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【それは、私の罪ですか? 現代に響く傑作ミステリ
】三人の少女を巻き込んだ不可解な事件。その罪は誰のものなのか?三十年の時を経て明らかになる真実が胸に刺さる! 衝撃のミステリ。
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読み終わって久しぶりに泣けてきた。何にということもなく。
1973年、校内暴力の嵐が吹き荒れる前に就職した私。
長女が小学校に入ったのは1984年だったか。
渦中にいた子供たちの苦しみを想像したことがなかった。
友梨と里子に真帆が加わって三人の関係が始まる。
三人の複雑で深い想いにずぶずぶと沈みそうになる。
ググってみた インフルエンス …… 影響
内澤旬子さんの解説に「影が響く」の方がハマる、
とあり その通りだ!! と思った。
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再読。
なぜ犯罪を犯してしまうのか。
面白かったが、すっきりしない話だった。
2018.6.11
大阪郊外の巨大団地で育った友梨、かつての親友・里子、東京から越したきた真帆、それぞれが犯罪に手を染めてしまう。
決して切れない繋がり、インフルエンス=影響力に逆らえず、自ら囚われているようでもあった。
いつものごとく読みやすく、内容のわりに嫌な読後感もない。
種明かし? はさすが近藤史恵さん、ここでこうくるとは思わなかった。
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団地には、昔子供が沢山居て生活の全てが
そこには詰まっていた時代。
三人の子供達の何十年にも渡る仄暗い記憶と
思春期の最中の友情と愛憎と孤独が
一気に迫って息苦しさを感じさせる。
親族からの虐待、団地の変質者、学校のいじめ
大人達が少しずつ見過ごした事が、後々
彼女達三人の人生を大きく変える事件となり
その連鎖はそれぞれの人生に大きな影と孤独
を生み出す。
それでも、見えない何かで結ばれていた
少女たちは、大人なり自分は一人では無い事に
やっと気づくのだ。
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ある小説家に届いた1通の手紙。その内容は、30年にわたる女たちの友情物語を小説の題材にしてみては?絶対興味をひくので、ぜひ時間いただけないか?という内容だった。
半信半疑のまま、その女性に会い、そこから過去に遡る。
不可解な殺人事件を背景に差別や葛藤などが渦まく少女たちの青春時代が語られていきます。
大部分を過去の青春時代が描かれていますが、まぁ衝撃的な内容だらけで、壮絶でした。巨大な団地を舞台にそこで繰り広げられるその時代特有の差別などが、学生たちにどう影響を与えていくのか。その辺の心理描写が繊細であり、リアリティがありました。不謹慎かもしれませんが、共感した部分もあり、他人事ではないなと思いました。
全体的に不穏な雰囲気を放っていました。女たちの友情という一見固く結ばれて喜ばしいかと思いきや、その中身は切っても切れない存在であり、ある意味恐怖すら感じました。また、女の執念に凄みも感じました。
友達が故に起きてしまった不可解な殺人事件。罪が罪を呼ぶかのように重なっていきますが、それはその人にとって、不幸なのか?女たちの運命に陰湿ながらも、爽やかさを感じました。
後半になると、ちょっとした驚きの展開になりますが、そんなに衝撃を受けませんでした。やや失速した感覚があり、物足りなさを感じました。てっきり小説家の正体が意外な人なの?と期待していたので、残念感がありました。
WOWOWで映像化されるということで、どんな作品になるのか楽しみです。
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救われない友情物語、というのが第一印象。
淡々と描かれる、友との関係。
流されていく人生。
こんな友情もあるんだと納得しながら、あったらいやだと思う気持ち。
読んでいて、疲れたと思うのは久しぶりかも。
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色々とツライお話。
実際に人を殺すかどうかは別ですが、こういう犯罪の被害にあった少女は多そう。親族の、見えない家庭内での性犯罪とかもあったんだろうなぁ…。
最後の殺人は正直必要だったのかは謎な所。結局のところ妻である彼女はその現状を受け入れていた感じもあるし…
中学校が荒れていたという話、あったなぁとぼんやり思い出しました。今、50代ぐらいの人たちなのかな。でも自分の頃も、ダウン症の女の子が頬を切られたなんて事件があったなぁ、なんてふっと思い出しました。
弱い物の方にしわ寄せが行くのはいつの時代も同じなのかなぁ。悲しい事だけれども。
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1980年代の団地や学校のリアルな描写の中で、三人の少女たちの愛情と嫉妬が、複雑に絡まり合う。ミステリ的には特に大ネタもないのだけれど、繊細な心理描写だけで読ませるのはさすが。淡々としてはいるが、女性や子供に対する暴力に対して、甘くでルーズな社会に対する怒りは十分に感じられる。
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子供の時分、近隣の友達が住む団地には何処か形容し難い恐ろしさを感じた様な気がする。今作は互いに負い目を抱えた女性三人による殺人の連鎖を描くサスペンス一代記。掛け合わせたパズルの様でリアリティに欠ける筋書きだが、作中に蔓延する不穏なムードは頁を捲る手を逸らせるし、随所に挟まれる共同体の閉塞感も不審さを盛り立てている。奥行きが足りない印象はあるが、本編300頁に満たない作品で歪な共犯関係と断ち切れない絆を描き切るのが凄い。著者本人が投影されたと思しき女性作家が聞き手となるメタフィクション的要素も含まれている。
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親の「あなたの為を思って」言ったことは
大抵わたしたちを傷つける
生きていく上で、他人から見た""失敗""を
避けることができるかもしれないけど
自分の大切にしているものを否定されたり
自分の意志ではない判断で手放してしまったことの方が
もっとずっとわたしたちを傷つける
大人と呼ばれる年齢になっているのに
未だに""子供""である事から抜け出せない
未だにわたしたちは親の思う正解に
こころを振り回されて続けている
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まさに同世代 だから既視感があるのか。
それにしても 幅広い どれだけの世界を 書くことができるのか
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団地や中学校という小さな枠に押し込められた少女たちの閉塞感や歪な関係を、巧みな心理描写と程よいスピード感で読ませてくれる。思わず一気読みしてしまう作品だった。
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一気に読んで、読み終わった後は
不思議な余韻で鳥肌がたっていました。
子供の頃はみんな狭い世界で生きていて
それに気がつかずにいる。
登場人物の3人はみんな大人になっても
結局あの頃の空間から抜け出すことが
出来なかったのかなと感じました。
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日常に寄り添った作品。
遠く知らない誰かのお話だけど、どこか身近で知っている気さえした。
罪を犯すか踏みとどまるかは紙一重だなと改めて感じた。
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小学二年生の友梨は、同じ団地に住む親友の里子が虐待されていることを知る。誰にも言えないまま中学生になった時、憧れの存在・真帆を救うために友梨は男を刺してしまうのだが―不可解な事件が少女たちを繋げ、罪は密かに重なり合う。大人になった三人の運命が明らかにした驚愕の真相とは。『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞した近藤史恵が描く傑作長編。