紙の本
限界を見極める力
2023/02/28 07:32
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投稿者:ももじろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者竹内さんの本当の強さを知ることが出来たように思います。
標高8000メートルを超える世界。想像する事もできません。かろうじて頂上からの写真を見て息をのむ。
プロの登山家としての誇りと、苦悩と。
強靭な身体的機能と精神力を維持し続ける力。
真剣に山と向き合い、真摯な素直な感謝の気持ちで、関わっている全ての方々と繋がっている、、、感動ですし、尊厳しています。
「登るために下る」
登山の全てを表す、哲学だと思いました。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいてあらためて尊敬の気持ちが強くなりました。ヒマラヤ8000m峰14座完全登頂とは、14の山すべての頂から生きて、そして、無事にということです。「生きて還ってこなければ、下山しなければ、登山ではない」が重い。
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人数が多いとトラブルの発生要因も多い。複合的なトラブル。
山頂は「忙しい」写真、「怖い」生命感のない静止画、「うるさい」風、心臓、息
酸素ボンベ6万円*4~5本/1人 8000m台後半の山に使用
食料より軽量化、水さえあれば動ける、予備食ないぴったりの食糧
頂上は登山の行程のなかの通過点のひとつ
それが全体のどの位置にあるかは終わった後はじめてわかる
ヒマラヤにコースタイムはない
1995年 マカルーで初登頂
2005年 プロ契約
日没後の地吹雪、Protrekの高度計で居場所を把握
2007年 ガッシャーブルム雪崩事故
音をさせないよう歩く、足をまっすぐ置く、腕を振りすぎない、肩で息しない
2008年 再挑戦で登頂成功
2011年 幻覚のなかのチョオユー
2012年 ダウラギリ 14座完全登頂 NHK撮影 強風の下山でビバーク
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タイトルに哲学とあるけど、それほど哲学的な内容はなかったな。
8000m峰1つくらいは自分も登っときたいな、と読んでて思ったが、費用がすごそう。
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登山は全くのシロウトだが、ほぼ一気に興味深く読めた。
次の山を見つけるために登り、次の山を登るために下ってくる。山頂は、一点しかなく行き止まりだが、そこから下っていく先は、自由に選び、思い描くことができる。そんな連鎖を常日頃から、意識していこうと思う。
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プロ登山家、竹内洋岳のヒマラヤ8000m越14サミッターへの道程。8000mの世界は壮絶。生き残る戦い。引き返す選択が、体力と合わせすごい。
仕方がないて言ったパートナー阿蘇氏への批判が、印象深い。
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8000m峰14座すべての頂に立った登山家による、初の下山記録。
生命の危機スレスレという経験を何度もしている著者ならではの、登るために下るという哲学が心に染みる。
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淡々とした、そんなに上手い文章ではないが、人がバンバン死ぬし著者も何度か死にかけているため、スリルがすごい。結構な確率で胃液吐きながら歩いてるし。
というか、なんで人は山に登るんだろうと考えてしまう。こんなに死ぬのに。
著者は高山病に慣れやすい体質らしいが、頭痛持ちの自分は昔富士山に登ったとき、高山病がひどくて人の酸素を吸いまくっていたことを思い出して暗い気持ちになってしまった。とは言え、富士山は良かった。また登りたい… と思うと、自分の山登りたい、と彼らの8000m登頂したい、は大して変わらないのかもしれないと思ったりする。
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地球上に8000m超えの山が14座ある。
著者は2012年に日本人初14座登頂のサミッターとなる。
その1座から14座までの主に下山の記録が綴られている。標高8000mを超える世界はデスゾーンと言われるように、どの山も一筋縄ではいかない、どころか何度か挑戦の末、何年もかけて登頂を果たした山もある。
形成される登山隊もまちまちで、第一座目のマカルーは立正大学の学生として、日本山岳隊の一員として参加している。
ほかに、公募隊に応募しての参加、ここでいう公募とは、お金を払ってガイドに連れて行ってもらうというものではなく、参加の一人一人が、ある一定の技術を持ち備えて、一人でも行動できるレベルに達していて、費用を出し合い参加するというもの。
そういうところでいろんな国のいろんな人に出会えることを楽しみに参加していた。
またそこで知り合った人たちと次、別の山に行ったりしている。
8000m峰もある程度征服すると、自然14座制覇という目標ができ、各国の志を同じくする人たちと行動を共にしていくが、制覇を達成した人から抜けていき、最後の3・4座は仲間を一般から公募したりしている。
さて、14座の中で特に印象に残った山は、7座目のシシャパンマ、標高8027m。チベットの奥深くに位置し、8000m峰で唯一完全に中国領内にある山。
竹内にとって三度目の挑戦で、なんと無酸素でアルパインスタイルで登るというとんでもない発想に驚く。
アルパインスタイルとは、日本のアルプスを何日かかけて縦走するようなもの、普通、7000・8000m級の山は極地法といってベースキャンプから上にいくつもキャンプを設営しながら登るところを、荷物全部を持ってシシャパンマをぐるっと一周10日間、本当に楽しい旅だったと振り返る。
ここで常々、竹内が言う「頂上は通過点」をより実感することができる。
頂上に着いたからあとは半分だなとか、下山は楽だから7割がた終わったなとかいう感情は持たないと。頂上は登山の行程の通過点のひとつでしかなくて、それが全行程のどの部分なのかは終わってみなければわからないと。
改めて共感する。
あと印象的な山はやはり、体調不良やけがをおしての無事下山。
シシャパンマ下山後、なんと翌々日後にはエベレストに登りに行っている。
いくら高度順応ができているとか、お隣の山だからとか、ちょっと凡人には考えられないんだけど、やはり体に無理があったのか、体調を崩し、意識を無くし一時は呼吸停止になり体は冷たくなっていき、元薬剤師と看護師のパートナーの必死の手当てで一命をとりとめたという。
もう一つは、ガッシャーブルム2峰での雪崩に巻き込まれての大けが。
何とか掘り出されたが、背骨の破裂骨折、肋骨が5本折れて肺が片方つぶれていた。
ドクターに明日まで持たない、家族にメッセージを残せ。と言われたほど。
それでも生還を果たし、翌年に背骨にボルトを入れて再度ガッシャーブルムに挑戦、10座目制覇。
こういう風に書いていると、竹内さんてギラギラした根性の塊の山やさんのように思いますが、メディアなどでお見かけすると、ウ��ーブのかかった長髪に、ジャケットを羽織り、ストールなんか巻いてらして、長身だし細身なので、雑誌のモデルさんのようです。
話し方も穏やかで、どこにそんな根性があるの?と思うようなお姿です。
山は下りて初めて完結、ということで、次の山に登るために下山するんだと、14座制覇の次も新たな挑戦を続けておられます。
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8000メートル峰14座すべてを制覇した登山家竹内洋岳さんの「下山」の行程に光を当てる一冊。登山は頂上に達することが目的ではなく、登頂して無事に帰ってくること、それで初めて登頂したといえると。降りるからこそ次の登山ができる、か。いい言葉ですね。
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やっぱり成し遂げている人は違う。格好の良い登頂シーンではなく、失敗や撤退を含む厳しい下山の行程を堪能させて頂きました。以前に竹内さんの本を読んだ時にも感じましたが、飾り気のない真摯なお人柄が滲み出ている文章で感動の1冊です。今後のご活躍にも注目していきたいと思います。
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登山家であり、14座登頂した竹内氏。後ろ見返しの写真は長髪細身で、言われなければ登山家だとは気が付かない。
ネットを検索すると、立派なホームページがあり、14座についての解説がわかりやすい。
下山の哲学という名前通り、頂上は通過点に過ぎず、無事下山までが登山だと繰り返し触れられている。そして何よりも、仲間が大切ということがこの本の中での一貫したテーマのように感じ、読んでいて心地よい。何よりも氏は山で死んでおらず、まだ生きている!
「山には人を結びつける力があって、それが登山のおもしろさです」との言葉や、随所に挟まれている知人からみた氏の紹介文から人となりがうかがわれる。
自分の技術を磨き、適切に判断する力を身につけてこそ、良い仲間が得られ、目標に向かって邁進できるのだなと感じた。
厳しい登山について数々が書かれているにもかかわらず、非常に読後感がよい。