないものはなく、問題は代償の大きさだけだ
3. 世間の風潮に流されてはいけない
4. 手っ取り早い解決策には気をつけろ
5. 薬も量しだいで毒になる
6. 用心のしすぎも逆に悪い
7. 元凶はたいていカーテンの後ろに隠れている
不覚にも私はこれらを読んで、どれもまるで「詐欺に騙されないためには、このようなことにに気をつけましょう」みたいな注意書きばかりだなと��ってしまった。つまりは対症療法ばかりで、詐欺そのものをどうやってなくすかについては一切触れていない。詐欺が起きるのは仕方がないということか。私の目から見れば、著者は自身が取り上げている悪しき前例同様に、科学を全面的に信頼しているように見える。違いは「これらの教訓を忘れさえしなければ」という留保をつけているかいないかだ。
科学の信奉者たちは往々にして、こう述べる。科学が悪いのではない。悪用する人間がいるだけだ。しかし、そんな科学者の良心まかせでいいのだろうか。科学者の道徳性は、その他の人々の道徳性よりも優れているのだろうか。科学は客観性を誇りにしているが、言い換えればそれは主体の不在である。したがって、もし科学が神を創造できるとわかったら、科学者はただ盲目的に神を作るだろう。本書が優れたドキュメントであることは間違いないが、著者が批判の目をもっと内面に向けていたら、卓越した啓蒙書になっていたと思う。
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利益ではなく被害になってしまった科学について。有名なロボトミーや優生学、アヘンなど7つの章に分けられている。
エビデンスに基づいてるので強い思想がなく良かった。
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専門用語が多くて文系の自分にとっては難しい
アヘン戦争の要因全然知らなかった、世界史学んだはずなのに、、モルヒネになるもの。
100年前くらいの事例だからまだ科学的根拠が不十分なまま世に出されてしまったものが失敗している。
ロボトミー手術
以下教訓
全てのものには代償がある
時代の空気に流されるな
手っ取り早い解決策には気をつけろ
量次第で薬は毒にもなる
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ノーベル賞を受賞するような科学者でも、過ちは犯す。間違える。傲慢になってはいけないし、いつでもデータや現象に誠実にならないといけないと思い返させてくれる本。
フレーズ
彼らは全員が長きにわたって正当な結果を出し続け、強い反対意見に直面することがなかったため、自分が間違っている可能性を想像することすらできなかったのかもしれない。天才と狂気は紙一重だという可能性も考えられる。
今では、命にかかわることのないがんが見つかっている。がんで死ぬのではなく、別の原因で死ぬまで共存しながら生きていけるようながんもあるのだ。そのような命にかかわらないがんをみつける過程は、益よりも害の方が大きいのではないかと思われる。
もし研究者が陰謀論を口にしたら、その相手が唱える説に根拠はないと思った方がいい。
「ガリレオが権威に逆らったからといって、権威に逆らうものが必ずしもガリレオではない」